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快楽の代償
01.開かれた快楽への扉
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純はキョロキョロしながら二人に着いてマンションに入ってゆく。
(きっとここに入ったら今日は帰れない…)
何故かそんな気がして純は不安になっていたが、それよりも脳内は性的欲求の渦に堕ちている。
(イかせてほしい…)
恐怖などよりもこの気持ちが優先した。呼吸は整ってきたものの、ほんの少しでも躯体を撫でられるだけで少しだけ萎えた中心が硬く反応してしまいそうな程、純は欲求不満状態になってしまっている。
マンション入り口のオートロックを男は慣れた様子でディンプルキーで開錠し、中に二人を促した。そのまま無言でエレベーターに乗り、三人は最上階を目指す。
間もなく25階の最上階でドアが開くと、その階には部屋が2部屋しかないようだった。エレベーターホールから右の部屋と左の部屋への短い廊下がある。下から見た時は1つのフロアに少なくとも10部屋はあるように見えたのだが、最上階には2部屋しかないらしい。
純は、見た事もない高そうな絨毯張りの廊下を二人に連れられて足音なく進む。絨毯は靴で踏んでもフワッと足が沈む感覚がある程に高級な素材であるようだった。
短い廊下はすぐに重厚なドアに辿りつき、男が先ほどのキーでガチャリと開く。男はドアを開くと純と担任が先に入れるようドアを開けたまま促した。その所作は紳士そのものである。
担任が純の腰に手を当てて押し先に入り、男が後に続く。
三人が入りドアが閉まると自動的に鍵が閉まる仕組みのようで、機械音と共にキーがロックされた。
純はいつもホテルで男に抱かれる時、シャワーも浴びずにドアを閉めたらすぐに服を脱がされ貫かれる事が多かったため、ドアが閉まった瞬間から心臓が高鳴った。
(早くイきたい…、早くエッチなことしてほしい…)
純にとっては、こんな状況下でもそんな考えばかりしか思いつかなかった。
先に入った担任が慣れた手つきで暗かった部屋に明かりを灯していく。シャンデリアが灯り周りを見やると、ダイニングらしき部屋の中は豪華な調度品で溢れていた。
男がグラスを3つ用意し、男二人にはアイリッシュウイスキーが注がれ、純には高級そうな瓶に入ったミネラルウォーターが注がれる。
まずは歓談・・という時間のようだったが、男は純に大きなソファに越しかけるよう命じると、担任がピッタリと身体を密着させて純の左横に陣取った。
喉が渇いていた純はグラスから一気に水を飲み干すと、男は黙って純のグラスにまた注いだ。
「・・すぐに抱かれないから驚いているんだろう?」
男はウイスキーを一口飲んでからいきなり言った。
(……っ…)
純は心を見透かされているようで真っ赤になり、グラスの水にまた口を付ける。
「まずは裸になろうか・・」
担任が純の耳元で吐息交じりの声を囁く。
欲求不満だった純は、もうただそれだけで中心が反応して反り勃ってしまうほどだった。
男は酒の棚横の壁に背をついて腕を組み、ウイスキーを味わいながら純の様子を眺めている。
担任は純がグラスを置くと、躯体を撫でながらゆっくりと服を一枚、一枚、脱がせていった。
トランクスだけになると中心から溢れ出た蜜で大きなシミができており、ハッキリと硬く反り勃つ中心が男二人にもハッキリ分かる程度までになっていた。
「もうこんなになっちゃったんだね・・・可愛いよ・・」
担任はトランクスの上から中心をそっと握って少しの圧力をかけた。
「…あ…っ…」
純は我慢していた声を洩らし、胸が反って足がもじもじと揺れ動く。そして、胸が反ると乳首が強調され、男二人の喉元がゴクリと鳴った。
担任がトランクスに手を掛け手前に少し引くと、透明な蜜が糸を引く。
「美味しそう・・」
担任は舌なめずりして今にも咥えたそうな顔をしていたが、男がそれを制した。
「まぁ、まずはゆっくり堪能させてもらおう・・純がここに来たお祝いを兼ねて・・」
担任は男の言葉に溜息をつくと、男に促されるままに純の下着を取り去り言葉を重ねた。
「手で隠しちゃダメだからね・・」
純の白い透き通るような肌に赤いリボンだけを根元に纏った姿は、更に男たちを興奮させた。耳、目、頬、首元、乳首、脇腹、・・そして足先、膝、太腿・・と何度も往復する視線で視姦され、最後には興奮した状態の中心を心行くまで男たちの視線が堪能する。
その視線だけで純は興奮をやめられず、ドキドキとした鼓動が早くなり肌は紅潮して全身をうっすらとしたピンク色に染め上げ、乳首が更にピンと立ってより濃いピンク色になった。
これから何をされるのかの妄想が頭の中を支配する。
(…これからきっと…この二人に抱かれるんだ…)
純はもう、そう思うだけでリボンで縛られた中心が甘い蜜を零し始める程だった。
(…乳首を舐められたり…しゃぶられたり…………)
