350 / 708
午後の相談者
しおりを挟む
午後一の相談者は入って来るなり、泣き出した。慰めながらやっと聞き出した内容とは……まだ発情期が安定せず、来たら来たでとても重いらしく辛いらしい。今まではそれでも自分の事だけなのでよかったが今回パートナーとなった人は王都を挟んで反対側の領で領主補佐をしているから忙しく、予定の立たない自分の体質で迷惑をかける……と。
うーん、これは難しいね。そこの問題はパートナーさんも知ってるの?あぁ…知ってるんだね。うん、知らないと話は進まないからね。えーと、この間の要望聞いた時は何か言ってたかなぁ……あぁ、あったあった。[領主の容態は好転してきており一月後には根治予定。]なんだこれ?
あぁ、そうだ。領主が病気になっちゃって次期領主と補佐の数人で仕事をカバーしてた領の人だ。んんん、なるほど厄介だね。それで余計迷惑をかけたくないと。
この生徒のお悩みは軽くすることくらいしか今はできない。とりあえず病気の領主さんの具合を調べてまだ忙しいのか知るとこからだね。それから生徒には健康管理のために食事内容、睡眠、適度な運動を心がけるようにアドバイスした。
ついでに後日から始まる朝のエクササイズの事を伝える。これですでに適度な運動をクリア出きるよ。
さて、ここまでの3人の生徒との面談で気になった事があります。もしかして……保健体育的な事教わってなくない?いや、オブラートにくるむのはよそう。
コンコンコンコンコン、バンッ!!
「ねぇえ!もしかしてΩの発情期の過ごし方って教えてないの?!」
ブハッと飲んでたお茶を校長先生が吹き出した。汚いなぁ……。
「な…なん…なんなんですか!いきなり、なに…なにを!」
ゲホゲホと噎せて苦しそうな校長先生の背中をトントンしてあげると大丈夫ですというかのように片手をあげて合図してきた。
じゃあ改めて、もう一度。
「いえ、いいです。言わないでいいです。」
ちゃんと聞こえた?じゃあ、お答ちょうだい。
「……そこは保健医の管轄です。私は触れない部分ですよ。ノエル様の言うセクハラに当たるでしょう?」
あーーそうね、それもそうだわ。ん、でも校長だから詳しい内容はともかく時間をとって教えてるかどうかくらいは……
「いえ!わかりません!っていうか、何で私の方が恥ずかしい気持ちにさせられるんですか。」
ああそうなの?ごめんね。わかった、ちょっと保健医の方に行ってくる。
「待った!ちょっと待って下さい!おとなしくここに居て下さい!いいですね!」
もう、マオじゃないんだから首根っこ捕まえなくても大丈夫だよ~。はいはいここに居ますから。
校長先生はブツブツ言いながら出ていき……頭を抱えた爺とカシス、笑ってるトータを連れて戻ってきた。爺とカシスを連れてくるとは何事だ。
「ノエル様、規格外って聞いてたけど自分もΩっていう認識あります?」
カシス、失礼だよ?僕ほど自分をΩだと認めている者は無いくらいだよ。
「ノエル様、カシスが言いたいのはそういう事ではございません。」
爺が心のそこからというようなため息をついた。
うーん、これは難しいね。そこの問題はパートナーさんも知ってるの?あぁ…知ってるんだね。うん、知らないと話は進まないからね。えーと、この間の要望聞いた時は何か言ってたかなぁ……あぁ、あったあった。[領主の容態は好転してきており一月後には根治予定。]なんだこれ?
あぁ、そうだ。領主が病気になっちゃって次期領主と補佐の数人で仕事をカバーしてた領の人だ。んんん、なるほど厄介だね。それで余計迷惑をかけたくないと。
この生徒のお悩みは軽くすることくらいしか今はできない。とりあえず病気の領主さんの具合を調べてまだ忙しいのか知るとこからだね。それから生徒には健康管理のために食事内容、睡眠、適度な運動を心がけるようにアドバイスした。
ついでに後日から始まる朝のエクササイズの事を伝える。これですでに適度な運動をクリア出きるよ。
さて、ここまでの3人の生徒との面談で気になった事があります。もしかして……保健体育的な事教わってなくない?いや、オブラートにくるむのはよそう。
コンコンコンコンコン、バンッ!!
「ねぇえ!もしかしてΩの発情期の過ごし方って教えてないの?!」
ブハッと飲んでたお茶を校長先生が吹き出した。汚いなぁ……。
「な…なん…なんなんですか!いきなり、なに…なにを!」
ゲホゲホと噎せて苦しそうな校長先生の背中をトントンしてあげると大丈夫ですというかのように片手をあげて合図してきた。
じゃあ改めて、もう一度。
「いえ、いいです。言わないでいいです。」
ちゃんと聞こえた?じゃあ、お答ちょうだい。
「……そこは保健医の管轄です。私は触れない部分ですよ。ノエル様の言うセクハラに当たるでしょう?」
あーーそうね、それもそうだわ。ん、でも校長だから詳しい内容はともかく時間をとって教えてるかどうかくらいは……
「いえ!わかりません!っていうか、何で私の方が恥ずかしい気持ちにさせられるんですか。」
ああそうなの?ごめんね。わかった、ちょっと保健医の方に行ってくる。
「待った!ちょっと待って下さい!おとなしくここに居て下さい!いいですね!」
もう、マオじゃないんだから首根っこ捕まえなくても大丈夫だよ~。はいはいここに居ますから。
校長先生はブツブツ言いながら出ていき……頭を抱えた爺とカシス、笑ってるトータを連れて戻ってきた。爺とカシスを連れてくるとは何事だ。
「ノエル様、規格外って聞いてたけど自分もΩっていう認識あります?」
カシス、失礼だよ?僕ほど自分をΩだと認めている者は無いくらいだよ。
「ノエル様、カシスが言いたいのはそういう事ではございません。」
爺が心のそこからというようなため息をついた。
70
あなたにおすすめの小説
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
番解除した僕等の末路【完結済・短編】
藍生らぱん
BL
都市伝説だと思っていた「運命の番」に出逢った。
番になって数日後、「番解除」された事を悟った。
「番解除」されたΩは、二度と他のαと番になることができない。
けれど余命宣告を受けていた僕にとっては都合が良かった。
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
愛を知らない少年たちの番物語。
あゆみん
BL
親から愛されることなく育った不憫な三兄弟が異世界で番に待ち焦がれた獣たちから愛を注がれ、一途な愛に戸惑いながらも幸せになる物語。
*触れ合いシーンは★マークをつけます。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
流れる星、どうかお願い
ハル
BL
羽水 結弦(うすい ゆずる)
オメガで高校中退の彼は国内の財閥の一つ、羽水本家の次男、羽水要と番になって約8年
高層マンションに住み、気兼ねなくスーパーで買い物をして好きな料理を食べられる。同じ性の人からすれば恵まれた生活をしている彼
そんな彼が夜、空を眺めて流れ星に祈る願いはただ一つ
”要が幸せになりますように”
オメガバースの世界を舞台にしたアルファ×オメガ
王道な関係の二人が織りなすラブストーリーをお楽しみに!
一応、更新していきますが、修正が入ることは多いので
ちょっと読みづらくなったら申し訳ないですが
お付き合いください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる