Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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お話しましょ

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 本当は番になる生徒も一緒に呼んだ方がいいのだろうけど今回ばかりは僕がいつ爆発するかわからないのでトータに預けた。そして様子は伺えるものの声は聞こえないという絶妙な離れた場所で僕と皇太子は席についた。

 お茶を飲みつつ話す順番を考える。これはとっても大事なことで、順番を間違えれば招待状1つで大騒ぎを巻き起こしたこの皇太子は浮かれてどんな行動をとるか解ったもんじゃない。戦々恐々とはこういうことだろうか?

 「まず、女公爵様がこちらに移住というお知らせがあったのですが何かご存知でしょうか?」

 そう、まずはこういった皇太子や番とは関係無い内容の情報から聞き出す。案の定、皇太子は落ち着いた様子で考えている。

 「皇太子はシグルーン女公爵様のことは?」

 敢えて、とは聞かない。どう捉えてもらうこともできる問いかけだけど、皇太子なのだから当然例のヤヤコシイ親戚関係を知ってるはずだがどうなのかを知るための問いかけだったのだが
皇太子の方も僕が本当に知って言ってるのかカマかけしてなのか、偶然の問いなのかを見定めたいらしく「シグルーン女公爵様はその地位名通り公爵位に有りますが自由も許されますので。」という肩透かし答えが返ってきた。

 うーん、僕の方の感じでは皇太子は本当の血縁関係図を知らされているとみている。だってこの皇太子は王が外遊してる間の留守を任されたのだから、裏事情も把握してるということだろう。
 となれば、僕の方がもう少し情報を出しておくべきか?

 「シグルーン女公爵様には本当にお世話になりまた。とても良くしていただいて私事わたくしごとですが家の子供達ともに『お婆様』とお呼びさせていただいているくらいなんです。
 ですから、こちらに移住というご希望はとても嬉しい事なので詳しくお聞きしたいと。」

 「『お婆様』と?……………そうですか。
わかりました。ええ、そうですね……シグルーン女公爵様は殿下方をお気に召されたのでしょう。」

 ……はい、わかりました。つまり[我慢してたけど、なんとかなりそうだから会いに行こう!でも距離的に度々行くのは無理だから移住ということにしちゃいましょう!]って感じかな?と読みとく。
 問題なさそうと判断されて向こうの王様も許可したんだからまぁ良いんでしょう。じゃ、次。

 「では次の質問なのですが、貴方の番になる生徒の親族の事は何処まで聞かされていますか?」

 皇太子が答えたのは学校の正式な書類に書かれている内容だった。来たのは4才の時で母親が連れてきた。父親はΩの子を毛嫌いしていたため守る為だった。その後、母親は遠くに移住し絶縁状態で父親は噂でここの事を聞いたらしく問い合わせがあったが不明で通している。
 ……うん、特に訂正場所は無さそうだ。

 「では、今後のこちらの対応をお知らせします。今後も此方から父親、母親共に敢えて連絡をとったり情報を渡すことはしません。これは入学時に母親と決めた事です。問い合わせがあった場合はこれまで通り、該当者不明で通す予定です。」
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