Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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午後の相談者

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 午後一の相談者は入って来るなり、泣き出した。慰めながらやっと聞き出した内容とは……まだ発情期が安定せず、来たら来たでとても重いらしく辛いらしい。今まではそれでも自分の事だけなのでよかったが今回パートナーとなった人は王都を挟んで反対側の領で領主補佐をしているから忙しく、予定の立たない自分の体質で迷惑をかける……と。

 うーん、これは難しいね。そこの問題はパートナーさんも知ってるの?あぁ…知ってるんだね。うん、知らないと話は進まないからね。えーと、この間の要望聞いた時は何か言ってたかなぁ……あぁ、あったあった。[領主の容態は好転してきており一月後には根治予定。]なんだこれ?
 あぁ、そうだ。領主が病気になっちゃって次期領主と補佐の数人で仕事をカバーしてた領の人だ。んんん、なるほど厄介だね。それで余計迷惑をかけたくないと。

 この生徒のお悩みは軽くすることくらいしか今はできない。とりあえず病気の領主さんの具合を調べてまだ忙しいのか知るとこからだね。それから生徒には健康管理のために食事内容、睡眠、適度な運動を心がけるようにアドバイスした。
 ついでに後日から始まる朝のエクササイズの事を伝える。これですでに適度な運動をクリア出きるよ。

 さて、ここまでの3人の生徒との面談で気になった事があります。もしかして……保健体育的な事教わってなくない?いや、オブラートにくるむのはよそう。


 コンコンコンコンコン、バンッ!!
「ねぇえ!もしかしてΩの発情期の過ごし方って教えてないの?!」

 ブハッと飲んでたお茶を校長先生が吹き出した。汚いなぁ……。

「な…なん…なんなんですか!いきなり、なに…なにを!」

 ゲホゲホと噎せて苦しそうな校長先生の背中をトントンしてあげると大丈夫ですというかのように片手をあげて合図してきた。
 じゃあ改めて、もう一度。

「いえ、いいです。言わないでいいです。」

 ちゃんと聞こえた?じゃあ、お答ちょうだい。

「……そこは保健医の管轄です。αは触れない部分ですよ。ノエル様の言うセクハラに当たるでしょう?」

 あーーそうね、それもそうだわ。ん、でも校長だから詳しい内容はともかく時間をとって教えてるかどうかくらいは……

「いえ!わかりません!っていうか、何で私の方が恥ずかしい気持ちにさせられるんですか。」

 ああそうなの?ごめんね。わかった、ちょっと保健医の方に行ってくる。

「待った!ちょっと待って下さい!おとなしくここに居て下さい!いいですね!」

 もう、マオじゃないんだから首根っこ捕まえなくても大丈夫だよ~。はいはいここに居ますから。
校長先生はブツブツ言いながら出ていき……頭を抱えた爺とカシス、笑ってるトータを連れて戻ってきた。爺とカシスを連れてくるとは何事だ。

「ノエル様、規格外って聞いてたけど自分もΩっていう認識あります?」

 カシス、失礼だよ?僕ほど自分をΩだと認めている者は無いくらいだよ。

「ノエル様、カシスが言いたいのはそういう事ではございません。」

 爺が心のそこからというようなため息をついた。
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