暫く無言の空間が続いたが、純の興奮は妄想から昂ぶるばかりになり、蜜は先端から糸を引きながら下に滴を落とす。いつものような直接触られての興奮ではなく、全身を見られるだけで期待して純は昂ぶってしまう躯体になっているのだ。
その状態が少なくとも30分は続き、純は息も上がって行った。
男が無言の空間を破り、純の様子から言葉を放つ。
「・・そろそろ我慢できないようだな」
男はそう言うとすっと純の前に立ち立つように命じるが、純はしっかりと立つことが出来ず前屈みになりながら担任に手伝われ立ち上がった。
男は純を抱き締め、耳元でそっと囁く。
「・・どうしてほしい?」
純はその言葉に崩れ落ちそうになりながら震えた声で答える。
「…イき…たぃ…」
男はまた耳元で囁くように声をかける。
「そういう時はお願いしなくちゃダメだろう・・?」
「…イかせて…ほし…ぃ……、イかせ…て…くださ…い…」
「よし、いい子だ・・まずは身体を綺麗にしてやろう・・」
男は従順な状態になった純に熱くいやらしい舌を絡めるキスをすると、手を引いてダイニングを後にする。担任もそれに続き、三人は部屋の中の廊下を進みバスルームに向かった。
バスルームに入り、純がすぐに目をやったのは明らかに拘束具が付いた壁と、大きな鏡がそれを映すように中央に設置されていたことだった。
男と担任も裸になり、案の定担任が拘束具前に純を促し、純は壁を背に立ったまま拘束されてしまった。
手首と脚首に鎖が付いたベルトが嵌められ、少しでも動くとガチャガチャと鎖が鳴る。両腕は耳横の高さ程度で固定され、脚は大きく開いた状態で固定された。・・そんな姿を大きな鏡が純に見せつけるが、そのいやらしい姿に純は自分でも驚くほどに興奮した。
いつもは頭の中で妄想するだけの自分が(自分の目で見える)のだ。
赤く紅潮した全身に、ぷっくりと立つ誘う乳首、反り勃った中心・・。それを眺める二人の男の背・・。大きくなった中心の根元に食い込んでいる赤いリボンもハッキリと映り、全てが鏡に映しだされ、純は言いようもない興奮を覚えた。
間もなく純に温かいシャワーがかけられ、優しい香りのきめ細やかな泡が身体を包み込む。
男はリボンだけは外さずに純の躯体の肌触りを愉しみながら洗ってゆく。担任もそれを手伝うように洗っているが、男とは違い乳首を時おり摘んだり、中心を少し扱いたりして愉しんでいるようだった。
担任の悪戯に反応して、思わず声が洩れる。
「…ぁっ…、あん…ッ…」
純は声を洩らしながら、妄想とは違う、鏡に映っている(男たちに自分がエッチなことをされている様子)から目が離せなかった。
泡が洗い流され、温かさで躯体がもっと鮮やかなピンクに染まっている。
担任は待ちきれないといった様子で男に尋ねた。
「少し舐めたいなぁ・・、いい?」
男はヤレヤレと言った様子でオーバーに首を振ると、自分の身体を洗い始めた。
担任は嬉しそうに純の唇を奪い、いやらしく舌を絡める。
「…んぅ…っ、……んっ……」
チュッ、チュッ、と何度も口づけられながら、純は鏡から目が離せず(エッチなことをされている自分自身)を見ながら興奮していた。
担任は口づけを愉しむとすぐに純の前に跪き、リボンで縛られた勃った中心の先端を舌で嬲る。純は鏡の中で担任に口淫されている自分の姿に酔い始めていた。
(…先生が僕のをしゃぶってる……)
先端はすぐに甘い蜜が零れ、担任がそれを舌ですくってゴクリと飲む。
「あぁ・・、美味しいよ・・伊藤の蜜は甘いね・・」
担任も興奮した様子で自身のモノを大きくしながら口淫をしている。
「…っあ、…あぁ…ん…ッ…」
純は先端ばかりを舌で嬲られ、堪らず背が反って顔が上を向いた。
・・すると、驚くものが目に入った。
天井にも鏡があったのだ。
純が上に目を向けると、担任が中心を咥えているのがしっかりと映し出されていた。
前の鏡を見ても、担任が自分の前に跪いて頭が動いている様子しか見えないが、天井の鏡は咥えられている中心が担任の口に入っているところまでをしっかりと映し出していた。
「・・純、ここが気に入ったかな?」
天井を見上げながら喘ぐ純に、男はタオルだけを腰に巻いた姿で優しく声をかける。
「……ッ…」
純はビックリして男の方に振り返った。と同時に、冷や汗なのか本当の汗なのか分からないものでビシャリと躯体が濡れそぼる。
「・・純は本当は・・・人に見られながらしたら気持ちいいって思っているだろう?」
男の言葉が的確過ぎて純は恥ずかしくなり俯いて言葉を失った。・・しかし、担任の容赦ない先端への刺激にまた声を洩らしてしまう。
「…んぅ…、…ぁ…ぁあ…あん…っ…」
鈴口に舌先が入り込みそうな程執拗に先端が嬲られ、純は立っているのがやっとの状態だった。
「そろそろ行くぞ・・」
男はそう言うと純の拘束具を手早く外し、担任の頭にポンと手をやると口を離すように指図した。
「しょうがないなぁ・・身体洗ってから行く」
担任はそう言うと二人を先に行かせ、自分の身体を洗い始めた。
