Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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★リクエスト アーノルドとの対話

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 丘へ至る道の脇には草原が広がっており心地よい風が吹いてきていた。王都へ行くような道ほどではないがこの道も整備されているので歩きやすいのだが今日は馬に乗っているのでもっと楽だ。

 「こちら側の道も綺麗にしてるんだね?何処までこうしてるの?」

 僕を前に乗せているのでアーノルドの声は後ろ上から聞こえてくる。だからちょっと後ろを振り向き気味で答えるのでちょっと姿勢が辛い。そう思っていたらアーノルドが「ちょっとごめん」と僕の姿勢を代えようと言った。
 真正面を向いて跨がって乗っていたのだが、今は横に座ってアーノルドに抱えてもらう様にして乗る。

 「この先の丘は街の学校の遠足場所だっていうから整備したんだ。もう少し先には川の水を引き込んだ公園も作ってあって夏は小さい子でも水遊びできるんだ。」

 「そうか、スサエナに流れる川はみんな大きいし海も無いからそうやって作る必要があるのか。」

 グリフウッドは港もあるけど砂浜で遠浅になった海岸もあるもんね。休憩に適した所に着くまでこういうたわいもない会話が続いた。うん、話すときは横座りの方が話しやすいね。

 
 丘に点在する東屋あずまやのうちの1つを陣取って買ってきた食べ物を広げる。僕の知らない物が幾つかあってアーノルドの素早さにびっくりしたけどどれも好きな物ばかりで嬉しかった。

 「あ!お好み焼きある!」

 ソースのいい匂いがするな~とは思ってたんだけどいもフライを買っていたのでそのソースだと思っていた。

 「うん、ノエルはシーフード好きでしょ?こっちとほら貝の串焼きもあるよ」

 どれも食べたいと思う僕をわかってるアーノルドは少しづつを分けて皿に乗せてくれる。
 爽やかな風が吹くなかでののんびりとした食事は最高に美味しかった。
 
 食事が終わるとベンチに座ってまったりタイムだ。移動で疲れてるであろうアーノルドをベンチに横にさせて膝枕をしてあげる。
 アーノルドがリリーの事を気にしていたので昨日の手紙の内容を伝える。

 「リリーは今、マナーレッスンに嵌まってるらしいよ。教えていたつもりだったけどやっぱり女性のマナーはもっと細かいみたいで母様と練習してるって。」

 「……やっぱり、女の子はまた別なのかな。まぁリリーが嫌がっていないのなら好きにさせよう。」

 とかいってるけど、アーノルドは実は一番リリーを可愛がっている。なんたってリリーに呼び掛ける時は『私のお姫様』だもんね。

 「最近のアンリはとても落ち着いてるよ。そうしようと努力もしていたようだけど、シモンがグリフウッドに行っちゃってからは自分がしっかりしないとって思ったみたい。」
 
 グリフウッドに行ったシモンから最初の手紙が来たときのお返事にアンリは“兄上がいるという甘えがあったようです。”って書いてあった。

 「……アンリは本当は一番思慮深い子なのかもしれないな。」

 「そうだね」なんて会話の後、アーノルドはやっぱり疲れていたのか少し眠ってしまった。
 ……髪の毛を手で梳気ながら『なーんか幸せだなぁ』と思いつつ僕もちょっとうたた寝。

 気付いたら日が傾いてて2人して慌てて帰った。
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