600 / 708
お見送りは感動的に……
しおりを挟む
タァ~ラッラッラタタタタタァ~ラッラッラ~♪
なんだか賑やかな音楽が聞こえてきた。あれ?鼓笛隊がいる。何処か商店でもオープンするのかな?
「ノエル様、馬車はこの先行けませんね。」
爺がちょっと先を見て教えてくれる。うん、馬車の中からでも賑わいがわかるから相当な賑わいだよね。
「駅まで歩くよ。」
「ええ、申し訳ありませんがお願いします。」
何も意識せずの会話だったけど、数歩を歩き出して気付いた。
「爺、こんなお祭り騒ぎになるほどなら僕の許可が必要だったんじゃない?どこの店がオープンしたの?ちょっと店主に注意が必要だよね。」
出店こそ無いが鼓笛隊が音楽を演奏してるため人が集まっている。駅までが大変だ……ん?駅に人がいるのか?ああ、僕と同じ様に友達を見送りに来た生徒もいるだろうからね。
♪タッタカタァ~タッタカタァ~トコトコトントコトコトン♪
お、曲変わった。
「あ、ノエルー!!」と何処からともなくこういう所に必ずいるマオが来た。
手にはリンゴ飴を握ってる。出店…あるのね。
「いや~こんな楽しみあったなんてなんで教えてくれないんだよ~。危うく見逃すとこだった。」
ニカッとマオは笑うけど、僕もこんなの知らなかったんだよ。で、どんな店がオープンしたの?
「へっ?……どこも?」
「……?どこも?」
ん?なんだ、どういうことだ?店のオープンじゃないのか。じゃあこの派手な鼓笛隊音楽はどういうことだろう。
そんな時だった。駅から生徒が1人「ノエル先生~」と叫びながらやって来た。
……え、ちょっと待って!!その赤いジャケットに白いキュロット、手に笛……。
「ノエル様、大変申し上げにくいのですが…」
爺、言わないで!
「あの音楽の…」
わかった!わかったから!言わないで!
「ノエルんところの生徒、こんなのまで上手なんだな~。」
ギャァ!やっぱり!……やっぱり。
うちの生徒でした。いつの間にそんなお揃いの制服誂えたの?…え、前からあった?発表して無かっただけでもう何年も活動してる?正式に結成したのはエンジュの誕生祭?そんな前から……。
人混みを抜けてプラットホームまでたどり着くと、僕が本来思い描いていたお見送りの風景がやっと出てきた。
煙を出して待機する機関車、荷物を運び込む荷運び人とそれを指示する人。駅員は汽車の傍で待機し何人かの固まりが所々に。中心にいるのは言わずと知れた卒業した生徒だ。
半分泣きながら、でも笑って話す生徒達を見ていると僕もまたホロリと来る。そんな時、音楽がまたタ~タ~タタタ~タタタ~♪と鳴ったんだけど今度のはスローテンポで別れの曲っぽい。すると生徒達は囲みを解いて下がる。卒業した子が汽車の出入口へ集合した。そして
『ノエル先生~!今まで、ありがとうございました!』
って僕の方へ叫び頭を下げた。もう……涙がドバッと出て僕まで
「みんな、幸せになるんだよ!」
って叫んで手を振った。次々に番さんと合流して汽車に乗る元生徒達を涙いっぱいで見送った。
なんだか賑やかな音楽が聞こえてきた。あれ?鼓笛隊がいる。何処か商店でもオープンするのかな?
「ノエル様、馬車はこの先行けませんね。」
爺がちょっと先を見て教えてくれる。うん、馬車の中からでも賑わいがわかるから相当な賑わいだよね。
「駅まで歩くよ。」
「ええ、申し訳ありませんがお願いします。」
何も意識せずの会話だったけど、数歩を歩き出して気付いた。
「爺、こんなお祭り騒ぎになるほどなら僕の許可が必要だったんじゃない?どこの店がオープンしたの?ちょっと店主に注意が必要だよね。」
出店こそ無いが鼓笛隊が音楽を演奏してるため人が集まっている。駅までが大変だ……ん?駅に人がいるのか?ああ、僕と同じ様に友達を見送りに来た生徒もいるだろうからね。
♪タッタカタァ~タッタカタァ~トコトコトントコトコトン♪
お、曲変わった。
「あ、ノエルー!!」と何処からともなくこういう所に必ずいるマオが来た。
手にはリンゴ飴を握ってる。出店…あるのね。
「いや~こんな楽しみあったなんてなんで教えてくれないんだよ~。危うく見逃すとこだった。」
ニカッとマオは笑うけど、僕もこんなの知らなかったんだよ。で、どんな店がオープンしたの?
「へっ?……どこも?」
「……?どこも?」
ん?なんだ、どういうことだ?店のオープンじゃないのか。じゃあこの派手な鼓笛隊音楽はどういうことだろう。
そんな時だった。駅から生徒が1人「ノエル先生~」と叫びながらやって来た。
……え、ちょっと待って!!その赤いジャケットに白いキュロット、手に笛……。
「ノエル様、大変申し上げにくいのですが…」
爺、言わないで!
「あの音楽の…」
わかった!わかったから!言わないで!
「ノエルんところの生徒、こんなのまで上手なんだな~。」
ギャァ!やっぱり!……やっぱり。
うちの生徒でした。いつの間にそんなお揃いの制服誂えたの?…え、前からあった?発表して無かっただけでもう何年も活動してる?正式に結成したのはエンジュの誕生祭?そんな前から……。
人混みを抜けてプラットホームまでたどり着くと、僕が本来思い描いていたお見送りの風景がやっと出てきた。
煙を出して待機する機関車、荷物を運び込む荷運び人とそれを指示する人。駅員は汽車の傍で待機し何人かの固まりが所々に。中心にいるのは言わずと知れた卒業した生徒だ。
半分泣きながら、でも笑って話す生徒達を見ていると僕もまたホロリと来る。そんな時、音楽がまたタ~タ~タタタ~タタタ~♪と鳴ったんだけど今度のはスローテンポで別れの曲っぽい。すると生徒達は囲みを解いて下がる。卒業した子が汽車の出入口へ集合した。そして
『ノエル先生~!今まで、ありがとうございました!』
って僕の方へ叫び頭を下げた。もう……涙がドバッと出て僕まで
「みんな、幸せになるんだよ!」
って叫んで手を振った。次々に番さんと合流して汽車に乗る元生徒達を涙いっぱいで見送った。
43
あなたにおすすめの小説
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
番解除した僕等の末路【完結済・短編】
藍生らぱん
BL
都市伝説だと思っていた「運命の番」に出逢った。
番になって数日後、「番解除」された事を悟った。
「番解除」されたΩは、二度と他のαと番になることができない。
けれど余命宣告を受けていた僕にとっては都合が良かった。
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
愛を知らない少年たちの番物語。
あゆみん
BL
親から愛されることなく育った不憫な三兄弟が異世界で番に待ち焦がれた獣たちから愛を注がれ、一途な愛に戸惑いながらも幸せになる物語。
*触れ合いシーンは★マークをつけます。
どうせ全部、知ってるくせに。
楽川楽
BL
【腹黒美形×単純平凡】
親友と、飲み会の悪ふざけでキスをした。単なる罰ゲームだったのに、どうしてもあのキスが忘れられない…。
飲み会のノリでしたキスで、親友を意識し始めてしまった単純な受けが、まんまと腹黒攻めに捕まるお話。
※fujossyさんの属性コンテスト『ノンケ受け』部門にて優秀賞をいただいた作品です。
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる