Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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出港までの用意が大事

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 南の島を出る日の朝、僕はとある大切な事のために早く起きた。朝の支度を済ませ爺宛に手紙を書く『子供達の部屋にいるよ』と。
 子供達の部屋、一番手前の大きな部屋にはエンジュがベビーベッドで寝ている。僕が入った音で起きたナニーに寝ていて良いと合図してその奥の右ドアを開ける。

……よし、まだ寝ている。グッスリ寝てるね。
寝てる顔はまだ子供っぽくて可愛い。
 お布団を剥いでアンリの腰に特製の縄をくくりつけて……もう片方の端を僕の腰に繋いで…完成~!
 まだ起こす時間じゃないから、もう一眠り。ちょっと横に入れてねアンリ。


 ……………スピスピスピスピ。

「……え?………何??
どういう事??……え?…母上?」

 なにやら暑くて目を覚ますと自分にくっついて寝ている者がいるらしいとわかる。夜に怖い夢を見たリリーが来ることがあるためリリーかと思う。いつもなら目を覚ましてベッドに送りリリーが寝付くまで傍にいてやるのだが気づいてやれなかったために横で寝てしまったのかと思った。

(兄妹とはいえ別性なのだから今回だけだと言い聞かせないと)
そう思いながらも頭を撫でようと見れば髪色が違う。一瞬、見間違いかと思ったがそんなはずもなくよく見ればリリーよりも体も大きい。なんだどうしたと軽くパニックになりつつよく見ればそれはいるはずがない自分の母親、ノエルだった為余計にパニックになった。

「!母上!ちょっと!起きて下さい!
爺ー!!爺ー!!どういう事!?コレ、なんなんです?!
ちょっと母上、暑いから抱きつかないで下さい!
離れて~!!………爺ー!」

「うるさい、アンリ静かに。」

「『静かに』じゃないですよ。いったい何事ですか?!どうしてここに居るの?!」

 アンリの大声にリリーも起き、爺が翔んできた。

「ノエル様、お子様のお部屋に行くとありましたがどうなさったのです。」

 起こしに行けばノエルの姿はなく、メモに行き先があったものの何故?と思ってる矢先にアンリの声を聞きつけ急いで来た爺は、騒ぎの原因であろうアンリの腰に抱きついているノエルを引き剥がした。

 引き剥がしてみればノエルとアンリを繋ぐ縄が嫌でも目にはいる。アンリと爺はその縄を見てどういう事なのかを一瞬で悟った。

「……母上、強行手段に出られましたね。」

「ノエル様……。」

 2人の大きなため息の後、二度寝から三度寝に入ろうとしているノエルを放って縄を解きにかかった。

「……なんだ?解けない。」

「錠前がついております。鍵はノエル様が隠されてるでしょうから……。」

「……縄を切ろう。」

「いえ……アンリ様、これは細い金属の紐を縒ったものでして普通の刃物では切れません。どこから持ち出したんだか。ああもぅ。」

 あーでもないこーでもないとアンリと爺が苦戦しているのをボーッとしながらノエルは見て笑った。

「アンリの考えなんかお見通し、どうせ途中で乗り移れば良いなんて思ってたんでしょ。」

 うっそり微笑むノエルにアンリは完全に白旗をかがげた。

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