【完結】闇落ちした聖女候補は神様に溺愛される

みやちゃん

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第1章

聖女候補の選定2

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リーナは村を出て聖女になるために神殿にいる。
そのはずだった。

周りを見れば見るほど‥

うーん、どう見ても平民は私だけじゃない?
これでどう自信を持てと神官さんは言うのかさっぱりわからない。

みんな、綺麗なお嬢様ばかり。
さすがにアリーティナの様なお姫様みたいな人はいないが、着ているものからして私と違う。
「みすぼらしい。」
アリーティナの言葉が思い出される。

その言葉に私は怒っていた。
これは、お母さんが私の為に作ってくれたワンピースだもん!
かわいいし、動きやすいし。
そんなみすぼらしいなんて言われる覚えはないわ。

怒っていて大事なことを忘れていた。
一番重要なことを‥
そうリーナはこれからの内容を全く知らないのだ。

これから聖女候補の選定があるといっていたけど‥
何をするのか具体的には聞いていない。
私が村を出てから到着までの日程がギリギリだったので、先を急いでいた。
その為、神官さんともゆっくり話をできていなかった。

みんな勉強してきてるのかな‥
ぶっつけ本番でくる人なんていないよな。
まさか読み書き?
村のオババが教えてくれた簡単な単語しか書けない。
運動とかならこのメンバーに勝てそうなんだけど。
これから行われる選定について考えていたが、自信があるのは体力くらいだった。

「では、聖女候補の選定を行う!まずは聖女に必須の浄化の力があるかどうかをみる。」

リーナに付き添った神官さんより煌びやかな衣装を着ているのをみるとえらい立場の神官さんなのだろう。

そう宣言し、パンと手を叩くと大きな水晶が4人がかりで運ばれてきた。

両手で包み込むのは難しいくらいの大きな青い綺麗な水晶だ。

リーナはジッと睨みつけるようにその水晶を見ていた。
綺麗‥と見つめているわけではない。

あれ、いくらするんだろう。割ったら弁償できないかも‥
壊さないように気をつけようと一人違うこと考えていた。

1人ずつ名前を呼ばれ、水晶の前に立つ。
水晶の中がポァと光る。
人によって光り方が違う様だ。
全く光らない者たちもいた。

どうなれば良いのかさっぱりわからないが、みんなの反応を見る限り、光った方が良いみたいだった。

リーナの名が呼ばれる。ドキドキしながら水晶に近づく。
見れば見るほど青く澄みきった水晶‥
見つめているだけで何故か涙が出てきそうになる。
リーナも皆がしているように右手をかざす。

その瞬間、水晶から光が部屋中に放たれた。
部屋が光で真っ白となり、眩しすぎて目を開けておくこともできなかった。
目を閉じていても、光を感じるくらいに強い光だった。

「私のかわいい子‥」
声が聞こえる。
いや、正確には声というより頭の中に直接訴えかけるような響きだった。

あたたかい‥なんで涙が出るの‥
リーナは涙を流していた。
あたたかく大きな何かに包み込まれているような幸せを感じていたから。

リーナが水晶から手を離すと光は消える。
あたたかいものも消えてしまった。
それでもリーナは放心状態だった。
生まれて初めて味わう感覚から抜け出すことができない。

「‥‥」

しばらく誰も何も話さない。
静まり返る部屋。

誰かがポソリと呟く。
「聖女様の力‥」

その次の瞬間、神官達はワァと歓喜の声をあげリーナを囲んだ。

「間違いなく聖女様のお力です!こんなに強いのは初めて見ました!」
皆、興奮しすぎていて怖い‥
リーナは神官達に揉みくちゃにされていた。

だから気付かなかった。
その様子をギリギリと歯ぎしりをし、睨むように見ている人物がいたことを。
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