Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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領地へ

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 なんか最近泣き癖がついた気もするけど…まぁ気にしないでおこう。

 朝、色々と朝にふさわしくない事があったけど…それも気にしない!
だって、これから新しく貰った領地へ行くんだからね。
 僕が領主になるにあたって王都のお店をどうするか悩んだのだけど、結局は人を雇って続ける事にした。爺の弟の孫がとってもいい子で僕にちょっと似た感じのやっぱりΩの子だ。Ωの事情はΩが一番良く知ってる、だから頼んだ。爺の弟も一緒に店にいてくれるというし安心だ。

 けっこう売れ行きが良いし在庫はまだある。お客さんも喜んでいるし今後の情報源としても残しておきたいからね。

 両親に出発の挨拶をする。今回の出発はあの城を出たときと心の騒ぎ方が違う。
 それも当然だよね…用意は万端にしてあったとはいえあの時は1人で生きていかないとという決心をしての出発だった。
 今回はまた家族と繋がる事が出来たしアーノルドという番もちゃんとした婚約者の立場でいる。
 少しの時間で目まぐるしく変わったなと思う。

 今、僕の気持ちは領地の方だけに向かっていた。
この地方の事を勉強するうちにやりたい事が浮かんだのだ。財源も新領地が作られた時に与えられるお金とやはり新領地特例の領地が落ち着くまでの3年間の減税で捻出出来る見込みだ。

 これ等はまだ誰にも話していないが父と母は何かやりたい事があるとわかった様子で何時でも連絡を寄越すようにと励ましてくれた。
 …ん?励ましてくれるのはいつもか、ありがとう父様、母様。


 久し振りにポニ太を走らせる。横にはポニ子と手荷物、そしてポニ朗と爺がいる。やっぱり走らせると気持ち良いね~。

 誰?ポニーじゃ走ってる感無いって言うのは。
ちゃんと走ってます。パカポコッパカポコッて感じだけど僕にはちょうど良い。

 一緒に出発したアーノルドは速度が合わない様で先に向こうを整えると行ってしまった。
 ここは普通、僕にあわせるなり、自分の馬へ移るように言わない?
 Ωの恋愛小説だと大抵そうだよ。
僕も特にそれを望む訳でもないから別に構わないけどね。……構わないんだけど…ねぇ?

 街道はのどかだよ。植えられた麦が風にそよいで揺れてるし畑では何かの世話をしてる人もいる。
道の真ん中なのに鶏がいて、食べ物に困らない暮らしを送れているのがわかる。
 農村地帯は比較的に穏やかそうだ。
時々村人が「旅の人かい?珍しい物持ってないかい?」なんて聞いてきて交流慣れしているんだなと思う。

 少し大きめの川にさしかかると子供の声が聞こえて来た。親と一緒なのか「うるさいと魚が逃げるだろう!」と注意している。その声が一番うるさいのは何処でもお約束らしい。

 夕方ちょっと前に街についた。領主館がある街だけど今日は街の宿に泊まる予定にしていた。色々見たいし聞きたいじゃない?
 王都とはいかないがかなり栄えているらしい。

 門へ進むと門の脇の塀に座り込む何人もの人が目についた。

「爺、あの人たちはどうして彼処に座ってるの?街に入れない人はいない筈だけど?」

 この街は来た人を拒む事はしない。王都に近い街には街としてそれなりに事情があるのだ。もちろん犯罪者の場合も追い出すのではなく街の中で捕まえておく。うーん、なんだろう?















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