Ωの僕がお偉いさん

寄宿舎で

　今日はトータとマオもつれて寄宿学校へ。トータは記録係としているのはわかるけどなぜマオがいるのかって？コウが用事あってお出かけするのだけど、放っておくとなにするかわからないって預けられたからだ。うん、収納庫荒らした事が尾をひいてるね。

「今日はなにする為にきたの？」

「今日はね～、生徒達にアンケートとるんだけどその様子見に来たの。お昼の食堂で試食品出すからその結果を見て、人気あったものをお見合いパーティー当日のメニューに加えるんだ。」

　生徒達の反応を見て忌憚きたんのない意見を知りたい。だから僕たちも食堂でご飯食べながら様子見るよと告げると2人とも大喜びだ。……2人とも、朝ごはんいっぱい食べたじゃん。
　バイキングにしてどんなメニューがすぐ無くなるのか、最後までおかわり無しで残ってるのか一目瞭然だし、食堂の人も楽だからとやってみた。これなら大量の紙束とか聞き取りの人数とか手配いらないものね。


「どんなメニューにするか全然決めてないの？」

「うーん、少しは決めてるのもあるよ。飲み物はノンアルコールのものだけとか、時期的にフルーツも限りがあるからね。あとは皆が大好き唐揚げ、ハンバーグ、コロッケなんかだよ。」

「へぇー、意外と庶民的メニューなんだ。もっとフカヒレのなんちゃらとか、なんとか牛のフィレステーキみたいなの出すのかと思ってた。」

「ん～、ステーキはだすよ。招待客大人メニューは粗方決まってる。でも生徒達はそんな高級食材で肩の凝るメニューじゃ楽しくないと思ったから。ご馳走は食べたいけど、そういう高級なご馳走だけじゃなくて好きなものが目の前に全部あったらいいなっていう感じが良いんじゃないかと思ってさ。まぁだから今日確めるんだけどね。」

　そっか～と頷く２人の前にはお子様ランチ的なプレートがある。2人ともバイキングに興奮してたもんね。ケチャップのパスタ、海老のグラタン、コーンクリームのコロッケ、ハンバーグ、唐揚げ、パエリアすごい量だね。マオはこれに別皿で照り焼きピザと生クリームとフルーツのサンドイッチもつけてる。楽しそうに選んでもらって良かった。
　次々にやって来て嬉しそうにしている生徒達を見ても、やっぱりバイキング型式でこっそりアンケートは間違ってなかったようだ。

　さて、人気メニューはというとトータとマオも選んでいた海老のグラタン、唐揚げ、ハンバーグ、パエリア、パスタはカルボナーラも人気があった。それから僕たちは見つけてなかったトンカツやエビフライも。
　よし、この人気メニューを加えて準備しよう。あ、もちろんサンドイッチやスコーンなんかの軽食、フルーツやゼリー、ケーキのデザートも外さずに用意だね。

　……でも一番忘れちゃいけないものを僕は見つけたよ。僕の向かい側で「お腹いっぱーい満足～」と言う2人を見て……おしぼり必要だ。口の回りがケチャップついてる。
　君達はお子様か？なぜ僕が世話をやいて口元フキフキしなければならない？
　当日は巡回の人に気をつけてもらおう。

　当日のメニューにこっそりと僕の大好物、アボカドと海老のサンドイッチとミートパイ、イチゴのジュースを追加したのは内緒です。