拘束具が外れるともう純はフラフラだった。男は大きなバスローブで純の躯体を包むと、ひょいと軽々しく持ち上げしっかりと抱き抱えて歩を進める。
純は先端を嬲られていたせいか呼吸がいつもよりも荒くなり、刺激を欲してしまっていた。
廊下を進む男に純は堪らず声をかける。
「…イきたぃ…です…」
「分かってるよ・・」
男は優しく目を細め、ベッドルームにそのまま連れて行った。
ベッドルームに着くと、やはりバスルームと同じように鏡があちこちに取り付けられ、ベッドを映し出すように設置されており純は心臓が一段と高鳴った。
(…早くイきたい…エッチなこと…いっぱいされたい……)
そんな感情が頭を支配する。
男は純をそっとベッドに下すと、バスローブの前をゆっくりと開く。
ピンク色に染まった透き通る肌が男を誘惑する。
純にまだそのつもりはないのだが、すっかり妖艶になった躯体つきはその肌を見せるだけで男を誘惑してしまうのだ。
「・・もうさすがに降参だ」
男はそう言うと糸を引く蜜を指で少々乱暴なほどに何度かすくい上げ、後孔に塗り付ける。仰向けのまま脚を大きく開かせた状態で男は、硬くなったモノをそのまま純に突き挿れた。
「…ぁああッ……!!!!ぁんっ…あああああああっ!!」
初めて挿れられた時の様に、突き上げられる度、ぱちゅっ、ぱちゅっと淫靡な音が部屋に響く。純はすぐに絶頂感に辿りつきそうになり、思わず声を出した。
「…ぁあ…っ…出…ちゃ…っ…」
「イけないよ・・リボンをプレゼントしただろう?」
「ゃ…あ…っ…!!…イきたぃ……ぁああ…っ……!!」
純は喘ぎながら天井と右横にある鏡から目が離せなかった。どちらの鏡も純のいやらしい姿を映し出し、特に横にある鏡からは挿入されているところがハッキリと見え、更に興奮してしまう。
「・・そう言えば、純は後ろからされる方が好きだったね・・」
男は腰の動きを止め、純の体制を変えさせると、またズプッと奥まで一気に貫いた。
「…ゃあ……ッ…ぁあッ!!」
「もうイヤじゃないだろう?美味しそうに咥えてる・・」
ぱちゅっ、ぱちゅっとした音はパン!、パン!、という肌を打ち付ける音に変わり、男のモノがバックから挿入されたことでより深く純の奥を貫いている。
「…ぁ…あ、あ、あっ、あ、ぁあっ、あんっ、んっ、あん…ッ!!」
規則的なリズムで激しく突き上げられると、肌がぷつぷつと泡立つようなゾワゾワした感覚が純を襲う。
・・そうしていると、いきなり足元から声がかかった。
「暫く見てたけど・・気持ちよさそうだね、伊藤・・」
担任はにんまりとした表情で純に言い、純の左横すぐに身体を密着させ、男に聞く。
「混ざっていいよね・・?」
「・・もちろんだ。・・だが、純にも聞いてみよう・・」
男はそう言うと、一旦ギリギリまでモノを引き抜き、またゆっくりと奥深く沈める。
「…ゃあ…っん…」
担任に見られながら挿入されたことで、純はより一層敏感になっていた。
「・・純、先生も混ざっていいね・・?」
男は悪戯っぽくニヤリと笑みを浮かべ、繋がっている後孔を担任によく見えるように角度を変えた。
「…ゃ…ッ…!!…恥ずか…し……」
「・・見られるのは好きだろう?・・純・・・」
男は担任に見せつけるかのようにゆっくりとズルリ、ズルリ、と出し挿れしている。
「…ぁ……んっ…、…ぁあ……んぅ……」
純は担任に見られながら男に突かれることで、より一層の興奮が昂まり、淫らな甘い声を洩らしている。
「本当は伊藤って、すごくエッチな子だったんだねぇ・・もっと早く教室でエッチを教えてあげないといけなかったね・・」
担任は熱っぽく呟き手を伸ばし、純の硬く反っている中心をゆっくり扱きだした。
「……んっ…あ…っ、…あんっ…」
男がゆっくりと挿入しているタイミングと担任が扱いているタイミングがシンクロし、言いようもない快感が純に訪れる。更に担任は純の前に周り込み、ぷっくりとした両の乳首を弄り出した。
「あ…っん…、ぃや…っ…だめ……っ……」
バックでぱちゅっ、ぱちゅっ、男に後孔を突かれながら上半身を起こした状態にされ、担任は純の一番の性感帯である左乳首に舌を這わせる。レロレロと舐め回す舌は本当にいやらしく、その快感は脇腹を這って中心に興奮をもたらした。
「伊藤ばっかり気持ちいいのはフェアじゃないよね・・」
担任はそう呟くと純の上半身をまた元通りにし、今度は担任のモノを口淫するように指図する。
純は、生まれて初めて男に挿れられながら男性器を口に入れ、言い知れぬゾクゾクとした興奮を覚えた。そんなつもりはない筈だったのに、多人数でのエッチは純の性欲を暴走させた。
「…ぁあ…っ!! あん…っ、…っんぅ……ッ!!」
挿入された男の大きなモノが前立腺を刺激し、担任のモノを口で愛撫していると、ゾクゾクとした泡立つような快感が躯体を何度も走り抜ける。射精ではない不思議な絶頂感が何度も襲い、純の躯体は知ってはいけない快感の渦に飲みこまれた。
その後、男と担任は何度も入れ替わっては純からの口淫と後孔への挿入を堪能し、白濁した己の欲望を純に飲ませたり後孔に吐き出した。
