Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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次の生徒~。

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 はぁぁ、最初の生徒で疲れが……。まさかの“夜のお悩み”だったとか。しかもまだまだ先の。
僕の答え?それはもう正論で返したよ。
「君はまだ卒業まで半年あるし、成長途中でしょ。半年間毎朝ジョギングでもしなさい。体力つけなさい。」

 晴れ晴れとした顔で帰っていったけどね。
さぁー。気を取り直して次の生徒おいで~。


「失礼します!」

 緊張まるだしで入ってきたのはやっと15歳くらいの生徒だった。この子のパートナーは街の商会で働く18才の人。2ヶ月前は年も近くて話も合うと言っていたようだけど?その若さが不安?

「実はお手紙に書かれていたのですが、商会から将来的に支店を任せたいと言われてその為の勉強を始めるそうです。」

 ほぉほぉ、将来的に……。今から支店長候補として教育するとは、結構いい素質があるようですね?数年教育して5年後くらいを目処に店長として赴任でしょうか?この子も20才前後、気力も体力も充分な時期。タイミング的にも良いんじゃない?

「はい。それでですね、僕はどうしたら良いんでしょう?」
  
 どうしたら良い…とは?着いていくかどうかってことなのかな?

「あ、いいえ。着いて行こうとは思ってます。でもこんな僕が着いていって負担なんじゃないかって思って…。」

「負担かぁ。多分パートナーは負担になってもそう感じないと思うよ?番のαは何かと世話をしたがるから。とはいっても限度があるからね。卒業までの間負担を減らせるようになろうか。まずは家事全般を引き受けられるようになる、とか取扱中の品物について覚える、とか。」

 キョトンとした表情からパァァァ~と笑顔に変わっていく。よーし、解決だね。出来る事からコツコツと頑張るんだよ~。
 やる気溢れる様子で帰る姿にほっとした。
 次の予定者はお昼を挟んだ後だ。今日は1人なのでここで食べようとお弁当にして持ってきている。でもちょっと思い付いた話をしながら食べたい。そう思った僕は校長室に出向いた。

 以前ちょっと言った通りこの学校の校長はαだ。だけど運命の番がいるので何ら影響はない。そして僕の善き相談者として活躍中だ。
……爺に言わせると面白いこと大好きで僕を止める気がない困った人らしいけど。

「校長先生~失礼しま~す。」

 窓拭き中?何で?あぁ…向かいの売店で店番中の番さんを見てるのね。

「おや、ノエル様午前中はお疲れ様でした。その様子だとまた何か思い付かれましたね?」

 おぉ!良い読みですね。話が早い。ちょっとご飯食べながらお話ししません?どうせ校長先生は愛妻弁当あるんでしょ?


 僕の豪華三段重のお弁当の中からひょいひょいと食べたいものを自分の弁当箱の蓋に乗せながら頷いている。

「なるほど、生徒達はパートナーに寄り添うための方法について悩んでいるという事ですか。」

 おぉ!“寄り添うための方法について”ときたか。綺麗に字面になったね。僕はなんと説明するべきかわからず生徒の名前を伏せたが内容はそのまんま話したのに。

「だからね、選択科目を設けようと思ってるんだ。生活技術を学べる被服、調理、栄養学、家庭全般色々とね。それから体力作りのために毎朝30分程度のエクササイズを取り入れようかと思うの。」

「いいですね~。面白いです。じゃぁ講師の先生確保よろしくお願いします。」
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