Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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凛々しいぞ!

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 いよいよローランドがイエイガー老に呼ばれた。
ローランドは父様から権限が与えられたことをイエイガー老によって初めて知った…という体でいく。

 「承知しました。……では、王の意思により皇太子である私がこの者等に言い渡しましょう。」

 イエイガー老の隣に並び堂々としたローランドはとても凛々しかった。……休憩所で泣きついてきた人間と同一人物とは思えないほどだ。
 一応休憩所では父様の意見もちゃんと聞いた。
前例に基き…と言いたいところだが、実はうちの国…反乱の前例がほぼ無い。
 今回もお粗末なものだったけど、前例を探した結果、建国から4代目の時、王の再従兄弟はとこが何を思ったか、『自分が王位継承に相応しい』と兵を集めたものの集まりきらず捕まったという非常にお粗末なものだった。血の濃さを理由にしたらしいけど、再従兄弟だよ?
 再従兄弟ってつまり僕で言えば、お母様の兄弟の子供の子供。どんだけ離れてるのって感じだ。

 まぁそんな様な前例を2つ3つ見つけても当てはまらないので参考に……程度で話し合った。なんで当てはまらないかというと前例は王位を狙ったもので今回はローランドを操ろうとしただけで王位は狙って無いからだ。

 「王より全権を承った為、私が際を下します。」

 落ち着き払い威厳をみせたローランドは立派だった。

 「爵位剥奪、領地は全て没収し一度直轄地へ。財産は全て被害者へ分配。……管理者は先程夫人が身につけていた装飾品も忘れず没収してください。……元侯爵、まだ上着を差し出さないで良いです。」

 キリッと締まっていた場は元侯爵の行動で緩んでしまったが崩れるほどでは無かった。あの元侯爵ってたぶん空気詠めない系の粗忽者だよ。

 「被害者の数については未だ調査中だが既に保護されている者、帰された者には直ぐに保証を始める様に。」

 さて、ここからが僕とローランドのやり取りになる。頑張らないと!

 「兄上、先程の件ですがイエイガー老の仰る通り侯爵位にあった者の影響は計り知れません。どの様にお考えでしょうか。」

 問いかけられた事に応じる為僕も前に出る。……ちょっと、ローランド!皇太子が段差があるからってエスコートしに来なくっていいよ!
 目配せも時遅し。スルスル~と出てきて段差を優雅にエスコートし僕を着席までさせて戻る。あぁ周りの貴族からの視線が……。一部の御婦人の熱い眼差しは絶対『Ωを愛でる会』の人達に違いない。

 僕はと前置きを強調して考えを話した。
「私は一時いっときの一般人時代の経験、Ωとしての経験から続く保証が必要と考えます。被害者はこの先ずっと生きるのです。世間が忘れても被害者は忘れられません。どうかそれの考慮を。」

 さっき打ち合わせはしてあるのでここでは簡潔に言ったけど裏ではゴチャゴチャ言ってたんだよ。
 聞いてもらえるといいなぁ~。
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