「…イ…き……た……ぃ…」
息も絶え絶えに純が最後の力を振り絞ってそう言うと、男はシュルリとリボンを解き放った。
「…ッ!! ぁあああああああああああ・・ッ!!!!」
リボンが外されると同時に純は、長い長い射精をし、担任がそれを美味しそうに一滴も零さずにゴクリ、ゴクリと飲み干した。
そのまま純は気を失い、純の長い睫に涙の滴が付いて零れ落ちる。
担任はその涙を優しいキスをしながら舐め摂ると、意識がない純に声をかけた。
「・・ここは伊藤の楽園だよ・・これからずっと・・・」
男と担任は事後の余韻を愉しむように暫く気を失った純の肌触りを愉しむと、慣れた様子で純をベッドに拘束し、射精が終わった先端からカテーテルを入れ、点滴のように媚薬を注入する。
純が目覚める頃には、性欲は抑えられぬほどになっていることだろう。
――――男たちはベッドルームを後にし、着替えてから先ほどのリビングに戻ってきた。
再びアイリッシュウイスキーを片手に、担任と男の会話が続いてゆく。
「・・あぁ・・今日はとても素晴らしかった・・・」
「ふふっ・・初めて純を見た時から、お前が好きそうだなと思っていたさ・・」
「あはは、もうタイプは知り尽くされているよねぇ・・」
「そりゃあそうさ、お前自身がここ育ちなんだから・・・」
担任は驚くことに、この男にここで育てられた元少年であった。
「うん・・、まぁね・・・大学に行かせてくれて先生になることもできたし・・」
「俺はただの行方不明者を出したくないだけさ・・」
「伊藤も僕と同じようになるかな・・?」
「さぁ・・?暫くは快楽漬けにしてから考えさせる・・」
「相変わらずイジワルだねぇ・・」
「ははは・・」
「・・あ、そういえば今月の分、徴収しておいたよ・・」
担任は重そうなクラッチバッグを取りだし、男に渡した。
「会員は増えたのか?」
「会員は先月35名・・新規は今月1名で合計36人になった。一人50万で1,800万円入ってる。追加料金は一回50万に設定してるけど、もう予約だけで埋まりそう・・」
「よし・・いい子だったな・・」
「えへへ・・・」
ここは会員制の秘密倶楽部であり、「paradisum(パラディズム)」という場所だ。ラテン語で「楽園」を意味している。paradisumは紹介制で、会員のうち3名からの推薦を受けなければ入会できない仕組みだ。
マンション自体が男の持ち物であり、最上階2部屋が男の部屋なのだ。純が連れて行かれた部屋はparadisum専用の部屋で、純が入った部屋ではないところがまだたくさんある。それぞれのプレイ内容に則した部屋が全部で10部屋。純が入ったベッドルームは初心者専用の部屋だった。
このマンションには現在、少年8名が各自の部屋で自由に過ごし、勉強したりゆったりとした不自由ない暮らしをしている。ゲームなども自由に買い与えられ、欲しい物は申告すれば余程のことがない限り許されていた。
しかし…、ひとつだけ特徴があるとすれば、全員が純と同じように美しく、妖艶な躯体の持ち主だということだけだ。
彼らは眠る前に媚薬を注入され、欲求不満状態に陥らされている。逃げることよりも性欲が勝ってしまい、逃れないままここに居る。
少年たちは男や会員に快楽漬けにされ、自らの意思でここに残っているのだ。そして、会員の相手をしても性欲が止まらない場合には、男から許可が降りれば男に抱かれ、男が忙しい時には少年同士で快楽を求めてもいいことになっている。
paradisumにいる少年は、18歳を迎えると若い少年の性的教育係を任される。新人を迎えると、まずは複数プレイを愉しめるようにさせる任務が与えられる。純にはこの教育がいらないようだが、通常であればまずは会員に見せながら18歳以上の少年が新人を責め、見られながらの快楽を教え込むのだ。
…そして、少年が20歳になる日、希望すれば担任のようにここから学園卒業を目指して学習し、卒業資格を得るとparadisumのメンバーが金を出し、大学にさえ行かせてくれる仕組みだ。
家に帰ることを望まず、教諭や医師を目指してここから出た少年は、担任を含めれば5名程度いる。彼らは心を男やparadisumに捉われたまま、新たなターゲットを探しながら生活している。
「今いる子たちが疲弊したり偏ったりしないよう、スケジューリングは大切にな・・」
「うん、わかった・・、あの・・・」
「あぁ、・・そうだったな・・・」
担任は身体が成長していても、全てこの男の為に動き、働く。
もう一人の医師である元少年と共に会員から金を徴収し、新規入会希望者に会員資格があるかどうかを見極め、会員が来る日をスケジューリングしている。そうしているからこそ、そのご褒美として今日のように新しい少年を味わうことを許して貰えるのだ。
しかし・・、性的に育てられた身体は最後にはやはり欲してしまう。
男はソファに腰掛けると、担任の大きくなった中心を撫でてやりつつ、自分のモノを口淫させた。
…そして、いつものように目を細め、ニヤリと笑い、乾杯の言葉を放つ。
