Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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誓い……

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 壇上に上がる前に体制を変える。僕とトータがサミュの腕を肩に担ぎ、サミュの頭を僕らの顔の横に出させるようにするのだけど、この体制はより一層僕らに体重がかかる。
 それに足を支えていた台車も無くなる為もっと負担が来るのだ。

 ザサが布越しに足を持つのだが“出来る限り美しく”しなければという何処かの司祭の言葉で『もうこんな状態なんだから今更』と思う気持ちをおもいっきり押し込めて必死に衣装の一部と同化しようとしているザサも大変だ。

 「……」

 ボソボソとトータが呟く。どうやらトータの向こう側からサミュを支えるカドラさんに言ってるようだ。よく聞くと「マントの下から腕通して!」と言っている。
 僕と違ってトータはトータを支える人がいないのでカドラさんにもう無理、支えるの代わってと伝えているのだ。僕の方はもう既にサミュを支える僕ごとアーノルドが支えてる状態だ。

 もうこんなのどこも美しくない!とか思いながら漸くローランドの側まで行くと、凄く早口で司祭さんが進行を始めた。どうやら限界が見えてるらしい。

 「今日のこの善き日に~」とかを全部すっ飛ばして「なんじ等が互いを尊び支え合い、たゆまぬ努力と協力を誓いますね。」という宣誓が司祭さんが言って頷くだけという打ち合わせを全く無視した儀式になったが、形だけでも儀式は行われた。

 『認めます』という司祭さんの言葉が終わると司祭さんはサッと避けて下から陛下が駆けつけてくれた。そして人前で抱える事が出来ないカドラさんに代わり陛下がサミュを抱えあげてく退出してくれた。
 ええ、僕はアーノルドが抱えてくれてるけどトータは……あ、ザサにおんぶされた。


 案の定、御披露目の会場ではサミュが倒れて僕やトータを巻き込んでの儀式だったという噂がもう囁かれていた。こっそり聞いてる限り倒れただからといって特にマイナスの会話は無さそうだ。まぁそれはそうだろう。サミュがフールフーガの王弟には間違いないし、倒れたサミュを抱えて運ぶくらいには兄弟間の仲が良いと証明された訳だから国にとっての損は何もない。
 
 「サミュエル様のお目見えはあるかしら?」

 おっとりしたご婦人の声が聞こえる。ご婦人方同士の会話で今日の式の衣装がシンプルで美しく目新しいということでそれが見たいらしい。
 どうだろう?あのあと本来のカップルで儀式を秘密でしたときはサミュはなんとかなってたけどあれは本当に身近の人間と司祭さん1人だったからだと思う。まぁ来ても直ぐ倒れて退室だろうね。
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