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意外な助け手
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瓦礫、灌木、また瓦礫……とそれらに隠れながら用心して人気のありそうな方へ進んでいく。この辺りは開発区にしていて危険だから工事の人以外の出入りを禁止していたんだ。
…おっ、開発区の境にしていた小川が出てきた。でももし橋の途中で見つかっちゃうと困るな。走れないし、もちろん川を徒歩で渡るのもダメ。
そんなこんなで悩んでいると、釜を持ったおばちゃんが橋を渡って来る所だった。逃げるべきか本気で考えたが隠れたままで様子を見ることにした。
おばちゃんは何かを探しているらしい…何か言ってる……「大丈夫ですよ!」何が大丈夫?「もう安心して!」鎌を構えたおばちゃんの何に安心出来るのか聞きたいよ。
「……様、どこに居ますか?」小声ながら叫んでる声は何かを心配している様子だ。
「ノエル様ー!」
!!今、ハッキリ「ノエル様」って言った!
「何処ですかー!」
一瞬躊躇ったけどそっと出てみる。まだ距離はある。最悪誘拐犯の仲間でもおばちゃんなら振り切れると考えての行動だった。
「誰?」
僕の短い問いかけにおばちゃんはバッと振り向くとソッと寄って来て、爺と決めていた助け手を示す言葉「ポニ太の子はポニータ」と言った。
!!本物の助け手だ!!
「ああああ!良かった!ノエル様!本当にノエル様だわ!ああ良かった!」
知らないおばちゃんだけど、本当に心配していてくれたらしくすごい喜び様だ。ギュウーっと抱きしめられてその力強さに安心してきた。
「さぁさ!お早く!この先に家のお爺ちゃんも探しに来てるんですよ?もう大丈夫です!街中でノエル様を探してるんですよ。」
手を引かれて橋のところまで来ると、橋の向こうからお爺ちゃんが1人走ってきた。ギョッとする僕とは反対におばちゃんは「あれが家のお爺ちゃんですよ。」と平然と教えてくれた。
……ありがたいけど、長い包丁持っての走って出迎えは遠慮したいよ?
「ああ、ノエル様だー。良かった良かった!」
さすがにお爺さんは抱きついて来なかったけどやっぱりホッとした顔になって喜んでくれた。
「さぁ!儂が来たかにはもう安心していいぞい!
あっちにイッチも来とる。イッチは足が早いから直ぐに館のお人が来てくれますぞい!」
何の職人さんなんだろう、ゴツゴツした大きな手のお爺さんは僕の頭を撫でながら「よぅ頑張りなさった。」と褒めてくれた。そして僕とおばちゃんの少し前を警戒しながら歩き始めた。
その後ろ姿はもし犯人が現れたら俺が止めてやるっと言ってる様ですごく格好良かった。
通りに出る前に僕とおばちゃんを後ろに隠し、確認したお爺さんは途端に緊張を解いた。
「おおおーい!イッチー。ここじゃここじゃー!
区長も!」
腕をブンブンと振ってイッチさんとやらを呼ぶ。他にも人が居たようだ。
「居なすったかー!」
「良かった良かった!」
「よぅ頑張った!」
次々と人が集まってきて僕を揉みくちゃに撫でる。涙を浮かべている人も居て皆に心配させてしまったと反省した。
「今、爺やさん呼びに人をやりましたからもう大丈夫ですよ。」
区長と呼ばれてる人の家にお邪魔してホットミルクをもらっている。熱々のミルクが体に沁みる~。
どうやら本当に街中で探していてくれていたらしく僕を見に色々な人が来て帰って行った。
ホットミルクを飲み終わる頃、物凄い音と供にアーノルドと爺が飛び込んできた。
…おっ、開発区の境にしていた小川が出てきた。でももし橋の途中で見つかっちゃうと困るな。走れないし、もちろん川を徒歩で渡るのもダメ。
そんなこんなで悩んでいると、釜を持ったおばちゃんが橋を渡って来る所だった。逃げるべきか本気で考えたが隠れたままで様子を見ることにした。
おばちゃんは何かを探しているらしい…何か言ってる……「大丈夫ですよ!」何が大丈夫?「もう安心して!」鎌を構えたおばちゃんの何に安心出来るのか聞きたいよ。
「……様、どこに居ますか?」小声ながら叫んでる声は何かを心配している様子だ。
「ノエル様ー!」
!!今、ハッキリ「ノエル様」って言った!
「何処ですかー!」
一瞬躊躇ったけどそっと出てみる。まだ距離はある。最悪誘拐犯の仲間でもおばちゃんなら振り切れると考えての行動だった。
「誰?」
僕の短い問いかけにおばちゃんはバッと振り向くとソッと寄って来て、爺と決めていた助け手を示す言葉「ポニ太の子はポニータ」と言った。
!!本物の助け手だ!!
「ああああ!良かった!ノエル様!本当にノエル様だわ!ああ良かった!」
知らないおばちゃんだけど、本当に心配していてくれたらしくすごい喜び様だ。ギュウーっと抱きしめられてその力強さに安心してきた。
「さぁさ!お早く!この先に家のお爺ちゃんも探しに来てるんですよ?もう大丈夫です!街中でノエル様を探してるんですよ。」
手を引かれて橋のところまで来ると、橋の向こうからお爺ちゃんが1人走ってきた。ギョッとする僕とは反対におばちゃんは「あれが家のお爺ちゃんですよ。」と平然と教えてくれた。
……ありがたいけど、長い包丁持っての走って出迎えは遠慮したいよ?
「ああ、ノエル様だー。良かった良かった!」
さすがにお爺さんは抱きついて来なかったけどやっぱりホッとした顔になって喜んでくれた。
「さぁ!儂が来たかにはもう安心していいぞい!
あっちにイッチも来とる。イッチは足が早いから直ぐに館のお人が来てくれますぞい!」
何の職人さんなんだろう、ゴツゴツした大きな手のお爺さんは僕の頭を撫でながら「よぅ頑張りなさった。」と褒めてくれた。そして僕とおばちゃんの少し前を警戒しながら歩き始めた。
その後ろ姿はもし犯人が現れたら俺が止めてやるっと言ってる様ですごく格好良かった。
通りに出る前に僕とおばちゃんを後ろに隠し、確認したお爺さんは途端に緊張を解いた。
「おおおーい!イッチー。ここじゃここじゃー!
区長も!」
腕をブンブンと振ってイッチさんとやらを呼ぶ。他にも人が居たようだ。
「居なすったかー!」
「良かった良かった!」
「よぅ頑張った!」
次々と人が集まってきて僕を揉みくちゃに撫でる。涙を浮かべている人も居て皆に心配させてしまったと反省した。
「今、爺やさん呼びに人をやりましたからもう大丈夫ですよ。」
区長と呼ばれてる人の家にお邪魔してホットミルクをもらっている。熱々のミルクが体に沁みる~。
どうやら本当に街中で探していてくれていたらしく僕を見に色々な人が来て帰って行った。
ホットミルクを飲み終わる頃、物凄い音と供にアーノルドと爺が飛び込んできた。
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