Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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花祭りのフィナーレ

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 母を間に挟むと思いの外話ができた。アーノルドは周りにΩがいない環境らしくΩの事を知らないようだ。
 母からαから見たΩの事を聞いて頷いていた。


 そして花火が上がる音がすると、行って来なさいとアーノルドと僕の手を繋がせて通りに追い出した。

「ちょっと母様!!」

叫ぶ僕を見下ろしたアーノルドが、やっぱり嫌か?と聞いて来たのがちょっと意外で思わず「違う、準備…」とだけ言って出口においてあった布とウサギ付きのシルクハットを繋いで無い方の手で指差した。

 αとΩのカップルでダンスをするとどうしても同性同士がでてくる。女性の場合は別に構わないのだが、男性同士はどうしても華が無いと言われがちなので女性パートを踊るΩは少し華やかにドレスアップするという暗黙の了解があるのだ。

 アーノルドが手を離してくれたので急いで支度をすませる。シルクハットをピンで留めてウサギを確認。ミニブーケもついでに載せて留める。
 ジレの襟裏のボタンにオーガンジーの様な透け素材の布を留めて端っこにあるリングを手の小指に通すと羽の様になる。

 用意が終わって戻るとアーノルドは母様によって左胸にミニブーケを飾られて困っていた。
 面白いからそのままにしよう。

 
 改めて広場へ行くともう人でいっぱいだった。
正直、僕の身長では周りが見えない。でもせっかくだから楽しみたいよね?どんどん突き進んでなんとか中心にこれた。

「おいノエル!さっきから言ってるだろう!」

?何がでしょうか?

「聞こえてなかったのか?危ないから1人で行くなと言ってるんだ。行きたい場所が在るなら連れて行くから…。」

「え?本当?ありがと-。じゃあレナードさんの所へお願い。」

 大きな溜め息をわざとらしく付くのが気に障ったけどこの人の波は自分では大変なので抑えておく。
 ひょいと抱えられたかと思うとスルスルっと移動し始めたのでまた抑えたが文句はいっぱいだ。
 主に抱えられ方に対してだけど。

 感謝したり不満が出たり忙しいな。


「レナードというとあのゴーゴン商会の店だな。おま…ノエルの店の持ち主の。」

「そう。…やっぱり色々と調べてるね?」

「…もしかしてこういうのもダメなのか?」

「ダメって…予想はつくよ。僕だって貴族社会を全く知らない訳じゃ無い。」

 なんか変な感じだな…気に障るけど、一応アーノルドも気を使ってるのがほんのちょっとだけど解るから拒否じゃなくなってきてる?

 着いたぞ、と大きな鳥の飾り付けの前に降ろされる。花祭りの為だけに作られた飾りは羽が花模様でとても派手だ。
 その鳥に目を奪われてギョッとしてるとアーノルドが横で何やら笑ってる。

「そんな格好で睨んでも怖くないぞ。鳥に吃驚していたくせに。鳥の方がノエルより大きいな…。」

「僕はまだ子供なの!成長途中なの!」

 レナードさーん。いぢめられたー。お店の中に入って言いつける。僕の格好が可愛いとお客さんから聞いていたようで一通り誉めてから一緒に店の外にいるアーノルドのとこに出てきた。

「ああ、貴方か。ちゃんとノエル君に会いに行けたようで良かったが…。この子はしっかりしてるがまだ子供だ。虐めちゃいかんよ。」

 最近解ったんだけどレナードさんはとても子供好きで面倒見が良い。話もしてみると面白い物が多くて楽しいのだ。呼び方もノエル君になり街に馴染んだ感じがする。

「ほら、大丈夫だノエル君。このお人は貴族だが話して解らない人じゃない。キミのことを店に聞きに来た時も…。」

 ゴホンッ 

「さぁ~踊りに行っておいで。」

あ、都合悪いんだ。フーン…。

「なんだ…。その目は…。……貴族社会が解ると言っただろう。」

「「解る」のと「気にしない」は同じ意味じゃありません。気にはします。だから何を聞き出したんですか?」

 踊ったら教えると言うので手を取った。

 城で踊るのは父とマナーの教師だけでダンスパーティなどは未成年という理由で参加しなかった。
 家族だけのパーティではずっと父と踊っていた。父だってダンスが下手な訳じゃ無いのに、アーノルドのリードはとても上手で踊りやすかった。
























 
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