Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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母様の社交?のせいで。

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 さて、肝心のサミュエル様がラブラブモードになってしまった為、全ての予定がキャンセルとなり暇になった。空いた時間は子供達とすごそうと思ったらアンリは海洋学を教えてる方の所に行くといって振られた。リリーはいつものごとく母様に連れ回されているし、マイエンジェルことエンジュはアーノルドが溺愛中。なんでも自分のおやつを分けてくれたらしく、「離れていた期間が長いのにパパだとわかってるんだ!」と親バカを発揮中です。僕には言えないよ……分けてくれたんじゃなくて、もっと欲しくて手を出したらまだ残ってただけだなんて。

 まぁそんな訳で僕は色々と片付ける事にしますか。はい、それでは先ずサミュエル様の家の方と連絡をとって困ってる事(王族としての仕事)があるのかを訪ねる。引きこもりのサミュエル様なので無いとは思うけどもしあるなら母様から事情を話して貰おうと思う。
 あ、お帰り爺。どうだった?……ふんふん。
特に急ぎは無し。あったのは僕たちの接待だったと。なら問題ないね。当事者の僕たちがサミュエル様を籠らせたんだもの。え?城へ?



 突然のご招待?で急いで衣装を整えてフールフーガの城へと向かった。お迎えの馬車も用意されて来て事もだけど、使者としてシグルーン女公爵おばあ様が来ていたのにも驚いた。

 「突然でごめんなさいねぇ。あの子が彼方此方で貴方の事を話すものだからみんな面白がっちゃって。そうしたら陛下まで会いたいなんて言い出してねぇ?」

 困ったわよねぇ~、なんて呑気に笑ってるけど僕は本気で困ってるよ。

 「おばぁ……シグルーン公爵様、ではこれから向かうのはもしかして?」

 「あらあら、そうね2人だけの時はおばあ様って言っても大丈夫よ。嬉しいわねぇ。……ええと、そうね向かう場所は城の中でもプライベートスペースだから大丈夫よ。あの子も待ってるしセオ達も来ているでしょうから。」

 とウフフって笑ってるけどねぇ。はぁ……。

 「おばあ様、王様のことを教えて下さい。僕は表立った社交は母様とローランドに任せるつもりだったので対外的の事しか知りません。」

 そう言うとおばあ様は王様という顔を外した性格を教えてくれた。

 「実をいえばこの国の王としては優しすぎる人ねぇ。本来の性格はおっとり屋さんで面白い事が大好き。好奇心は旺盛だけど慎重なところもあるわ。基本的には“サミュエルがしっかりした大人になった”っていう感じかしら。」

 ガタンと馬車が止まった。外から扉が開いて階段が出された。ここはちゃんとエスコートをと立ち上がりかけた……ええと?この光景どっかで見た。
 さっさと降りてスタスタと歩いていってしまうその姿……母様と同じだよ!どーしてエスコートされようとしないの?!一応、Ωだけど男!成人してる!どーして誰もさっさと行くの!?
 またもや慌てて追いかける僕に漸く気づいたおばあ様は「あらあら、ついいつも道理にしちゃったわね。ごめんなさい。」と言ってくれたんだけど……おばあ様、その手。僕の背中に右手をあててるけど、これって端から見ると“不安げな子供を大丈夫と励ましてる”と移るんですけど?
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