Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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意外と話がはずむ

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「私にはわからぬが?」

「いや、デジレは爽やかな中にも甘味のある良い香りだ。」

 「悪い気はしない」と微笑むデジレ様を目の前にして僕は居心地が悪い。

「ときにノエル殿、貴方は町の様子に興味があるとか?」

 そわそわ気味の僕に提督から唐突に話をふられた。……なにか、提督から企みのけはいがする?

「明日と明後日、マオとコウを案内につけよう。案内等なくてもこの街では危険などは無いが、観光案内は必要だろう。」

 提督とデジレ様が言うにはこの街には余所者が居ないのだとか。皆、フールフーガの船に乗ってる人か船を作ってる人、とその家族なんだって。お店も船乗りの父を持つ家族がやってるとか、船の備品を作るついでにお店も開くとかの人ばかりだからなんだって。
 そういえば、船の仲間は身内だってマオが言ってたな。命を預け会う仲間は血の繋がりよりも信用してるって。

 これを聞いた時はtheルビおとこの世界って感じで感動したけど、提督たちも街の人を身内として信用してるんだね。

「ありがとうございます。私は趣味の一環として子供の服を縫ったりもしますので、服のデザイン等も気になるのです。」

 とりあえず当たり障りのない返事を返す。ここで屋台の食べ物の事や、マオが持ってる面白そうなもの(大人の玩具じゃないよ!)がどこら辺で手にはいるのかを知りたいなんて言ってはいけない。
………バレバレかも知れないけどね。

「そういえばノエル様は昔から裁縫がお好きだったようですね。時折、王妃様がノエル様の刺繍だとハンカチを自慢されておりました。」

 ……デジレ様がそこを触れちゃうんだ。刺繍、というか裁縫全般だけど始めたきっかけは貴方たちのせいなんだからね?
 でも僕は良い子だからそこはふれないよ。

「母様が?お恥ずかしいです。スサエナの職人たちから見れば拙いものです。」

「ああ、スサエナ領からの工芸品は見事だと各地で人気が高い。」

「そうですね。ノエル様よりの依頼は初めはどうなることかと思いましたが、今ではわざわざ買い求めに来るほどだとか。」

 そう!そうなんですよ!と言いたいけど、ニッコリ笑顔でお礼のみ伝える。

「ええ、でもスサエナ領は小さい領ですから交易はすべて王都かグリフウッドに任せています。」

 本当は治安維持のためになんだけどね。

「アーノルドの友人がノエル様の元に居るのもその為ですか?」

「いいえデジレ様、彼は僕の寄宿学校の生徒と番が成立しまして。彼が卒業するまでこちらに居ることを希望したのです。卒業後はグリフウッドに戻るとの事なので、グリフウッドの次期であるシモンに付けようと思ってます。」

 頷くお二人はαとして思うところがあっても良いはずなんだけど、……関係なさそうだな。
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