Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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合流

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 ●ローランド視点です。



 シグルーン女公爵もといお祖母様と合流ができた。途中からいきなり爺が現れたと思ったら馬の乗り換えを言われ自分の愛馬を影の者に渡した。長旅でも疲れをみせないタフな馬なのだが爺に渡された馬は……なんというか、別次元の馬だった。後から聞いたところ影の者が早馬で使う特殊な馬らしい。乗馬は好きだがもうアレには乗りたくない。情けない話だが私は到着した記憶が無いのだ。

 目を覚ますと爺がお祖母様と話をしていた。

「気付きましたかローランド。」

 起き上がった私にお祖母様が水を渡して下さった。爺が私の脈を図り頷くとお祖母様が話せますねとテーブルヘつくように促した。
 お祖母様に聞いたところ私は合流場所になった宿屋でヘロヘロになり床に座り込んでいたらしい。

 「先程爺にも話しましたが今日の夕方、例の場所に案内されます。ツイーという町なのでもうそろ出発します。本当は別行動の予定でしたが、貴方がその様子なので貴方も私の馬車にいてもらいます。」

 お祖母様は爺と決めた打ち合わせを私に話した。そして爺が変装用の衣装を渡してきたので不安に思いながらも着替えた。
 これはフットマンの制服だろうか?お祖母様の趣味とは反対のキラキラと麗しいばかりで動きにくそうな服だ。普通のフットマンの制服は主人のエスコートや雑用もあるのでこんな袖口にヒラヒラゴテゴテとした装飾は無いのだがこれはいわゆる見た目重視の方のツバメ的な役割のフットマンに見せたいらしい。

 「貴方が眠っている間に爺と打ち合わせをしました。貴方には爺が付きますから言う通りに動きなさい。私は侯爵夫人に紹介をしてもらい案内される部屋へ向かいます。そして本人からなんとしてでも証言を引き出します。」

 「もう証拠は粗方揃っているというのにですか?それよりも先に犯人を捉え詮議したほうが速いのでは?」

 今回の場合、人身売買のような極悪犯罪もあるがもっと重罪になる国家反逆の可能性もあるのだ。だから速さ重視で動くものだと思っていた。

「ローランド、貴方が言う方法も時には必要ですがそれはもっと時間がない時にとる方法です。それは反感をかいやすく冤罪のもとにもなりかねません。今回は逃がす恐れもなく証拠も揃っていて余裕がありますから一つづつキッチリと抑えていきましょう。」

 そう嗜められた後で出発までの時間、爺に冤罪の怖ろしさと自分の立場をキッチリ詰め込まれた。……なんというか、一番恐ろしいと思えたのは冤罪をかけられ解かれた後の生活の厳しさよりも爺達…いや違う、闇の者の行う詮議という取り調べだと思った。
 さり気に爺、暗部って言ったよ?爺、なんとなくだけど兄上と私への言葉が違わない?ちょいちょい怖い言葉出てるよね?
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