Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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生徒達のお悩み相談

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 今日僕は寄宿舎の相談室に来ている。お見合いパーティーから2ヶ月、数人の生徒に相談がしたいと手紙をもらっていたからだ。個別に手紙が届いたので急いで来たわけ。だってクラスとかクラブごとでならそうでもないけど、個人が僕宛に手紙を出すなんて凄く悩んだ挙げ句だと思うんだ。
 僕は先生と呼ばれてても王族の領主だから躊躇するでしょ?それを敢えて僕宛に出すということは悩みが大きいとしか思えないからね。

 悩みというのは時間経過的にお見合いパーティーが原因ではという予想もあった。時間がたって冷静になってみると、“よく知らない年上の大人が怖い”“本当に望まれているのかわからない”等の思いが出てきてもおかしくはない。先生方に相談しようにも先生は彼等を知らないのだから、彼等を集めた僕に聞いてみたくもなるだろう。
 ウンウン、大丈夫。手紙をくれた生徒達のパートナーの事は追跡調査もして資料揃えて来たから答えてあげよう。そろそろ1人目の時間かな?


「ノエル先生わざわざありがとうございます。」

 礼儀正しくノックの後応答を待ってからの入室、部屋へ入ったすぐ後の礼に僕は『マナー完璧』と心の中で花丸をあげた。
 席を進め生徒が座るとモジモジと所在なさげな様子がかわいい。

「それで、さっそく本題に入るけど相談事とは?」

 挨拶と体調を聞いた後本題をふってみた。

「あの、実は…パートナーの方の事で。」

 やっぱりパートナー絡みの悩みだね。読みは当たったようだ。

「君のパートナーは王都に住む伯爵の長男のダン様だったね?彼は長男だけど次期伯爵ではないのは知らされてる?伯爵家は代々騎士なんだけどダン様は鉱物学者なんだ。だから家は弟に譲られて今は王城の研究塔に住んでる。2年前の研究論文で注目され王命で地質学者達と東にある山脈を調査中。君の卒業後はその調査に同行してほしいと希望してる。」

 ……どこら辺が不安材料だ?やっぱり調査の動向かな?お家問題もあるか?

「はい。その辺りの事は会ったときのお話とお手紙で知りました。次期当主にはならないので社交や立場の難しい問題はないと聞いてます。ご自分も当主という柄ではないので嫌だそうです。自分は鉱石の美しさに引かれている…とか。ただ、鉱山にご自分で行って採掘なさるらしく……。」

「心配なんだね?怪我とか落石とか。」

「……ああ、ええ…と。それもあるのですが……。体力の方が……。」

 ん?体力?疲れきってしまうとか?

「ええ…。あの……ノエル先生も大変なんでしょ?」

 どうして僕が大変なの?わからん。

「だって!だって……だって。……体力のある方と…すると……凄く大変って聞いて。」

 んんん?体力、する、大変……あぁ……そっちかい!
何!?この子はつまり[採掘趣味→体力凄い→自分も一緒→夜のエッチが激しい]と思って不安になってると?そーいうことですか……。はぁぁ……。

 これに対して僕がどう答えるべきか?決まってるでしょ!「知らんっ!」
……なんて言えないよねぇ。言いたいけど。
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