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クモの糸5
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あいちゃんが私に危害を加えるってこと?
なんか、現実的に考えられないけど選択肢のひとつとして考えないといけないのかとちょっと鬱になるけど、いま事態は大きくなってしまっている。いろんな人を巻き込んで。
私がそこのところを自覚しとかないともっと迷惑かけることがあるかもしれない。
「とにかく推測でしかないから、職場と幼馴染で口の堅い信用出来る人から話聞けるかな」
タカシさんが聞いてきたのでぱっとアヤとクミちゃんの顔が浮かんだ。
「1人ずついる。予定がどうか聞いてみるね」
アヤもクミちゃんも詳しい事情を書かずに、ちょっと時間とれる?とメールするとふたりとも今日中に時間とれると返事を返してくれた。ありがたい
☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・
仕事が終わってすぐに来てくれたらしい、最寄りの駅まで迎えに行くとアヤもクミちゃんも待っててくれていた。
「久しぶり!元気そうだね」とアヤはいつものように元気そうだった。
「ユキちゃん、髪切ったんだね?!…………でも似合ってるよ、可愛いじゃん」
仕事終わりですっ飛んできてくれたのか、スーツ姿の久しぶりのクミちゃん、相変わらずショートカットですっきりした顔をしている。
「ごめんね、急に呼び出したりして。ちょっとだけ確認したことがあって」
そして、初めてアヤとクミちゃんが私と一緒に来たマサキさんとタカシさんに目が行ったらしい。
「お!!テル君よりかっこいいじゃない?ユキちゃん、やるねぇ」
とクミちゃんが冗談っぽくいってくる。
「いやいや、今日はちょっと困ったことがあって相談に乗ってもらってるの」
話をしていると、タカシさんが話に割って入ってきた。
「お忙しい時に時間とってもらって有難うございます。少し状況を確認したくて無理を言って足を運んでいただきました。本当にありがとうございます。ちょっと込み入った話になるので、よろしければ場所を変えたいんですが」
またもや議長モード発動。アヤとクミちゃん、うなづいて場所を移動することになった。
移動したのは、商店街の外れの喫茶店。ちょっと込み入った話があるのでとあらかじめマスターに話を通してくれていたらしく奥にあるボックス席に案内してくれて、貸切にしてくれた。
珈琲もサービスで入れてくれたけど、申し訳ないのでお会計しようとすると、商店街の恩人のユキちゃんからは取れないでしょ、と笑われた。別に何をしたわけでもないけど有り難く受けておくことにする。
☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・
タカシさんが、ふたりに私に掛かってきたあいちゃんの母親らしき人からかかってきた電話の異常性を説明してくれて、私の身に危害が加えられる危険性があると説明すると、アヤもクミちゃんも思い当る節があるのか、すぐに事態が呑み込めたようだ。
クミちゃんが、私が逃げるように辞めてから今日までの状況を教えてくれた。
結婚が決まった後輩のあいちゃんを、睨んで無視している最低限の接触しかしない状態を見て、みんなやっかんでイジメてる、ヒステリー状態になってるみたいって噂が出た。みんな、私の性格は知ってて面倒見のいい人なのにこうも変わるんだねって静観していたんだけどこの噂、どうもあいちゃんが口の軽そうな先輩に相談しまくって流していた噂だってわかった。私が辞めて人手不足になるからって課長が、あいちゃんを結婚ぎりぎりまで引き留めることになって、まだ仕事は続けてるんだけど、職場の人たちほぼ全員に披露宴の招待状が届いた時に結婚相手が、ユキちゃんの彼氏の名前になっていたから、そこで、ユキちゃんが辞めた時の状況にみんなが納得したというか、略奪しちゃったんだって話になって」
クミちゃんは、その時の状況を思い出したのか頭を抱えた。
「で、結婚式の出席はみなさんするんですか?」
タカシさんが続きを促す。クミちゃんも、全員に確認してないんだけど、と前置きをして、周囲はほぼ欠席で、課で出席するのはあいちゃんを職場に引き留めた課長だけってことらしい。
「え?男性社員にも送ってるのよね?来るの課長だけ?」
意外だったので思わず聞いてしまった。あいちゃん結構男受けよかったんだよね、ちやほやされてたように見えたんだけど。
「なんか男性社員、半分くらい御兄弟らしいよ。下世話な話だけど」
「え?兄弟?」
私が不思議がっているとマサキさんに知らなくていいって怒られた。
その様子に、あんまり突っ込まない方がいいのかなと口を閉じる。
「なるほどね。ほぼ欠席ってことですか。招待状も出すのに結構高いんだろうに」
マサキさんが話を軌道に戻す。
「参加するのは課長ひとり。仲の良かった同期とかはいなかったんですかその人に」
「そこ、不思議で後輩に確認したのね、したら入社の時に同期の彼氏を寝取ったっていうんでカットアウトされてた」
同期の友達はいなかったと。
