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ウサギの散歩はウサンポというらしい
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城では僕のためにウサギが飼われている。え?グリフウッドでも飼われてるだろうって?いやそうなんだけど城では室内飼いなんだよ。王子宮の一画でちゃんと飼育員が3人いて広い庭付きのところで10羽いる。常に10羽なのは産まれたら引き取られて行くからだ。
そんなウサギの部屋にサミュを誘った。
起きたサミュは僕の部屋で僕のベッドに居たことで驚いていたけど心の重石になっていた成婚式が終わった事で気力が戻って来たのか顔色は良くなっていた。とはいえ随分と痩せてしまっているし、この先7日は城に滞在しなければいけないのでちょっと心配だ。
一応、正妃となった事でサミュ用の部屋やら紋章やらと用意があるかね。それらを作って一応数日は皇太子妃の椅子に座ってもらわねばならない。しかも僕は一足先に帰ってしまう。だからそんなサミュの息抜きになるようにとウサギの部屋を紹介したんだ。
「本日のウサンポコースは3番となっております」
ウサギさんは天敵が多い。なんなら僕がよく使う伝書隼も敵だ。だからそんな敵に目をつけられないようにウサンポには気を遣う。このウサンポのコースもその1つで昨日と同じ道とは別になっている。
「それにしてもパラソルまで必要なの?」
サミュは不思議そうに日傘を持っていた。グリフウッドは日傘を使う習慣はないしこの国でもあまり使わない。
「ウサギさんは臆病だからねぇ。隠れる場所があると安心するの。」
今日の子はなかなか豪胆な子でヒョイヒョイ歩いてくれるけどお外に出られない子、もっと大きな隠れ場所が必要な子もいる。因みに母様が時々その大きな隠れ場所が必要な子をウサンポさせるらしい。大きな隠れ場所とはドレスなんだよ。怖くなったウサギさんがドレスの裾から潜り込んできて自分の足元にピッタリくっついて安心する様はなんとも可愛いらしい。
「今日の子は何て言うお名前?」
「この子はポンちゃん。あっちの灰色の子はグーちゃん。」
「ポンちゃんはさっきから全然怖がらないねぇ。ピョンピョンよく飛ぶ~」
ウサンポが気に入ったらしいサミュはたぶんこれから毎日来るだろう。もしかしたらスサエナでも同じ様に飼いたいというかもしれない。
何はともあれ、息抜き場所が見つかって良かったよ。
お部屋に戻りウサギさんを帰すと明日から僕は先に帰る事、トータ、マオ、カドラさん、は残る事を改めて話してサミュのやる事を確認した。
「明日、正妃としての初仕事はあるけどトータが横で補佐するしサミュは最初の『よしなに』っていうセリフだけだからね。椅子の場所も母様の後ろだから殆んど影になってるから。」
そしてじつはそのサミュの椅子の後ろにカドラさんが隠れるんだけど。
「うん、婚礼後の王家お披露目でしょ?でも本当にノエル居ないつもり?」
「うん。ここら辺で僕の王位継承は無いってハッキリ思い出してもらうんだ。」
王夫妻と皇太子夫妻で謁見の間で行うお決まりのお披露目だから頑張ってもらいたい。
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「この子はポンちゃん。あっちの灰色の子はグーちゃん。」
「ポンちゃんはさっきから全然怖がらないねぇ。ピョンピョンよく飛ぶ~」
ウサンポが気に入ったらしいサミュはたぶんこれから毎日来るだろう。もしかしたらスサエナでも同じ様に飼いたいというかもしれない。
何はともあれ、息抜き場所が見つかって良かったよ。
お部屋に戻りウサギさんを帰すと明日から僕は先に帰る事、トータ、マオ、カドラさん、は残る事を改めて話してサミュのやる事を確認した。
「明日、正妃としての初仕事はあるけどトータが横で補佐するしサミュは最初の『よしなに』っていうセリフだけだからね。椅子の場所も母様の後ろだから殆んど影になってるから。」
そしてじつはそのサミュの椅子の後ろにカドラさんが隠れるんだけど。
「うん、婚礼後の王家お披露目でしょ?でも本当にノエル居ないつもり?」
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