Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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これが捕物か!違う。

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 兄上からの指示道理、私の横にはお祖母様と爺が立っている。捕物帖でいうご隠居様の位置に私はいるのだが実はビクビクしている。なぜなら眼の前には阿鼻叫喚という言葉はこれを指すのだろうという後景が広がっているからだ。

 『ギャーーーー!!助けてーー!』
 『お゙がーざーん!!』
 『ぐるな!!ぐるな!ぐるな!』

 叫んでるのは孤児院から連れて来られていたという子供と拐われて来ていた子供。

 お祖母様が指定された館に向かっている時に影の者から至急の知らせがあり急遽予定変更で侯爵夫妻は身柄を取り押さえられた。それは侯爵夫人の手の者が近隣の村の人間を拐ったと知らせがあったのだ。影の者は情報収集でその村にいたのだが偶然目撃したため助け出したところ、捕まえた者が資料に載っていた人間だとわかり急遽取り調べ解った事だ。
 しかし既に拐われた子供や娘、Ωの者が何人もいたらしく助けに行ったのだが……何故かこうなった。

 「原因は私…なのでしょうね。」

 私の横でいつになくシュンとしょぼくれているお祖母様が気の毒で励ますが、確かにその通りすぎてどうしようもない。

 助けに向かった私達は古い貴族の別荘だったという館に着いた。そして影の……いや、あれは爺のいう暗部のほうか? が何処からともなく現れ突入。侯爵夫人の手の者を取り押さえていった。そして拐われた子供がいるという部屋を開けたのは女性の方が怯えさせないで良いだろうと考え、お祖母様が開けたのだが……お祖母様を見た子供達がパニックに陥って泣き出し、少し大きい子が逃げ出す、殴りかかる等 この状況だ。


 しょぼくれて座ってしまったお祖母様に向かってきた子を爺があっさりと捕まえたので私からその子に話しかけた。見た感じこの子がこの中でリーダーになってるようだ。

 「落ち着いて。私達は助けに来たんだよ。」
 「ウソだ!」
 「嘘なんかじゃないよ?」
 「お前ら貴族だろ!」
 「うん、貴族だけど悪い貴族じゃないよ?」
 「ウソだ!貴族はみんな悪いヤツだ!」

 ……どうしよう?と爺を見ると『頑張りなさい』とだけ言ってきた。

 「今だってオレを抑えてるじゃないか!」
 「だってキミが殴りかかって来たじゃないか?」
 「……」
 「私達はキミ達に誰も手を出していないよ?」

 そう、手が出せない暗部の人達は殴りかかって来る子を受け流したりわざと叩かれたりしているのでちょっと大変そうだ。

 「じゃぁ、話を聞いてくれる?」
 「…ウソだったら殴るぞ!」

 うんうん。と頷いて爺に手を離してもらう。
リーダーの子が話す姿勢になったせいか周りもだいぶ落ち着いてきてやっと聞いてもらえるようになった。
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