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デジレ様
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しばらく話をしていたら喉が乾いた。飲み物を……と思ったタイミングで提督がどこかに向かって合図をするとなぜかワラワラといろんな人がボトルを手に集まってくる。
お酒は飲めないので…と断ろうとするとデジレ様がその人たちを一列に並ばせた。
「ノエル様、この者たちはこの街の外にで果樹園を持ち、果実酒を作っているのだが、新しい商品の開発もしている。それがこのノンアルコールの物で数種類の果汁から作っている。これをぜひ味見してほしいそうだ。そして気に入れば取引をしてほしいと望んでいる。」
……ほぅ。ジュースですか?それならばいただきましょう。
そして僕は8人ほどの人から順に、まず一口分をもらって口に含んだ。
「……酸味が強いですね、渋味もけっこうします。ワインに使うブドウと何を使ってますか?あぁ、ブラックベリーを……。お酒やタバコを飲まれる方ならお好きかと。」
一人目のは僕は好きじゃない。次は?見るからにイチゴっぽい。匂いもイチゴ……味は……うーん。ただ甘いだけかなぁ。シロップとしては有りかもね。三人目、四人目も五人目も従来品とあまり違いがない。そして六人目、……気に入った!爽やか白ブドウの酸味と柑橘系の甘味のコントラストが良い!
「これ、僕は好きですね。」
僕が言うと持ち主は喜びを隠しきれずにいる。どうしてこんなに喜んでる?
それから八人目の人のも気に入った。柑橘系のスッキリとした甘味となによりレモンの香りが良い。……ちょっとアーノルドのイメージと重なって嬉しい。
「気に入った物があったようですな。」というデジレ様の声に瓶を手にしたニコニコ笑顔の人が二人残った。特に気に入ったとか違うとか言わなかったのにちゃんと六人目と八人目が残るのがすごいよね。
……うーん、そーだなぁ日持ちとかもあるだろうからそんなに頼めないけど、南の島に行く途中にも飲みたいし帰るときもほしいし……爺~爺~どこ?ああそこ行く侍女さん、うちの爺に言っといてくれます?「これ欲しい」で通用しますから。
侍女さんについて去っていく二人の持っていたジュースの瓶はちゃっかり僕の手元に。アルコール飲めないから貰えて良かったよ。こういうパーティーって子供もどうぞといってもお子様メニューなんて用意はされない。僕の開くパーティーが特別なんだってわかってはいるけど……不便だよね。
テーブルの上に飲み物、食べ物と揃ったところでデジレ様がちょっと合図を送る。すると僕から子供達がいる場所が見える部分を残してササッと目隠しがされた。
「ノエル様にはお話をしておかなければなりません。」
……面倒な話でしたら嫌です。と言いたいけど、それは許してもらえなさそうだ。
「その様に硬くなられる事ではない。ノエル殿にフールフーガの城にいるΩの者の話を聞いてやってほしいのだ。」
「年は25、男Ωなのだが少々……幼く……年齢通りには見えない。そう……トータをより幼くした感じか。」
提督が言う「うちの城」って……フールフーガの王城の事でしょうかね?何か含みありそうだから離宮にでもいるのかな?でもまぁなんとなく王族なんだろうなと思う。
お酒は飲めないので…と断ろうとするとデジレ様がその人たちを一列に並ばせた。
「ノエル様、この者たちはこの街の外にで果樹園を持ち、果実酒を作っているのだが、新しい商品の開発もしている。それがこのノンアルコールの物で数種類の果汁から作っている。これをぜひ味見してほしいそうだ。そして気に入れば取引をしてほしいと望んでいる。」
……ほぅ。ジュースですか?それならばいただきましょう。
そして僕は8人ほどの人から順に、まず一口分をもらって口に含んだ。
「……酸味が強いですね、渋味もけっこうします。ワインに使うブドウと何を使ってますか?あぁ、ブラックベリーを……。お酒やタバコを飲まれる方ならお好きかと。」
一人目のは僕は好きじゃない。次は?見るからにイチゴっぽい。匂いもイチゴ……味は……うーん。ただ甘いだけかなぁ。シロップとしては有りかもね。三人目、四人目も五人目も従来品とあまり違いがない。そして六人目、……気に入った!爽やか白ブドウの酸味と柑橘系の甘味のコントラストが良い!
「これ、僕は好きですね。」
僕が言うと持ち主は喜びを隠しきれずにいる。どうしてこんなに喜んでる?
それから八人目の人のも気に入った。柑橘系のスッキリとした甘味となによりレモンの香りが良い。……ちょっとアーノルドのイメージと重なって嬉しい。
「気に入った物があったようですな。」というデジレ様の声に瓶を手にしたニコニコ笑顔の人が二人残った。特に気に入ったとか違うとか言わなかったのにちゃんと六人目と八人目が残るのがすごいよね。
……うーん、そーだなぁ日持ちとかもあるだろうからそんなに頼めないけど、南の島に行く途中にも飲みたいし帰るときもほしいし……爺~爺~どこ?ああそこ行く侍女さん、うちの爺に言っといてくれます?「これ欲しい」で通用しますから。
侍女さんについて去っていく二人の持っていたジュースの瓶はちゃっかり僕の手元に。アルコール飲めないから貰えて良かったよ。こういうパーティーって子供もどうぞといってもお子様メニューなんて用意はされない。僕の開くパーティーが特別なんだってわかってはいるけど……不便だよね。
テーブルの上に飲み物、食べ物と揃ったところでデジレ様がちょっと合図を送る。すると僕から子供達がいる場所が見える部分を残してササッと目隠しがされた。
「ノエル様にはお話をしておかなければなりません。」
……面倒な話でしたら嫌です。と言いたいけど、それは許してもらえなさそうだ。
「その様に硬くなられる事ではない。ノエル殿にフールフーガの城にいるΩの者の話を聞いてやってほしいのだ。」
「年は25、男Ωなのだが少々……幼く……年齢通りには見えない。そう……トータをより幼くした感じか。」
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