Ωの僕がお偉いさん

お久しぶり

　爺はちゃんと僕の補佐を見繕って置いていった。アーノルドの幼なじみであるイサクとイザムだ。
　爺は疲れた双子を連れてやって来た。

　「2人とも疲れてるみたいだけど大丈夫？」

　「……いえ。大丈夫じゃないです。僕達は平民なんですよ？」
　
　どうやら双子はいきなり隣国の王族接待にかりだされると知って必死に逃れようとしたらしいがアーノルドの説得と爺の実力行使により納得掴まったようだ。

　ん～？そんなの気にしない方が良いよ？アーノルドが気にした事あった？第一今さらだよ。一応、僕だって王子なんだよ？

　「いやいやいやいや！そんな言い方されたら自分達が貴方に対して無礼みたいじゃないですか？！ノエル様に対してだってかなり気を付けてますから！」

　そんなに首がもげそうな程振らなくてもいいよ。わかったよ。でも本当にそんなに固くならないでほしいよ？余計に疲れちゃうから。
　それにしてもなんで爺はこの二人を連れてきた？

　「あ、爺やさんはアーノルドに…様に信用できる人間を何人かと言ったらしいです。勿論俺等の他は全員貴族ですけど。」

　ちょっと嬉しそうにどっちかが言った。……ゴメンどっちがどっちなのかわからない。何かで見分けつけられるようにして？
　
　「あー、すみません。じゃあイザムの方は指輪つけます。」

　なんてやり取りをして漸く肩の力を抜いてもらえた。

　「じゃあね、早速なんだけど」と僕が双子に求めた仕事とは、……2人の荷造り。
　だってこれから40日は一緒に行ってもらうからね。そして、これまたしょうがない事なんだけど、服装の改め。双子にとっては一張羅を普段着にしてもらう必要がある。そしてそれはほぼ毎日……ということは服が足りない。そして僕のはサイズが合わない……アーノルド～服ちょうだい～。



　勝手知ったるなんとやらで、アーノルドの部屋に突撃し侍従さんにアーノルドのお古を出してもらう。やっぱり沢山あるね～。アーノルドはここら辺が根っからの上級貴族で毎年、季節毎に服を新調するんだ。背格好はにてるから合わせられて助かった。
　……これも～、これも～……ん？これは僕のにして～あ、この服は番になる前に着てたヤツ！お宝発見！これも僕の！いけないいけない。主旨を忘れてた。

　1人に１０枚づつくらい選んで（僕のお宝で3枚は内緒。）部屋を出る。それぞれに着替えてチェックしてもらい大丈夫とわかると改めて別の人を呼び入れる。

　「ノエル様！さっきのアーノルドの服で充分だったのでは？！」

　「何を言ってるの？さっきのは普段着。今からのはパーティーとか用のだよ。ほらさっさと計ってもらって？早ければ4日後にあるんだから。グリフウッドで到着のパーティーあるかと思ったらそれは王都でやると言ってたから助かったよ。」

　衝立の向こう側でブツブツ言う2人にとりあえずパーティー用で4着は必要なんだからと伝える。
　僕が出る必要があるパーティーは、到着の歓迎（王家主宰）スサエナのパーティー（僕主宰）サミュエル希望のΩのパーティー（僕主）帰る時のお別れパーティー（王家主宰）グリフウッドから出港する前（アーノルド主宰）がある。Ωパーティーは2人は出られないから良いとして、他は僕の付き人として出て貰わないと。え？爺は帰って来てるだろうって？

　……それは言っちゃダメ。爺はこれを期に使える人を増やす気です。今までは一般の人っていうことで2人は公的の場に来た事ないけど、能力は抜群にあるんだから使わなきゃ損……ｺﾞﾎﾝ。……勿体ないじゃない？