「paradisumに乾杯・・」
――――何も知らぬまま、純はまだ眠っている。
~つづく~
(きっとここに入ったら今日は帰れない…)
何故かそんな気がして純は不安になっていたが、それよりも脳内は性的欲求の渦に堕ちている。
(イかせてほしい…)
恐怖などよりもこの気持ちが優先した。呼吸は整ってきたものの、ほんの少しでも躯体を撫でられるだけで少しだけ萎えた中心が硬く反応してしまいそうな程、純は欲求不満状態になってしまっている。
マンション入り口のオートロックを男は慣れた様子でディンプルキーで開錠し、中に二人を促した。そのまま無言でエレベーターに乗り、三人は最上階を目指す。
間もなく25階の最上階でドアが開くと、その階には部屋が2部屋しかないようだった。エレベーターホールから右の部屋と左の部屋への短い廊下がある。下から見た時は1つのフロアに少なくとも10部屋はあるように見えたのだが、最上階には2部屋しかないらしい。
純は、見た事もない高そうな絨毯張りの廊下を二人に連れられて足音なく進む。絨毯は靴で踏んでもフワッと足が沈む感覚がある程に高級な素材であるようだった。
短い廊下はすぐに重厚なドアに辿りつき、男が先ほどのキーでガチャリと開く。男はドアを開くと純と担任が先に入れるようドアを開けたまま促した。その所作は紳士そのものである。
担任が純の腰に手を当てて押し先に入り、男が後に続く。
三人が入りドアが閉まると自動的に鍵が閉まる仕組みのようで、機械音と共にキーがロックされた。
純はいつもホテルで男に抱かれる時、シャワーも浴びずにドアを閉めたらすぐに服を脱がされ貫かれる事が多かったため、ドアが閉まった瞬間から心臓が高鳴った。
(早くイきたい…、早くエッチなことしてほしい…)
純にとっては、こんな状況下でもそんな考えばかりしか思いつかなかった。
先に入った担任が慣れた手つきで暗かった部屋に明かりを灯していく。シャンデリアが灯り周りを見やると、ダイニングらしき部屋の中は豪華な調度品で溢れていた。
男がグラスを3つ用意し、男二人にはアイリッシュウイスキーが注がれ、純には高級そうな瓶に入ったミネラルウォーターが注がれる。
まずは歓談・・という時間のようだったが、男は純に大きなソファに越しかけるよう命じると、担任がピッタリと身体を密着させて純の左横に陣取った。
喉が渇いていた純はグラスから一気に水を飲み干すと、男は黙って純のグラスにまた注いだ。
「・・すぐに抱かれないから驚いているんだろう?」
男はウイスキーを一口飲んでからいきなり言った。
(……っ…)
純は心を見透かされているようで真っ赤になり、グラスの水にまた口を付ける。
「まずは裸になろうか・・」
担任が純の耳元で吐息交じりの声を囁く。
欲求不満だった純は、もうただそれだけで中心が反応して反り勃ってしまうほどだった。
男は酒の棚横の壁に背をついて腕を組み、ウイスキーを味わいながら純の様子を眺めている。
担任は純がグラスを置くと、躯体を撫でながらゆっくりと服を一枚、一枚、脱がせていった。
トランクスだけになると中心から溢れ出た蜜で大きなシミができており、ハッキリと硬く反り勃つ中心が男二人にもハッキリ分かる程度までになっていた。
「もうこんなになっちゃったんだね・・・可愛いよ・・」
担任はトランクスの上から中心をそっと握って少しの圧力をかけた。
「…あ…っ…」
純は我慢していた声を洩らし、胸が反って足がもじもじと揺れ動く。そして、胸が反ると乳首が強調され、男二人の喉元がゴクリと鳴った。
担任がトランクスに手を掛け手前に少し引くと、透明な蜜が糸を引く。
「美味しそう・・」
担任は舌なめずりして今にも咥えたそうな顔をしていたが、男がそれを制した。
「まぁ、まずはゆっくり堪能させてもらおう・・純がここに来たお祝いを兼ねて・・」
担任は男の言葉に溜息をつくと、男に促されるままに純の下着を取り去り言葉を重ねた。
「手で隠しちゃダメだからね・・」
純の白い透き通るような肌に赤いリボンだけを根元に纏った姿は、更に男たちを興奮させた。耳、目、頬、首元、乳首、脇腹、・・そして足先、膝、太腿・・と何度も往復する視線で視姦され、最後には興奮した状態の中心を心行くまで男たちの視線が堪能する。
その視線だけで純は興奮をやめられず、ドキドキとした鼓動が早くなり肌は紅潮して全身をうっすらとしたピンク色に染め上げ、乳首が更にピンと立ってより濃いピンク色になった。
これから何をされるのかの妄想が頭の中を支配する。
(…これからきっと…この二人に抱かれるんだ…)
純はもう、そう思うだけでリボンで縛られた中心が甘い蜜を零し始める程だった。
(…乳首を舐められたり…しゃぶられたり…………)
暫く無言の空間が続いたが、純の興奮は妄想から昂ぶるばかりになり、蜜は先端から糸を引きながら下に滴を落とす。いつものような直接触られての興奮ではなく、全身を見られるだけで期待して純は昂ぶってしまう躯体になっているのだ。
