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しおりを挟むレピアが考えている間、皇太子は頷いてくれる事を願っていた。
「今の私にはノルディへの愛を誓う事はできないので結婚式は無理です。」
レピアがキッパリとそう言った。
レピアの答えを予測はしていただろうが、もしかしたらという思いが皇太子の中にあった。
だからこそ、ノルディに秘密でレピアのところまで来たのだから。
その言葉に皇太子は「そうですか…」と小さく言うだけでそれ以上何も言えなかった。
「今の私には…なのですか?」
皇太子妃が聞いた。
「これからも…かもしれません。ノルディの想いに応えられないのだから。」
皇太子も皇太子妃もノルディの想いの強さを知ってる。
レピアの一言は間違いなくノルディを一撃を与えるだろう。
「ノルディは私のためなら迷わず命を捨てます。もう私の為にだれも死んでほしくない。」
レピアを救う為、ノルディが迷わず血の力を使おうとした事をレピアはわかっていた。
遠のく意識の中でノルディとウースのやりとりが聞こえていた。
「ノルディ様に生きていて欲しいのですか?」
皇太子妃はもう一度質問した。
「そうですね。私の為に尽くしてくれている事、彼の犠牲の上で今の私がいる事もわかっています。だからこそ、いつか彼にも幸せになってもらいたいと思っています。」
レピアは自分の思いを口にした。
ノルディがどんなに自分を大切にしてくれているのかレピアにだってわかっている。
だからこそ、応えきれない自分が辛い。
「聖女様って自分勝手ですわね。」
皇太子妃の一言にレピアは目を大きく見開いた。
「アリア!聖女様になんて事を言うんだ!」
皇太子は皇太子妃アリアの言葉を慌てて止めた。
「私が自分勝手ですか?」
レピアはアリアに聞き返した。
「そうですわ。そんなあなたに付き合わされて、ノルディ様がかわいそうです。」
皇太子妃は聖女への無礼など全く気にしていないように言う。
「アリア!」
「ノルディがかわいそう?」
レピアはアリアのいう意味がわからなかった。
アリアは頷いてから皇太子が遮るのを無視して言葉を続けた。
「ノルディ様の妃になったのは何故ですしょう?ノルディ様にいつか幸せになって欲しい?あなたが幸せにしてあげないのに?無理でしょう。」
「…それはノルディが…私はアールを愛しているの。」
レピアはノルディではなくアールを愛している。これからも変わらない。
そうレピアは言い切った。
アリアはフゥと大きなため息をついた。
「本当に嫌ならノルディ様を拒否をすれば良かったのです。あなたを脅したかもしれません。ですが、ただの脅しです。ノルディ様はあなたの意向を無視はできません。わかっていますよね?」
アリアの言葉にレピアは返答ができなかった。
その通りだから。
ノルディは何だかんだと言っても最後にはレピアに譲ってしまう。
それはレピア自身よくわかっていた。
「ノルディ様はあなたに好かれようが嫌われようがあなたの為に命を捨てますのよ。あなたはノルディ様の幸せを本当に考えるのなら拒否して離れるべきだったのです。聖騎士を忘れられないのに都合いいようにノルディ様を使うなんて自分勝手ですわ。」
私がノルディを利用している?
辛い時はいつでもそばにいてくれた。
脅されて妃となったが、今だってそばにいて支えてくれる。
それを受け入れたらいけなかったのだろうか?
何が正解なのかわからない。
「帰ってもらってもいいですか?」
レピアはそういうのがやっとだった。
「聖女様…ノルディはそんな事…」
皇太子はレピアに声をかけようとするがレピアが遮った。
「出ていってください。お願いします。」
レピアは今にも倒れそうなくらい真っ青になっていた。
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