Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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パーティーと遠足と……

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 あっちこっちで騒がしい。アレは何処だ?とかコレはどうする?だとか……でも主犯である僕には文句を言える権利はないだろう。ただでさえ年長組のパーティー用意で忙しいのに年少組の遠足も重ねてしまったのだから。でも本当によく考えてよ!当日はお互い自分の担当場所に専念できるよ!パーティーに潜り込もうとフェンスをよじ登る子も、お客さんの馬にエサを勝手にやる子も、人見知りで泣き出したあげくお漏らしする子もいないんだ。
 ……うん、お見合いの時の裏話ではこういう事もあったんだよ。

 「で、遠足組の方の引率にザサをはじめとする侍従さん達を付けると。」

 「そう。爺は僕の側からは離せないけど他の人ならなんとか。校長もあっちに行かせるし。」

 「まぁ、年少組は自分で用意もおもてなしもできますからねぇ。」

 ボソボソと僕と話しているのは言わずと知れたトータとサミュエル。当日の打ち合わせも最終段階に入って本番は目の前。なのに僕の方の侍従さんが当日はゴッソリと居なくなる理由を説明したんだ。

 「ところで年少組の遠足って何処に行くの?」

 僕はよくぞ聞いてくれましたと『ふっふっふ~』と笑って胸を張る。

 「牧場です!」

 そう。Ωの大人がいっぱいいる羊さん達を飼っている牧場に行かせるんだ。汽車に乗せて運んで、降りた先はもう牧場の目の前という最高の場所ですよ。行った先にはいっぱい大人もいるし、もうお知らせもしてあって向こうも面倒見てくれるって言ってるからお任せです!なんかあった時のために頭脳ブレインとしてαの校長と機転を効かせるのに慣れたザサをつけた!

 「ああ~牧場は良い考えですね。私も見せてもらいましたが良いところでした。」

 ……サミュエルは思い出したのかホノボノと言うけど、僕はマオが羊に乗ってロデオと言って遊んでいた思い出しかないんだけど。暴れ馬ならぬ暴れ羊ってけっこう怖かったよ?

 そうそう、牧場といえば……牛の牧場もあるんだけどそこの名物となるモノが出来上がった。ええ、想像に容易いでしょうとも。チーズですね。これの発表も年長組のパーティーでする事を2人に教えた。

 「良いですね、どんなチーズですか?」

 「味は普通のナチュラルチーズなんだよね。臭みも癖も特にないの。でもどんな料理にも会いやすいし匂いが苦手な人も食べやすいのが特徴かなぁ。」

 実は少量だけど今日持ってきている。何故ならサミュエル様にこのチーズを使った物もパーティーのお料理に加えてもらうためだ。今回の仕切りは一応サミュエルがしてるって事になってるんで。僕の影がばっちり見えてるかもだけどサミュエルのパーティーですから!

 そんな感じで今日の打合せをして「さぁ帰ろうか」となったとき、問題発生の知らせが届いた。

 「ノエル様、至急学校長が面会をと……。」

 ん?とは思ったけどそ何も思い当たる事はないのでホイホイと気軽に向かった。


 「どうしたんですか?その顔は……。」

 校長に会って一言目がコレだった。
だって、どう見てもイケメンのお顔にはくっきりとした手形が…。
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