俺の学園日常、そして趣味

白石華

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俺の学園生活、そして趣味

家に帰って

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「ただいまー。」

「おう。おかえりー。飯も作ってあるぞ。」

 マンションに帰ってきた俺は、碧に声を掛けられ、ご飯の準備までして貰っていた。

「悪いなー。いつもやって貰って。」

「いいって。定時制の学園があるんだろ? 帰ってくるの働いた後でそれじゃん。」

「そうなんだけどさ、それをありがたがるのを相手に伝えるのと。

 当たり前のことだとして流すようになるのとだと。

 人間力に天と地ほどの差が出るんだよ。俺はまだ人間でいたい。」

「ははは。人間になるって大変だな。」

 碧が俺の発言に乗ってくれている。こういうのってマジで人間力が出てくる話だと俺は思っているのだが、深刻に話すより軽口で流していくのが実にいい流れである。

「なにお。飯作ってくれたのは碧だろ。休日は俺も家事するわ。」

 こういう時、同居相手が男性同士だと家事の事とか分担して行うのが実にスムーズに行くのだが、それを差っ引いても碧の家事スキルは有能で。創作もやれて、本人も働いていて、しかも気配りの人とか天に何物、授かっているのかという人間だが、それでも創作仲間が同居相手にいると本人はいいらしく、天からの授かり物が天井知らずである。それに家事ッて片方に偏ると不満が爆発すると思うんだがそれもない。モテると思うんだが、何で今でも俺と同居する気になっているのか、全く分からん。

「ああ。待ってるぜ。今日はこってりラーメンだぞ。体育祭の準備で腹減ってるだろ?

 体育会系の学園生が部活帰りとかで食べていそうなイメージで作ってみた。」

「おお! なんか資料になりそうな気がする!」

 碧の粋な計らいに俺は食いついた。

「えっと、ニンニク生姜だろ、ねぎだろ、もやしだろ、チャーシューに、スープは味噌で行ってみた。

 麺は付け麺用のぶっといやつ。」

「うまそー!」

「とりあえず、あとは麺茹でるだけだから、風呂入って着替えて来いよ。」

「何から何まですまんわー。行ってくる。」

 そんな訳で俺は疲れた体に入浴という疲労回復のターンを行い、更にこってりラーメンを食うという、更に回復を重ね。きっと身体は超回復するだろう。ゲームだったら。というぐらいの回復の重ね掛けを行い。念のため、脂の取りすぎに注意もして、ウーロン茶も用意しておいた。飲み物がウーロン茶というのも実に学園生らしい。

 ハイカロリー摂取を一食で賄うという、こういうのって学園生ならではの楽しみ方でもあるんだろうけど、俺の年齢でもまだやれるのであった。やれる内にやっておかないとな。あと、アホほど紅茶を飲んで、ケーキを食うのを一食で行うとかな。クッキーとコーヒーとチョコレートを、一度にめっちゃ食うとかな。割とマジで食えなくなるから、体力のある内に楽しんでおくんだぞ、こういうのは。

「は……店で食うのとはまた違う、家庭のラーメンの味わい。
 癒されるわ~。碧っておかあちゃんだわ~。
 疲れた体に染み渡るわ~。」

 俺は碧の作ってくれたラーメンの滋養とカロリーを堪能していた。ごんぶとちぢれ麺とミソスープの弾力と旨味もさることながら、野菜とチャーシューをバリバリ食い、ニンニクと生姜とねぎの薬味がパンチを利かせてくる。やはり疲れたときにはハイカロリーが正義なのである。しかも家に帰って人に出して貰うのは大正義なのである。

「店の創意工夫には及ばないけど、こういうのもいいよな。」
「そういうつもりで言ったんじゃねえよ。うまいって。碧の。」

 俺の言葉にアッサリ碧が答えてきたため、慌てて訂正した。

「ああ。スーパーで買える素材もやろうと思ったら今だとすごいの買えるもんな。

 面倒だからやらないけど、漬け込みチャーシューとかもブロック肉で作れるし。

 お店の人はそこまでやるって事だからさ。」

「そこまでやらんでいいと思うな。」

 ラーメン屋と言えばこだわりのなんちゃらが一つ一つの素材で説明が付き、今のご時世、そこまで説明しないと良さが伝わらないのだろう。そういうことを毎日、家庭でやれという方がおかしい。安い定食屋だと、手間暇をかけすぎなくても美味しいものを出してくれるし、そういうのを求めている人だっている。

 更に今のご時世だと物価高や人件費の高騰などもあって、逆に安さと手に取りやすさとうまさのバランスをこだわりにしていた人がやりづらくなってきているというし、評価も価格も出せる味も、単純な話ではないのだが。