「では、彼氏サイドの話を聞かせてもらえますか?」
タカシさんの事情聴取は続く。
なんか、現実的に考えられないけど選択肢のひとつとして考えないといけないのかとちょっと鬱になるけど、いま事態は大きくなってしまっている。いろんな人を巻き込んで。
私がそこのところを自覚しとかないともっと迷惑かけることがあるかもしれない。
「とにかく推測でしかないから、職場と幼馴染で口の堅い信用出来る人から話聞けるかな」
タカシさんが聞いてきたのでぱっとアヤとクミちゃんの顔が浮かんだ。
「1人ずついる。予定がどうか聞いてみるね」
アヤもクミちゃんも詳しい事情を書かずに、ちょっと時間とれる?とメールするとふたりとも今日中に時間とれると返事を返してくれた。ありがたい
☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・
仕事が終わってすぐに来てくれたらしい、最寄りの駅まで迎えに行くとアヤもクミちゃんも待っててくれていた。
「久しぶり!元気そうだね」とアヤはいつものように元気そうだった。
「ユキちゃん、髪切ったんだね?!…………でも似合ってるよ、可愛いじゃん」
仕事終わりですっ飛んできてくれたのか、スーツ姿の久しぶりのクミちゃん、相変わらずショートカットですっきりした顔をしている。
「ごめんね、急に呼び出したりして。ちょっとだけ確認したことがあって」
そして、初めてアヤとクミちゃんが私と一緒に来たマサキさんとタカシさんに目が行ったらしい。
「お!!テル君よりかっこいいじゃない?ユキちゃん、やるねぇ」
とクミちゃんが冗談っぽくいってくる。
「いやいや、今日はちょっと困ったことがあって相談に乗ってもらってるの」
話をしていると、タカシさんが話に割って入ってきた。
「お忙しい時に時間とってもらって有難うございます。少し状況を確認したくて無理を言って足を運んでいただきました。本当にありがとうございます。ちょっと込み入った話になるので、よろしければ場所を変えたいんですが」
またもや議長モード発動。アヤとクミちゃん、うなづいて場所を移動することになった。
移動したのは、商店街の外れの喫茶店。ちょっと込み入った話があるのでとあらかじめマスターに話を通してくれていたらしく奥にあるボックス席に案内してくれて、貸切にしてくれた。
珈琲もサービスで入れてくれたけど、申し訳ないのでお会計しようとすると、商店街の恩人のユキちゃんからは取れないでしょ、と笑われた。別に何をしたわけでもないけど有り難く受けておくことにする。
☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・
タカシさんが、ふたりに私に掛かってきたあいちゃんの母親らしき人からかかってきた電話の異常性を説明してくれて、私の身に危害が加えられる危険性があると説明すると、アヤもクミちゃんも思い当る節があるのか、すぐに事態が呑み込めたようだ。
クミちゃんが、私が逃げるように辞めてから今日までの状況を教えてくれた。
結婚が決まった後輩のあいちゃんを、睨んで無視している最低限の接触しかしない状態を見て、みんなやっかんでイジメてる、ヒステリー状態になってるみたいって噂が出た。みんな、私の性格は知ってて面倒見のいい人なのにこうも変わるんだねって静観していたんだけどこの噂、どうもあいちゃんが口の軽そうな先輩に相談しまくって流していた噂だってわかった。私が辞めて人手不足になるからって課長が、あいちゃんを結婚ぎりぎりまで引き留めることになって、まだ仕事は続けてるんだけど、職場の人たちほぼ全員に披露宴の招待状が届いた時に結婚相手が、ユキちゃんの彼氏の名前になっていたから、そこで、ユキちゃんが辞めた時の状況にみんなが納得したというか、略奪しちゃったんだって話になって」
クミちゃんは、その時の状況を思い出したのか頭を抱えた。
「で、結婚式の出席はみなさんするんですか?」
タカシさんが続きを促す。クミちゃんも、全員に確認してないんだけど、と前置きをして、周囲はほぼ欠席で、課で出席するのはあいちゃんを職場に引き留めた課長だけってことらしい。
「え?男性社員にも送ってるのよね?来るの課長だけ?」
意外だったので思わず聞いてしまった。あいちゃん結構男受けよかったんだよね、ちやほやされてたように見えたんだけど。
「なんか男性社員、半分くらい御兄弟らしいよ。下世話な話だけど」
「え?兄弟?」
私が不思議がっているとマサキさんに知らなくていいって怒られた。
その様子に、あんまり突っ込まない方がいいのかなと口を閉じる。
「なるほどね。ほぼ欠席ってことですか。招待状も出すのに結構高いんだろうに」
マサキさんが話を軌道に戻す。
「参加するのは課長ひとり。仲の良かった同期とかはいなかったんですかその人に」
「そこ、不思議で後輩に確認したのね、したら入社の時に同期の彼氏を寝取ったっていうんでカットアウトされてた」
同期の友達はいなかったと。
「では、彼氏サイドの話を聞かせてもらえますか?」
タカシさんの事情聴取は続く。
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