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シモンの苦労
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僕はシモン。今年で10才になる。兄弟は下に弟、妹、弟がいるため年令より上に見えると思う。それぞれ領地は違うけど両親とも領主を勤め、更に母様は王族の一員という所謂ノーブルブラッドというやつだ。家庭教師の先生からは母様はΩだけど普通のΩと同じに考えると後が大変だと教えられてきた。
とんでもない経緯で今回母様の代理をほんのちょっとすることになったのだけど、あの先生が言っていた“普通のΩじゃない”という意味がよく解った。
これは爺によって母様がおこなってきた“改革”とい物を簡単に纏めた覚書だが、これによると母はΩではありえないとしか思えない。この世界の何処にΩが安心して寿命を全うできる街が存在するのだろうか。子供達の学習率が非常に高く、大人は当たり前のように子供に「勉強しなさい」と注意する。これは普通の街中のことであり、けして貴族の館内の事ではない。街の通りを整備して住民に仕事を与え、学ばせ、衛生面を向上させた。そして領民からの信頼を得て……可愛がられている。なんで?ここだけどうにもおかしい。確かに母様は息子の自分から見ても可愛いと思うけど、領主としての威厳は?王族の権威は?
よく考えて見よう……嬉しいとニパッと笑う。悲しかったり寂しいとショボンとする。式典やイベントで領民の前に立つと背筋伸ばして胸はって……でも外見が子供っぽいから一生懸命にしかみえない。ダメだ、可愛がられる要素が詰まってる。
「爺、母様は……。」
なんと言っていいのだろうか、困ってしまう。
「ええ、ノエル様は規格外の方です。でもΩの人々はいつも何処でだって一生懸命なのですよ。あのように小柄で頼りないのにαの番として支え、子供まで与えてくれる……αはΩ無しでは生きられません。弱そうに見えて真に強いのは本当はΩの人々なのかもしれませんね。
さぁさぁ、シモン様もノエル様のように領を導いていかれるのでしょう?頑張らなければ。」
「うん。そうだね爺、頑張って母様のようにならなければ…………」
ここで言葉が止まってしまった。本当なら“母様のようにならなければならないね”と言いたかったのだけれど頭の中に下の兄弟を腕に抱いたまま結構な無茶をしている姿を幾度となく目撃している為、すんなりと言葉がでないのだ。
「シモン様、今までの経験の中でノエル様がとんでもない無茶をなさるのはご家族の命を守る時だけですよ。」
そうして、今までは子供だったために教えてこられなかった母様の無茶ぶりを理由と共に教えてもらった。母様自信が城を出た時の事、僕を産んで領に帰る時の事、産後の体で王都へ駆けた時の事。真相を聞くと母様の無茶は理由があり、どうしようもなかった事なのだと思った。
「シモン様、これらの話を聞いてどう思われましたか?」
爺の問いに素直に“胸が潰れる思いです”と答えたが爺は真剣な顔で首を横にふった。
「シモン様、それではなりませんよ。いいですか?ノエル様が無茶をした事実は変わりません。無茶ばかりする要注意者とちゃんと覚えておいて下さい。そうでなければ此方の心臓が持たないのです。」
……ここまで言われる母様って。そしてそうやってたしなめるなら何故この話をしたの?え?もしかして、こうやって振り回されるっていうこと?
とんでもない経緯で今回母様の代理をほんのちょっとすることになったのだけど、あの先生が言っていた“普通のΩじゃない”という意味がよく解った。
これは爺によって母様がおこなってきた“改革”とい物を簡単に纏めた覚書だが、これによると母はΩではありえないとしか思えない。この世界の何処にΩが安心して寿命を全うできる街が存在するのだろうか。子供達の学習率が非常に高く、大人は当たり前のように子供に「勉強しなさい」と注意する。これは普通の街中のことであり、けして貴族の館内の事ではない。街の通りを整備して住民に仕事を与え、学ばせ、衛生面を向上させた。そして領民からの信頼を得て……可愛がられている。なんで?ここだけどうにもおかしい。確かに母様は息子の自分から見ても可愛いと思うけど、領主としての威厳は?王族の権威は?
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「爺、母様は……。」
なんと言っていいのだろうか、困ってしまう。
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さぁさぁ、シモン様もノエル様のように領を導いていかれるのでしょう?頑張らなければ。」
「うん。そうだね爺、頑張って母様のようにならなければ…………」
ここで言葉が止まってしまった。本当なら“母様のようにならなければならないね”と言いたかったのだけれど頭の中に下の兄弟を腕に抱いたまま結構な無茶をしている姿を幾度となく目撃している為、すんなりと言葉がでないのだ。
「シモン様、今までの経験の中でノエル様がとんでもない無茶をなさるのはご家族の命を守る時だけですよ。」
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