「ああ。チャーシューまでやらなくても、塩豚ぐらいまでだったら、塩と香辛料で漬けて。

 深鍋で茹でるといい感じのダシまで取れてだな。」

「へー。家事とか料理を創作の資料で入れる事があったらまず、碧に聞くわ俺。」

 身近なところにこういう相手がいて、しかもいつでも確認可能な同居相手だととても気安い。

「ああ。一回キャンプとかもやってみたくてさ。」

「キャンプもいいよな。テントとかコテージとか組み立てるんだろ?」

「キャンプだけでなくファンタジー作りたくなったら、参考になりそうだよな。」

 俺たちは碧が作ってくれた麺をズルズルと啜りながら、創作談議にいつの間にか話題が変わっていき。

「そういやさ、今日の定時制学園って、何か創作のネタになりそうなこと、あった?」

 碧が俺に今日あったことを確認してきた。

「ああ。体育祭の予行訓練とかやったんだけどさ、他の人と話すきっかけがあって。」

「おお。お前、人と話せたんだな。」

「うん、向こうから話しかけて来て。まだ若い好青年だった。」

 碧の言葉のナイフを俺はアッサリ流した。

「へー。その人と、何話したん?」

「どうしてここに来たのかって言う身の上話をして。向こうは落第したから。

 定時制に通い直しに来て、高卒の資格取ったら大学まで行きたいって。」

「それはまた、落第からすごい頑張ってまくってきたな。」

「しかも経営学と法律と税制で、働く人がやっておくと、自営業になっても強いやつ。」

「うん……やっぱさ。落第で終わったと思ったらよくないんだろうけどさ。

 子供に説明するのが難しい話になりそうだな。」

「俺も思った。どっちかというと大人向けだよな。」

 一応、子供の前では建前として、若いうちに、学園生の内に勉強はシッカリしておきなさいとあるのだが、これはこれで実に夢と再生力のある話だから参った。

 落第しても、定時制学園があるし、経営学や法律、税制の話は社会人になったらいつでも学び直していいのよって話だとサクセスストーリーを見せる世代が変わってしまいそうだ。しかしこれはこれで届けたい相手もいるから更に複雑になってくる。みんなは勉強しないとだけど、その時に出来なかったとしても、あとから挽回できるのよと、どう説明すればいいのか。俺ならそういう人とかもいるで済ませ……ていいのか?

「でも、落第しても、中卒で働くことになっても、学び直したいと思ったら。

 いつでも門戸は求める者へ開いているって社会にもなって欲しいよな。

 子供のころに挫折したら終わりって考えもどうかと思うし。

 そういうのって日本だけの考えらしいけど学問って実際どうなんだろ。

 俺たちはよくても保護者が認めないってやつかな。」

「なー。学歴社会の逆を行くのは大変だけど、そこから立ち直れる人はいるって事だろうし。

 永遠に学びはあるし、そういう人のためにも多分あっていいんだと思うぜ。」

「まあ、俺が通っているのが学園は学園でも、定時制学園って時点で。

 そういう人はいるし、そういう人向けの資料が見つかっていると方向転換してもいいし。

 俺はサックリ、学園の行事の資料だけ入手可能ならそれでもいいしで。」

「フンフン、それだけか?」

「俺はこういう人の話も好きでな……。大人になると特に。

 子供にとって、良くない大人だ……創作やっているのに。」

「ははは……俺もそう思ったよ。だから聞いた。」

 俺も碧も、本当にジュブナイル学園生向けの作品が作れない人だと改めて思った。

「おっかしいな。俺、他の作品なら、見たことないなら、世界の広さを見せてやれるぜって。

 思うんだけど。学園物だけはどうしても。」

「うん。俺もそうだから気にするな。だからファンタジーやっているすらある。

 ファンタジーで世界の広さを見せられるだろ?」

「うん。SFもな。」

「なー。」

 碧が俺の言葉にフォローを入れてくれて。フォローって言うか、お互いに、こういうことを滑らかに話し合える相手だから、とても貴重なのだが。

「とりあえず、学園物は後回しにして、世界の広さをだな。」

「うん。世界の名所とかまた、ネットで探そうぜ。」

「その後さ、介護用のロボットと、軍事用のロボットも調べさせてくれ。」

「いいじゃん。」

 俺たちは世界の広さをネットから仕入れる事にした。文献を調べる気になったのも創作のお陰なんだから、創作ってもっと、勉強の補助役として若い内から活用してもいいんだと思うけどな。そういうのが短歌とか俳句とか、川柳、ポエムからの始まりになるんだろうけど。
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