Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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憧れの人って

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 数日前から用意して揃った様々な装飾品を前に生徒達は大はしゃぎだ。お見合いパーティー参加可能年齢の生徒達に朝礼の後残ってもらい、僕からのサプライズプレゼントを選んでもらっていた。レナードさんから買ったよそいき用の物は一人一人合うように選んでいるから手渡しで渡している。

 結局、お見合いパーティーは参加可能な年齢の生徒はその95%が出席を予定しており残りの5%は番が決まっているか発情期にあたってしまうという不運な子だったのでよそいき用装飾品も全員分用意した。

「どうしよう、紺色と焦げ茶色どっちがいいかなぁ……。」

「いっそのことこっちの明るい青は?ほら、似合うよ~。」

 友達同士、鏡の前で行われてるはしゃぎようにこちらも嬉しくなる。はじめは地味な色を選んでいた子達も友達に見てもらってどんどん明るい色を試してみている。まぁこれに活躍してるのは実はトータなんだけどね。
 意外な事にトータは生徒達の憧れなんだとか。皇太子の大事な人として城に住み、僕の親友のトータはΩの星なんだって。

 ……本性見せられないな。一生隠し通せよトータ。マオからの夜の道具のお土産を心待にしていたり、遠方の国のエッチ話を実践してみようと企んだりしているなんて姿は知られちゃいけない。

「わぁ~、ほんとだ。この色良いですね~」

「ほんとだ。一気に明るい雰囲気になったね。」

「いいなぁ~、トータさんこのスカーフはどうでしょうか?」

 クリーム色のスカーフを選んだ子の結びを花のように作ってあげてると囲まれるトータは来てもらって良かったと思う。こうやって見ているとトータは母様のお相手をするときもあるだけあって、着こなしがお洒落だ。

 一刻が過ぎるくらい時間がたってようやく皆決まって落ち着いてきたらしい。皆のニコニコ笑顔が眩しいくらいだ。

「じゃぁ皆に行き渡ったかな?残りは予備用として保管しておくので何かあったら先生に言って下さいね。それではパーティーまで残り7日です、風邪ひいたり怪我したりなどしないように。それからこれが一番大事な事ですが、パーティー参加者のαの方々がそろそろ来てるようです。中に入って来ることはないはずですが、いつもと違う香りがしたり体調に変化があったらすぐに誰にでもいいので知らせて下さいね。知らされた人は直ちに先生に言って下さい。」

 僕も昔、微かにするアーノルドの臭いで番が側にいると悟った。最初は思うところもあったけどアーノルドが番で本当に良かったと思っている。
 アーノルドも僕の臭いを感じ取ったということだし、だからもし僕たちのように見つかったのならパーティーの前だろうがなんだろうが見つけたのならすぐにでも会わせてあげたいのだ。

 生徒達は真剣に頷いている。実はここスサエナ領で大きくなった生徒の中にはΩ軽視の経験がない子がいるため授業で外の世界では番のα無しでの生活は非常に厳しいと伝えてもらったのだ。だからこのお見合いパーティーはとても大事な事なのだと理解したのだろう。
 必要以上に脅す気はないが番って最高だからね~。あ~、アーノルドに会いたくなってきちゃったなぁ。呼んじゃう?行っちゃう?……ダメか。
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