その状態が少なくとも30分は続き、純は息も上がって行った。
男が無言の空間を破り、純の様子から言葉を放つ。
「・・そろそろ我慢できないようだな」
男はそう言うとすっと純の前に立ち立つように命じるが、純はしっかりと立つことが出来ず前屈みになりながら担任に手伝われ立ち上がった。
男は純を抱き締め、耳元でそっと囁く。
「・・どうしてほしい?」
純はその言葉に崩れ落ちそうになりながら震えた声で答える。
「…イき…たぃ…」
男はまた耳元で囁くように声をかける。
「そういう時はお願いしなくちゃダメだろう・・?」
「…イかせて…ほし…ぃ……、イかせ…て…くださ…い…」
「よし、いい子だ・・まずは身体を綺麗にしてやろう・・」
男は従順な状態になった純に熱くいやらしい舌を絡めるキスをすると、手を引いてダイニングを後にする。担任もそれに続き、三人は部屋の中の廊下を進みバスルームに向かった。
バスルームに入り、純がすぐに目をやったのは明らかに拘束具が付いた壁と、大きな鏡がそれを映すように中央に設置されていたことだった。
男と担任も裸になり、案の定担任が拘束具前に純を促し、純は壁を背に立ったまま拘束されてしまった。
手首と脚首に鎖が付いたベルトが嵌められ、少しでも動くとガチャガチャと鎖が鳴る。両腕は耳横の高さ程度で固定され、脚は大きく開いた状態で固定された。・・そんな姿を大きな鏡が純に見せつけるが、そのいやらしい姿に純は自分でも驚くほどに興奮した。
いつもは頭の中で妄想するだけの自分が(自分の目で見える)のだ。
赤く紅潮した全身に、ぷっくりと立つ誘う乳首、反り勃った中心・・。それを眺める二人の男の背・・。大きくなった中心の根元に食い込んでいる赤いリボンもハッキリと映り、全てが鏡に映しだされ、純は言いようもない興奮を覚えた。
間もなく純に温かいシャワーがかけられ、優しい香りのきめ細やかな泡が身体を包み込む。
男はリボンだけは外さずに純の躯体の肌触りを愉しみながら洗ってゆく。担任もそれを手伝うように洗っているが、男とは違い乳首を時おり摘んだり、中心を少し扱いたりして愉しんでいるようだった。
担任の悪戯に反応して、思わず声が洩れる。
「…ぁっ…、あん…ッ…」
純は声を洩らしながら、妄想とは違う、鏡に映っている(男たちに自分がエッチなことをされている様子)から目が離せなかった。
泡が洗い流され、温かさで躯体がもっと鮮やかなピンクに染まっている。
担任は待ちきれないといった様子で男に尋ねた。
「少し舐めたいなぁ・・、いい?」
男はヤレヤレと言った様子でオーバーに首を振ると、自分の身体を洗い始めた。
担任は嬉しそうに純の唇を奪い、いやらしく舌を絡める。
「…んぅ…っ、……んっ……」
チュッ、チュッ、と何度も口づけられながら、純は鏡から目が離せず(エッチなことをされている自分自身)を見ながら興奮していた。
担任は口づけを愉しむとすぐに純の前に跪き、リボンで縛られた勃った中心の先端を舌で嬲る。純は鏡の中で担任に口淫されている自分の姿に酔い始めていた。
(…先生が僕のをしゃぶってる……)
先端はすぐに甘い蜜が零れ、担任がそれを舌ですくってゴクリと飲む。
「あぁ・・、美味しいよ・・伊藤の蜜は甘いね・・」
担任も興奮した様子で自身のモノを大きくしながら口淫をしている。
「…っあ、…あぁ…ん…ッ…」
純は先端ばかりを舌で嬲られ、堪らず背が反って顔が上を向いた。
・・すると、驚くものが目に入った。
天井にも鏡があったのだ。
純が上に目を向けると、担任が中心を咥えているのがしっかりと映し出されていた。
前の鏡を見ても、担任が自分の前に跪いて頭が動いている様子しか見えないが、天井の鏡は咥えられている中心が担任の口に入っているところまでをしっかりと映し出していた。
「・・純、ここが気に入ったかな?」
天井を見上げながら喘ぐ純に、男はタオルだけを腰に巻いた姿で優しく声をかける。
「……ッ…」
純はビックリして男の方に振り返った。と同時に、冷や汗なのか本当の汗なのか分からないものでビシャリと躯体が濡れそぼる。
「・・純は本当は・・・人に見られながらしたら気持ちいいって思っているだろう?」
男の言葉が的確過ぎて純は恥ずかしくなり俯いて言葉を失った。・・しかし、担任の容赦ない先端への刺激にまた声を洩らしてしまう。
「…んぅ…、…ぁ…ぁあ…あん…っ…」
鈴口に舌先が入り込みそうな程執拗に先端が嬲られ、純は立っているのがやっとの状態だった。
「そろそろ行くぞ・・」
男はそう言うと純の拘束具を手早く外し、担任の頭にポンと手をやると口を離すように指図した。
「しょうがないなぁ・・身体洗ってから行く」
担任はそう言うと二人を先に行かせ、自分の身体を洗い始めた。
拘束具が外れるともう純はフラフラだった。男は大きなバスローブで純の躯体を包むと、ひょいと軽々しく持ち上げしっかりと抱き抱えて歩を進める。
純は先端を嬲られていたせいか呼吸がいつもよりも荒くなり、刺激を欲してしまっていた。
廊下を進む男に純は堪らず声をかける。
