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56話 エッチな夢を見た
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久しぶりに、莉愛はまた夢を見る。
夢の内容は相変わらずだった。旦那になった蓮とイチャイチャしながら、キスする内容。
でも、今回は場所がちょっと違った。
なにせ、未来の自分たちがいる場所は―――ベッドの上だったから。
『ちょっ、バカ……!も、もっと優しく!!』
『そっちが誘惑してきたくせに、今更だろ……!』
未来の蓮は、普段とは打って変わってやや強引に未来の自分を押し倒す。
しかし、未来の私はまんざらでもないらしく頬を染めて、蓮にされるがままになっているだけ。
蕩けているその顔には怖さなどは見えず、快楽と期待にだけ浮かんでいた。
『ば、バカ……何度も何度も、抱いたくせに……』
『そっちがいつも誘惑するからだろ!高校の時から!』
『あ、ま、待って。待っ――――んん!?』
乱暴に唇を塞がれてもなお、未来の自分はぎゅっと旦那を抱きしめる。
そして、莉愛は未来の蓮が言った言葉に唖然としていた。誘惑してたって?
……高校の時から?
『……っ、はぁっ、はあっ……!ふぅ、ふぅう……わ、私、誘惑なんかしてないもん……私、ただいつも通りに振舞っただけだもん……』
『嘘つけ。よりを戻す前からずっと攻めてきたくせに……!そのおかげでこっちはいつも大変だからな!?』
『……あなたが変態なのが、悪い。昔からずっと変態だったじゃん。高校の時からずっと私だけ攻められて、溶かされて……よりを戻す前にも、私を襲って』
『……いつも先に誘うのは誰だっけ?』
『わ、私はなにもしてないもん!あなたがエッチなのが悪い!』
『へぇ……そっか。じゃ、今日は徹底的にやらないとだな』
『え?あ、待って。こ、子供たちに聞こえるかもしれないじゃん!ま、待っ―――んむっ!?』
そこで、莉愛は夢から覚めてしまった。
「……………………………」
鳥のさえずりが鳴り響き、窓から朝日が差し込んでくる部屋の中。
ベッドで上半身を起こした莉愛は、今日の夢の内容を思い返してから―――爆発するように、顔を真っ赤に染めた。
「~~~~~~~~~~~~~~~~っ!?!?」
い、いくらなんでも、あれは生々しすぎるじゃん……!なんなの、あれ?何なの本当に!?
初めて見た。蓮があんなに強引になるのも、あんな風に攻めてくるのも、全部初めてだったけど……それより気になるのは、夢の会話内容。
「よりを戻す前にも、襲って……?」
未来の自分は言っていた。よりを戻す前に、蓮が先に自分を襲っていたと。
そんな――――そんなこと、そんなこと………でも、本当に?
