Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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考え方は千差万別2

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 静まりかえる場と静かに語るイエイガ-老。ある意味、緊張感がひどい。

「方々は覚えておられるだろう。若かった王につけこみ老獪な重臣がΩとして産まれた第一王子を追い出す言質をとった事を。そしてそれを盾に手放すのは忍びないと言う王に王子を追い出せと迫った事を。……ノエル様は自分を愛するが為に王と臣下の間に溝ができるのを案じられて自ら城を出られた。出れば早々に行き詰まり、命か名誉かの選択をしなければならないのを知っておったに……。」

 なんとも悲しそうに語る老の言葉に涙を押さえるご婦人も出てきた。……えーと、こう聞くとノエル様はなんとも儚げに聞こえる。色々と知ってる私は目が泳いでしまうが。

「その際ノエル様は自分を追い出せと迫る貴族の代表に言われた。“今後一切、自分はこの国の為等の考えは持たず自分のためだけに生きる”と。
 そして続けて問われた。“この後、自分は王公貴族は関わりを持たないそれで良いか”と。その答えに是と答えた重臣達だが…実際は刺客を差し向け、誘拐や殺害を企んだ。」

 ……うん?微妙に聞いた話と違いがあるようだが?いや、単語は同じだと思うが組み合わせが違うのでは?……いやいや、自分も聞いた話だから此方が違うのかもしれない。どちらにしろ重鎮であるイエイガ-老のお言葉なのだからそちらが正しくなる。だが、この流れだと……。

「方々、なぜグリフウッド・王都のみに汽車が走っていると思われる。王都に続くレンガの道は?答えはスサエナ殿が作られたから。…だが、ではなぜ他領に道がのびない?スサエナ領の織物は外国にも出されているのになぜ王都からしか手に入れられないのか。
 スサエナ殿はあのときの言葉のまま……ご自分の為のみに行動されている。

 汽車はあの土地以外に作る気はなく、レンガの道ものびる事なく、他の発明品も……。しかし、私達にそれを責める資格はない。何せ何の咎もない子供から両親と生活を奪い、死ねと追い出した貴族社会へのあの子の怒りは深かっただろう。
 しかし、あの子は優しい。一度はもう何もしないと言いながらこうすれば良いと見本を示していてくれている。
 その一方で私達貴族社会はどうだろうか?あの子に能力が有ると知り、ご機嫌をとろうとする者、王位継承権を戻し恩恵に預かろうとする者……あの子は今、すっかり怒ってしまったようだ。
 スサエナの便利な道具諸々が欲しければ自分達で研究しろと言うておる。安易に“王族だから臣下のためにしてくれるだろう”等とは考えぬ事だ。」

 やっぱり……罪悪感で丸め込んでいるがケンカを売っているのか?『全部お前らのせい』としか聞こえない。老……めんどくさいって言ってたが本当にそのまま貴族達に伝えるとは。それにノエル様も多分わかっていながら老に頼んだのだろう。

 ……爺やさん……あの主をなんとかしてください。場の雰囲気からしてただ老のお話に流されるだけではない人もちらほら見えるだけにこのあとが怖い。
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