Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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ルンルン母様

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 父様、提督、デジレ様、爺の間で話し合いがされたそうだ。そこになぜ当事者の僕が入ってないかというと、これ以上の異常事態を防ぐためなんだとか。    
 父様にしてみれば思い付きで大勢のαを集めた集団見合いも、集団見合いの結果も、その結果のお礼の品も普通ではない。更にそこへ孫の養子話と養子話に過剰反応した僕の暴走……充分に異常事態だそうだ。

 経緯を理解した父様は僕が海に出ると言った意味も正しく理解した結果、養子話を受けるも受けないも僕が納得しなくてはどうしようもないとわかり、僕のお願いを聞いてくれたらしい。でも、それを聞いた母様は僕についていくと言い出して……父様は説得されたとか。
 母様が言うには「海には決まりが多いのよ。船によっては女人禁制とか、Ω性禁制もあるし、迷信深い国では歌も禁止したりするのよ。細かい注意事項もあるし、はじめて船に乗る人がいる船はそれだけでも人手が必要になるのよ。だから母様が一緒に行ってあげる。母様ならそういうのは知ってるし、提督兄さまの船なら昔よく乗ったもの。」だとか。

 所々で『船で遊びたい』という本音が見え隠れしてるけど、僕が海や船を知らないのは事実だし父様が許可したんだもの。受け入れよう。

 でもこうやって一緒にお出かけなんて初めてでちょっと嬉しいかも。……いや、目的思い出したら嬉しくなくなった。ああそうだ。父様にどちらにせよアンリには事情を話しておくようにと言われてた。……うん、話すよ?話すけど……やだなぁ。



 隼に手紙を持たせて飛ばせた。内容はアンリの養子話が出たこと。僕は出したくないこと。でもアンリの意見を一応聞くこと。どちらにせよ一度僕らと船にのってお出かけすること。を書いたらお返事が超特急便の鷹で帰ってきた。
『理解困難。とにかく行きます。』だって。鷹を飛ばすと同時に馬で駆けて来るようであと1刻もあれば着くだろう。……お迎え行こう。

 サンルーム前で爺に捕まって部屋に強制連行される。僕だと説明が長くなりそうだからカシスに任せて僕はコウから注意事項を受ける事になった。

「いいですかノエル様、船では水や食料品は貴重です。欲しくなったら必ず爺やさんに言って貰って下さい。だからといって余計な物は持ち込まない。決まった大きさの箱に入る分だけですよ。

 居場所も決まってます。ノエル様が居て良いのは提督、デジレ様、俺、爺やさん……不安があるけど、マオが居る場所だけ。なるべく甲板には居ないように。行く時は誰かと一緒です。」

「コウ、母様が大きい箱に衣装用意してるのを止めなくていいの?」

「……ああ、姫様の分は大丈夫。確保されてるから。ああ見えても昔はよく乗ってたらしくて乗るって決まって直ぐに荷物量確認しに来たから。」

 ああそうなんだ。なんだかフールフーガの人達は母様が乗るのを楽しみにしてるみたいだ。
ふーん、僕は楽しみで乗る訳じゃないからなんだか複雑な気分だよね。
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