「…イきたぃ…です…」
「分かってるよ・・」
男は優しく目を細め、ベッドルームにそのまま連れて行った。
ベッドルームに着くと、やはりバスルームと同じように鏡があちこちに取り付けられ、ベッドを映し出すように設置されており純は心臓が一段と高鳴った。
(…早くイきたい…エッチなこと…いっぱいされたい……)
そんな感情が頭を支配する。
男は純をそっとベッドに下すと、バスローブの前をゆっくりと開く。
ピンク色に染まった透き通る肌が男を誘惑する。
純にまだそのつもりはないのだが、すっかり妖艶になった躯体つきはその肌を見せるだけで男を誘惑してしまうのだ。
「・・もうさすがに降参だ」
男はそう言うと糸を引く蜜を指で少々乱暴なほどに何度かすくい上げ、後孔に塗り付ける。仰向けのまま脚を大きく開かせた状態で男は、硬くなったモノをそのまま純に突き挿れた。
「…ぁああッ……!!!!ぁんっ…あああああああっ!!」
初めて挿れられた時の様に、突き上げられる度、ぱちゅっ、ぱちゅっと淫靡な音が部屋に響く。純はすぐに絶頂感に辿りつきそうになり、思わず声を出した。
「…ぁあ…っ…出…ちゃ…っ…」
「イけないよ・・リボンをプレゼントしただろう?」
「ゃ…あ…っ…!!…イきたぃ……ぁああ…っ……!!」
純は喘ぎながら天井と右横にある鏡から目が離せなかった。どちらの鏡も純のいやらしい姿を映し出し、特に横にある鏡からは挿入されているところがハッキリと見え、更に興奮してしまう。
「・・そう言えば、純は後ろからされる方が好きだったね・・」
男は腰の動きを止め、純の体制を変えさせると、またズプッと奥まで一気に貫いた。
「…ゃあ……ッ…ぁあッ!!」
「もうイヤじゃないだろう?美味しそうに咥えてる・・」
ぱちゅっ、ぱちゅっとした音はパン!、パン!、という肌を打ち付ける音に変わり、男のモノがバックから挿入されたことでより深く純の奥を貫いている。
「…ぁ…あ、あ、あっ、あ、ぁあっ、あんっ、んっ、あん…ッ!!」
規則的なリズムで激しく突き上げられると、肌がぷつぷつと泡立つようなゾワゾワした感覚が純を襲う。
・・そうしていると、いきなり足元から声がかかった。
「暫く見てたけど・・気持ちよさそうだね、伊藤・・」
担任はにんまりとした表情で純に言い、純の左横すぐに身体を密着させ、男に聞く。
「混ざっていいよね・・?」
「・・もちろんだ。・・だが、純にも聞いてみよう・・」
男はそう言うと、一旦ギリギリまでモノを引き抜き、またゆっくりと奥深く沈める。
「…ゃあ…っん…」
担任に見られながら挿入されたことで、純はより一層敏感になっていた。
「・・純、先生も混ざっていいね・・?」
男は悪戯っぽくニヤリと笑みを浮かべ、繋がっている後孔を担任によく見えるように角度を変えた。
「…ゃ…ッ…!!…恥ずか…し……」
「・・見られるのは好きだろう?・・純・・・」
男は担任に見せつけるかのようにゆっくりとズルリ、ズルリ、と出し挿れしている。
「…ぁ……んっ…、…ぁあ……んぅ……」
純は担任に見られながら男に突かれることで、より一層の興奮が昂まり、淫らな甘い声を洩らしている。
「本当は伊藤って、すごくエッチな子だったんだねぇ・・もっと早く教室でエッチを教えてあげないといけなかったね・・」
担任は熱っぽく呟き手を伸ばし、純の硬く反っている中心をゆっくり扱きだした。
「……んっ…あ…っ、…あんっ…」
男がゆっくりと挿入しているタイミングと担任が扱いているタイミングがシンクロし、言いようもない快感が純に訪れる。更に担任は純の前に周り込み、ぷっくりとした両の乳首を弄り出した。
「あ…っん…、ぃや…っ…だめ……っ……」
バックでぱちゅっ、ぱちゅっ、男に後孔を突かれながら上半身を起こした状態にされ、担任は純の一番の性感帯である左乳首に舌を這わせる。レロレロと舐め回す舌は本当にいやらしく、その快感は脇腹を這って中心に興奮をもたらした。
「伊藤ばっかり気持ちいいのはフェアじゃないよね・・」
担任はそう呟くと純の上半身をまた元通りにし、今度は担任のモノを口淫するように指図する。
純は、生まれて初めて男に挿れられながら男性器を口に入れ、言い知れぬゾクゾクとした興奮を覚えた。そんなつもりはない筈だったのに、多人数でのエッチは純の性欲を暴走させた。
「…ぁあ…っ!! あん…っ、…っんぅ……ッ!!」
挿入された男の大きなモノが前立腺を刺激し、担任のモノを口で愛撫していると、ゾクゾクとした泡立つような快感が躯体を何度も走り抜ける。射精ではない不思議な絶頂感が何度も襲い、純の躯体は知ってはいけない快感の渦に飲みこまれた。
その後、男と担任は何度も入れ替わっては純からの口淫と後孔への挿入を堪能し、白濁した己の欲望を純に飲ませたり後孔に吐き出した。
「…イ…き……た……ぃ…」
息も絶え絶えに純が最後の力を振り絞ってそう言うと、男はシュルリとリボンを解き放った。
「…ッ!! ぁあああああああああああ・・ッ!!!!」
