二度目の異世界転移は女神と共に 〜チートを集めて世界を救うけど、オレの目的はあくまで君です〜

ワキヤク

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2.元勇者、誤解される

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「おい、裕大。お前と姫野さん。どういう関係なんだよ?」
「何だよ。藪から棒に……」

 学校の授業が終わり、ホームルーム後の掃除時間。
 同じ教室当番の前田が突然そんな質問をしてきた。いや、前田だけじゃない。ほかのクラスメイト。女子を含めた全員からの質問みたいだ。
 全員、掃除の手を止めて、オレの方を見てるし。

「別に突然ってことはないぜ? 結構前から思ってたことだ」
「だから、何が?」
「お前と、姫野さんの関係だって。なんか仲良くないか?」

 前田の言葉に周りにいる奴らが頷く。
 その中の一人。女子の上原が人差し指を立てて、

「この間なんか、二人でお昼ご飯を食べてたよね? アタシたちも遥奈を誘ったのにさー。『佐藤くんと食べるから』なんて答えてて。――これは、もしかしてって思ったわけ」
「そうだぞ裕大! 我らが女神。姫野遥奈ひめのはるなと付き合ってるのか、どうなのか! さぁっ、白状してもらおうか!」

 そんな前田と上原たちの言葉を皮切りに、周りからたくさんの声が飛ばされる。
 男子は『抜け駆けしやがって!』、『羨ましいぞ!』など、主に嫉み言葉。
 女子は『ねぇねぇ。成りそめは?』とか、『どっちが先にプロポーズしたの?』だとか、質問攻めだ。

「おいおい。待てってば! オレは別に姫野と付き合ってなんか――」
「しらばっくれても無駄だぞ、裕大ッ! 今日なんか、昼休みに仲良く話していたじゃないかーっ! 畜生ッ! あの難攻不落の姫野が、お前なんかになびくとは……ッ!」

 滝のような涙を腕で拭う前田。
 オレなんかとは失礼な奴だな。確かに、オレは特出したようなものはないだろうけどさ。これでも、一応異世界では勇者やってたんだぞ!?
 ――って、言っても信じられないか。

「難攻不落ってな……。そこまで言うか?」
「あぁいうさッ! 貴様には分かるまい! 姫野の魅力がなッ!」

 拳をグッと力強く握る前田。
 ただでさえデカい身体が、力を籠めたおかげで熊のようなガタイに……。女子たちが少しだけ引いてるぞ?

「人当たりは良く、成績は優秀。運動神経もよくって、おまけにあの整った容姿ときたもんだ! 彼女に惚れない男子はいない!」
「現に、佐藤以外の男子全員が告白して玉砕してるもんねー」

 補足するように前田の後ろの上原が口にした瞬間、クラス内の男子から亀裂が入ったような音が聞こえた。
 どうやら、オレ以外が告白したっていうのは本当らしい。
 まぁ、オレの場合は告白する勇気がないだけだけどな。玉砕して、心に深い傷を負うくらいなら、友達や知り合いどまりが一番だ。
 その方が、お互いのため。――って、ただの言い訳だよな。

「まっ、わからなくはないけどねー。遥奈って、可愛いし。――唯一欠点と言えば、少し子供っぽいくらいじゃない?」
「わかってないな、上原。それが姫野の魅力なんじゃないか」

 復活した前田が口にする。
 確かに、姫野は少しだけ変わってる。
 普段はさっきから前田が力説する通り、非の打ちどころのない完璧美少女だ。だが、稀に彼女は子供っぽくなるのだ。
 具体的には、魔法や化け物といった存在。つまり、異世界に対してかなり興味深々と言えば良いのか?
 昼休みの時のように話したりすることはもちろん、実は誰にも気づかれないところで魔法の詠唱をしていたり、『変身っ!』とかって叫んでたりする。
 この前は、学校近くの公園で幼稚園児と一緒に戦隊ごっこしてたしな。
 まぁ、本人は気づいてないだけのようだけど。

「ふっふっふっ。あのはたから見れば完璧な姫野が、一人になったときにだけ、子供っぽい仕草を見せるんだぜ? 最高に可愛いじゃないか」
「それは分かる。しかも、その事実を隠しているところがさらに可愛いんだよねー」
「そうだぞ。上原、お前はちゃんと理解しているじゃないか!」

