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第5話 お泊まり
しおりを挟むまさか、さっきまでたっちゃんと会ってたなんて、速水さんには絶対に言えない。
僕とたっちゃんが幼なじみなのは知ってるけど、たっちゃんのオフに付き合って遊びに行ってたなんて、速水さんには知られたくないんだ。
嫉妬なんかする人じゃないけど、速水さんといるときに、速水さん以外の人の話なんてしたくないから。
「速水さん、今日は泊まっていくの?」
「うーん……泊まってもいい?」
「いいよ」
「ふふ、やった」
嬉しそうに笑った速水さんが、僕をギュッと抱きしめてくる。
「詩季に会うの、久しぶり」
「そう? 一週間前に、会ったばかりなのに」
「あの時は泊まりじゃなかった」
拗ねたように言うのが可愛くて、思わず笑みがこぼれる。
テレビの中にいる速水さんも、実際に会う速水さんも、すごく格好良くて僕はいつもドキドキしっぱなしだけど、時々こんな風に子供っぽいことを言うから嬉しくなる。
「速水さん」
「ん?」
「……朝まで速水さんと一緒いられるの、僕も嬉しい」
ここしばらくは、速水さんの仕事が忙しくて会う時間も少なかったから、今夜はずっと一緒だと思うと本当に嬉しくて。
「詩季、」
「ん……っ、んぅッ」
唇が重なって、速水さんの舌が奥まで入り込んでくる。
上顎をくすぐるように舐められて、体が震えた。
舌を絡めとられて、深くキスされると飲み込めなかった唾液が口端からこぼれる。
「ッ……ふぁ……っ」
「ん、詩季……」
速水さんの瞳が、欲の色をたたえて僕を見下ろしてくる。
この眼に見つめられると、心臓が爆発しそうなくらいドキドキして、何も考えられなくなる。
「はやみ、さ……っ」
「詩季、かわいい」
ちゅう、と唇を吸われて、それだけで体の力が抜けてしまう。
自然と速水さんの胸に寄りかかってしまって、慌てて離れようとしたけど、
「詩季。ベッドいこ」
腰を引き寄せられて、そのまま速水さんに抱きあげられる。
「あ、速水さんっ」
下ろして、と頼むのに、速水さんはいつも笑って「ダメ」って言う。
「重いから……」
「詩季は軽いよ」
「速水さん!」
そんな言い合いをしているうちに、すぐにベッドまで辿り着いてしまう。
ゆっくりとベッドに下ろされて、速水さんの優しさにまた胸が締めつけられる。
「詩季」
髪を梳くように撫でられて、額にも頬にもキスが降ってくる。
「あっ……はやみさん」
「ねえ、してもいい?」
耳元で囁かれて、背中がぞくぞくと震えた。
頷いたつもりだったけど、耳朶を甘噛みされてビクンッと体が跳ねた。
「ッ……ぁ」
「詩季、抱いてもいい?」
「……はい」
掠れた声でもう一度頷くと、速水さんの手がシャツをたくし上げて胸元に触れてきた。
速水さんに触れられたところがじんわりと熱をもって、早くも反応してしまう。
「はっ……ぁ……アッ」
「気持ちよくしてあげるね」
「ッ!! ……アアッ……ぅ……ンッ」
「かわいい。詩季」
「ああぁぁッ!!」
嬉しそうな速水さんの声と指に追い詰められて、あっという間にイッてしまった。
自分でも信じられない早さに泣きそうになる。
けど速水さんが、眦にたまった涙をぺろっと舐めて、優しくキスしてくれた。
「詩季、久しぶりだったの?」
「ンッ……だって、」
「うん?」
「速水さんじゃないと……気持ちよくなれないからっ」
だから一人の時はほとんどしない。
こんなこと言って、迷惑に思われないかな……。
ちょっと心配になったけど、速水さんが微笑んでくれたからホッとした。
「かわいい」
そう言って、何度もキスをして、イッたばかりのそこを緩く愛撫してくる。
「ァ……はや……み、さんッ」
「詩季」
キスしながら、僕の名前を呼んでくれる速水さん。
甘い声で囁いてくれるから、それだけで幸せで、死んでもいいって思える。
速水さんの指が、入り口を丁寧に慣らしてくる。
申し訳なくて、いたたまれない気持ちになるけど、僕が痛くないようにって気遣ってくれる速水さんは、本当に優しい。
「詩季、挿れるよ」
「ぁ……ま、待って」
「なに?」
僕の顔をのぞき込む速水さんが切羽詰まった顔をしてて、ドキッと胸が高鳴る。
けど、このままはダメだ。
「あの……後ろから……っ」
正常位だと速水さんの顔が見えるから、本当はそれがいいんだけど……。
「……なんで、バックがいいの?」
「えっ?」
「詩季、いつも後ろからしたがるけど……なんで?」
「だ、だって……恥ずかしい、から……」
急に問い詰められて焦る。
今までこんなこと聞かなかったのに……僕が頼んだら、いつもバックでしてくれたのに、どうして急に?
「僕は、詩季の顔を見ながらしたい」
「ッ……で、でも」
「恥ずかしいなら、目ぇつぶってて」
そう言って両足を抱え上げてくる。
「だ、ダメっ! ……速水さんっ!」
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