リボンが外されると同時に純は、長い長い射精をし、担任がそれを美味しそうに一滴も零さずにゴクリ、ゴクリと飲み干した。
そのまま純は気を失い、純の長い睫に涙の滴が付いて零れ落ちる。
担任はその涙を優しいキスをしながら舐め摂ると、意識がない純に声をかけた。
「・・ここは伊藤の楽園だよ・・これからずっと・・・」
男と担任は事後の余韻を愉しむように暫く気を失った純の肌触りを愉しむと、慣れた様子で純をベッドに拘束し、射精が終わった先端からカテーテルを入れ、点滴のように媚薬を注入する。
純が目覚める頃には、性欲は抑えられぬほどになっていることだろう。
――――男たちはベッドルームを後にし、着替えてから先ほどのリビングに戻ってきた。
再びアイリッシュウイスキーを片手に、担任と男の会話が続いてゆく。
「・・あぁ・・今日はとても素晴らしかった・・・」
「ふふっ・・初めて純を見た時から、お前が好きそうだなと思っていたさ・・」
「あはは、もうタイプは知り尽くされているよねぇ・・」
「そりゃあそうさ、お前自身がここ育ちなんだから・・・」
担任は驚くことに、この男にここで育てられた元少年であった。
「うん・・、まぁね・・・大学に行かせてくれて先生になることもできたし・・」
「俺はただの行方不明者を出したくないだけさ・・」
「伊藤も僕と同じようになるかな・・?」
「さぁ・・?暫くは快楽漬けにしてから考えさせる・・」
「相変わらずイジワルだねぇ・・」
「ははは・・」
「・・あ、そういえば今月の分、徴収しておいたよ・・」
担任は重そうなクラッチバッグを取りだし、男に渡した。
「会員は増えたのか?」
「会員は先月35名・・新規は今月1名で合計36人になった。一人50万で1,800万円入ってる。追加料金は一回50万に設定してるけど、もう予約だけで埋まりそう・・」
「よし・・いい子だったな・・」
「えへへ・・・」
ここは会員制の秘密倶楽部であり、「paradisum(パラディズム)」という場所だ。ラテン語で「楽園」を意味している。paradisumは紹介制で、会員のうち3名からの推薦を受けなければ入会できない仕組みだ。
マンション自体が男の持ち物であり、最上階2部屋が男の部屋なのだ。純が連れて行かれた部屋はparadisum専用の部屋で、純が入った部屋ではないところがまだたくさんある。それぞれのプレイ内容に則した部屋が全部で10部屋。純が入ったベッドルームは初心者専用の部屋だった。
このマンションには現在、少年8名が各自の部屋で自由に過ごし、勉強したりゆったりとした不自由ない暮らしをしている。ゲームなども自由に買い与えられ、欲しい物は申告すれば余程のことがない限り許されていた。
しかし…、ひとつだけ特徴があるとすれば、全員が純と同じように美しく、妖艶な躯体の持ち主だということだけだ。
彼らは眠る前に媚薬を注入され、欲求不満状態に陥らされている。逃げることよりも性欲が勝ってしまい、逃れないままここに居る。
少年たちは男や会員に快楽漬けにされ、自らの意思でここに残っているのだ。そして、会員の相手をしても性欲が止まらない場合には、男から許可が降りれば男に抱かれ、男が忙しい時には少年同士で快楽を求めてもいいことになっている。
paradisumにいる少年は、18歳を迎えると若い少年の性的教育係を任される。新人を迎えると、まずは複数プレイを愉しめるようにさせる任務が与えられる。純にはこの教育がいらないようだが、通常であればまずは会員に見せながら18歳以上の少年が新人を責め、見られながらの快楽を教え込むのだ。
…そして、少年が20歳になる日、希望すれば担任のようにここから学園卒業を目指して学習し、卒業資格を得るとparadisumのメンバーが金を出し、大学にさえ行かせてくれる仕組みだ。
家に帰ることを望まず、教諭や医師を目指してここから出た少年は、担任を含めれば5名程度いる。彼らは心を男やparadisumに捉われたまま、新たなターゲットを探しながら生活している。
「今いる子たちが疲弊したり偏ったりしないよう、スケジューリングは大切にな・・」
「うん、わかった・・、あの・・・」
「あぁ、・・そうだったな・・・」
担任は身体が成長していても、全てこの男の為に動き、働く。
もう一人の医師である元少年と共に会員から金を徴収し、新規入会希望者に会員資格があるかどうかを見極め、会員が来る日をスケジューリングしている。そうしているからこそ、そのご褒美として今日のように新しい少年を味わうことを許して貰えるのだ。
しかし・・、性的に育てられた身体は最後にはやはり欲してしまう。
男はソファに腰掛けると、担任の大きくなった中心を撫でてやりつつ、自分のモノを口淫させた。
…そして、いつものように目を細め、ニヤリと笑い、乾杯の言葉を放つ。
「paradisumに乾杯・・」
――――何も知らぬまま、純はまだ眠っている。
~つづく~
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