 熱い握手を交わして、互いに褒め称える前田と上原。
 何か、途中から置いてけぼりを食らった感覚だ。なんて、思っていると、その両者が同時にオレの方を見て、

「だからこそ、気になるなぁ! 上原よ!」
「そうだねっ、前田! どうやって、あの遥奈を落としたのか……」

 ギラギラと輝く四つの瞳。
 上原は手をワキワキと卑猥に動かし、前田は指の関節を鳴らしながらこちらに迫ってきている。
 逃がしてくれそうにない絶望的状況は、異世界で何度も経験してきたものだ。――が、今回のはかなり精神的にキツいものが……。

「さぁ、話してもらおっかー。佐藤?」
「言わぬというなら、力尽くでも話してもらうぜ~?」
「いや、話すも何も……。オレたちは別に付き合っているわけじゃ……」

 壁際に後ずさりしながら答えるも、二人を筆頭にしたクラスメイトたちは納得してくれない。
 オレは事実を口にしているんだけどな。などと考えていると、

「あれ? みんな、どうしたの?」

 タイミングが良いのか悪いのか。件の美少女、姫野遥奈が教室にやってきた。
 肩にスクールバックを下げて、すぐにでも帰れる準備万端って状態だ。

「おっ! いいところに来たねー。遥奈ぁー」
「えっ、えぇっ!? な、なに!?」

 状況が理解できていない姫野は、友情よりも恋愛への興味が勝った上原によって教室内に引き込まれる。
 そうして、まるで狙ったかのようにオレの隣へと移動させると、

「どうしてこうなっているか。わかるよねー、遥奈ぁー?」
「えっと、何でかな?」

 含み笑いを浮かべる上原に対し、追い詰められた姫野は状況整理ができていないようで少し慌てている。
 そんな姿に男子はもちろん、女子も癒されたように頬を緩ませるのだが、

「しらばっくれても無駄だよ! 全部、洗いざらい喋ってもらうんだからっ!」
「だ、だから、どうしたの? 説明してくれないかな……?」
「佐藤と一緒にいるこの状況。これだけで、おおよその検討はつくでしょー?」
「佐藤くんと……?」

 首を傾げて、オレを見据えた姫野。
 お互いに少しの間見つめ合うが、それで答えが出るはずもない。さらに頭に疑問符を浮かべた姫野だが、何か思い当たることでも思い出したのだろうか。
 恐る恐るといった様子で口を開くと、

「もしかして、わたしが今日は一緒に帰ろうって誘ったのが――原因だったりするのかな?」

 それは、オレにとっては最悪の回答だった。
 それまで騒がしかった教室内は一気に静まり返り、時が止まったかのように誰もが固まった。
 ――と、思ったところで、オレたちに詰め寄ってきていた前田と上原がガタガタと震え始めると、次の瞬間、

『アウトォォォ~~ッ!!』

 風船が破裂したかのような勢いで飛び上がった二人。
 上原はもっと詳細を聞こうとさらに詰め寄ってきて、前田はオレを撲殺するための金属バットを探しに教室から出ていった。前田さん、嫉妬深いっすわ……。

「えっ、違った?」
「いいえっ、ある意味正解よっ! 遥奈ぁ、下校デートとはやるわねー!」
「よし。前田が帰ってくる前に、この裏切り者を排除するぞ」
『サーイエッサーッ! 委員長ッ!』
「お前ら馬鹿かッ! というか、委員長! お前、どこから出てきやがった!?」

 カオス。それが、この状況に一番ぴったりな言葉だと思う。
 これ以上、こいつらに付き合っていたらさらに面倒なことになるのは間違いない。
 オレはそう瞬時に判断して、隣の姫野の手を握るとクラスメイトたちで作られた人垣を強引にかき分けて、机上の鞄を手に教室内を飛び出した。
 『逃げたぞォォォ! 追えェェェ!』って、嫉妬に狂った男たちの野太い怒号が木霊する。
 これは、明日の学校が大変だろうなー。捕まらなければだけど。

「あ、あのっ! 佐藤くん!? 何で、わたしたち逃げてるのかな!?」
「お前が余計なことを言うからだ。あれじゃあ、下校デートと思われても仕方ないって!」
「デートって……。別にわたしはそんなつもりで帰ろうって言ったわけじゃないよ?」

 走りながらも普通に言葉を交わすところは、流石運動神経抜群な姫野。器用なやつだよ、まったく。

「とにかく、このまま行くぜ? もう戻れないだろうしな!」
「もー、成実もみんなも大袈裟なんだから……」

 まるで、諦めたかのようにそう口にする姫野の手を強く握り、オレは全力疾走で学校を後にしたのだった。
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