Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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またもや出港済みらしい

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 皇太子から聞き出した結納の品々は軍艦仕様になってる2艦、運用人、宝石類、香辛料という金額に換算すると僕の暮らしが10年は出来るものだった。
 僕の暮らしって王族の地位の人がって事だよ?王族の暮らしを10年支えられるってあり得ないからね?ため息をつく僕の向かいにはもうすぐ堂々と婚約者と名乗れる事に嬉しさを隠せない皇太子がいい笑顔でいる。

 「爺……直ぐに父様に」

 「すでに影を飛ばせました。ノエル様……」

 うん。解ってるねぇ。流石にこれの受け取りは代理人ではすませられないから行かなきゃねぇ。品物が品物だけに父様の方からも人を派遣してもらって~

 「何を呑気な事言ってるんですかノエル様。王妃様はこれ幸いとばかりにいらっしゃるでしょうね。」

 爺の突っ込みに僕は頭を抱えた。……そうだね。おそらく僕や子供達に会いに来る絶好のチャンスとばかりに来るよねぇ。ああ、でもちょうどいいからお婆様の到着までいてもらってお出迎えもしてもらおうか。
 おや?そうだよ!母様に丸投げすれば良いじゃん!ねぇ?爺そうだよねぇそうしよう~。

 「本当によろしいのですか?」

 良いに決まってるじゃない!僕は軍艦も宝石類も要らないから母様経由で国庫にポイっとしてもらっていいよ!決まり決まりそうしよう!

 「……では、そういうことでしたら王都に知らせを。」

 うん。爺が念を推したのも解るよ?王妃滞在ともなれば大変だろうけど……まぁいつもの事だし頑張ってね。
 おっと、皇太子に一番大事な事言うの忘れてた。

 「皇太子、皇太子……。」

 ちょっと!そんな所でイチャイチャしてないでくださいな。大事なお話もう1個あったから戻って来て。ああもう、生徒も連れてきて良いから微妙に嫌そうだけど笑顔なんて王族ならではの顔出さなくて大丈夫です。

 「……ノエル先生、殿下は嫌そうな笑顔なんてされてませんよ?」

 ええ、上品な穏やかな笑顔に見えてるんでしょう?でもね、目の奥が『邪魔されたくない』って訴えてるんだ。キミもそのうち解るよ。

 「では、どんなお話でしょうか?」

 皇太子の言い訳も謝罪も無しの『早く本題を!』という気配に僕も色々と気を効かせるのが面倒になって「皇太子の帰国時はこの子も連れて帰って良いですよ。」とポロっと言った。



 『鐘を鳴らせ!!!祝砲の用意だ!!!』

 ハァーハッハッハッハ!!!と笑いながらも何処からそんな声出してるんだ!というような何時もと違う迫力満点の大声だった。

 皇太子の言葉にフールフーガから来ていた人達は一体何事が?と皇太子の側近に聞いているがその側近達もまだ理由を知らないので僕に目で聞いてきた。何も解らず振り回されるも可哀想だし、ある程度のところで止めてほしいので側近にボソボソとかい摘まんで話をした。

 『めでたい!!』
 『おめでとうございます!!』
 『宴会を!』

 ……しまった。この側近達の番の予定の生徒はどうするんだ?!え…え…ちょ…ちょ……待って!
爺~戻って~!
 
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