「っ………ぁ………ぅぅ~~~~!?!?」
ありえない、ありえない!でも、でも………もし本当にそうだったら、夢でした会話が本当だったら。
嬉しい。そう、嬉しい以外の言葉が浮かばなかった。蓮が先に自分を襲ってくるという事実に、莉愛は嬉しがっているのだ。
だけど、あんなにも優しくて我慢強い蓮が自分を襲うなんて、莉愛はあまり想像ができなかった。
自分は一体なにをしていたのだろう。あの蓮が、自分を襲うなんて……ああ、でも。
「………そっ、か。襲われるんだ……」
もう、夢の内容が半ば真実だと、今までの経験で確信を得ていた莉愛は。
心からじんわりと広がる熱さを感じながら、ふうと深い息をつく。
……彼女もまた、性に興味がある年頃のJK。それに、蓮とは何度か体を重ねたこともあるから。
その時に、信じられないほど気持ちよくて幸せだったから、莉愛はまた望んでしまうのであった。
「ふふっ、ふっ……じゃ、頑張らないと」
夢の内容を現実にするためにも。
蓮に好かれてもっと愛されるためにも、頑張らなきゃ。莉愛はそう思いながらベッドから起き上がり、洗面所へ行く。
一通り洗面を終えてキッチンに戻ると、ちょうど制服エプロン姿で料理をしている蓮が見えてきた。
「うん?あ、おはよう、莉愛」
「………………………」
背中が広い。抱きしめられた時の胸板も、固かった。
蓮はもう、中学の時の蓮じゃない。あの時よりずっと成長していて、男らしくなった。
中学の時もあんなに大きく感じられたのに、今あの体に抱かれてしまったら……絶対に、溶けてしまう。
「……おはよう」
「ああ、おはよう……って!?」
だから、莉愛は連の背中に抱き着く。
中学の時よりよっぽど大きくなった胸を密着させて、好きな人の香りを堪能しながら、抱き着く。
急なスキンシップに、蓮はフライパンをついひっくり返しそうになった。
「な、なにするんだよ!?朝っぱらから……!」
「……なに?私はただ、好きな人に抱き着いているだけだけど?」
「せめて前触れくらいはしてくれよ……!ちょ、ちょっと!?莉愛!?」
「……ふふっ。もしかして、ちょっと興奮した?」
「っ~~~!?」
蓮の動きが固まる。こうやってテンパっている時の蓮も、莉愛は大好きだった。
微笑んでいる莉愛の頭の中に、由奈の声がよみがえってくる。自信を持ってガンガン攻めればいい。蓮は、ヘタレだから。
……ヘタレなのは間違いない。未だに蓮は、自分と付き合ってはいないから。
だから、お仕置きをされるべきだと莉愛は思った。
頑張ってくれているのはありがたいけど、莉愛は一秒でも早く蓮と付き合い始めて、結婚して―――永遠に、一緒にいたいから。
「り、莉愛……!とりあえず、ちょっと離れてくれよ……!」
「絶対にや~だ、ふふっ」
少しは、あなたも私で溶けるべきよ。そうしないと釣り合いが取れないんだもん。
……そう思わない?未来の旦那様?
夢の内容は相変わらずだった。旦那になった蓮とイチャイチャしながら、キスする内容。
でも、今回は場所がちょっと違った。
なにせ、未来の自分たちがいる場所は―――ベッドの上だったから。
『ちょっ、バカ……!も、もっと優しく!!』
『そっちが誘惑してきたくせに、今更だろ……!』
未来の蓮は、普段とは打って変わってやや強引に未来の自分を押し倒す。
しかし、未来の私はまんざらでもないらしく頬を染めて、蓮にされるがままになっているだけ。
蕩けているその顔には怖さなどは見えず、快楽と期待にだけ浮かんでいた。
『ば、バカ……何度も何度も、抱いたくせに……』
『そっちがいつも誘惑するからだろ!高校の時から!』
『あ、ま、待って。待っ――――んん!?』
乱暴に唇を塞がれてもなお、未来の自分はぎゅっと旦那を抱きしめる。
そして、莉愛は未来の蓮が言った言葉に唖然としていた。誘惑してたって?
……高校の時から?
『……っ、はぁっ、はあっ……!ふぅ、ふぅう……わ、私、誘惑なんかしてないもん……私、ただいつも通りに振舞っただけだもん……』
『嘘つけ。よりを戻す前からずっと攻めてきたくせに……!そのおかげでこっちはいつも大変だからな!?』
『……あなたが変態なのが、悪い。昔からずっと変態だったじゃん。高校の時からずっと私だけ攻められて、溶かされて……よりを戻す前にも、私を襲って』
『……いつも先に誘うのは誰だっけ?』
『わ、私はなにもしてないもん!あなたがエッチなのが悪い!』
『へぇ……そっか。じゃ、今日は徹底的にやらないとだな』
『え?あ、待って。こ、子供たちに聞こえるかもしれないじゃん!ま、待っ―――んむっ!?』
そこで、莉愛は夢から覚めてしまった。
「……………………………」
鳥のさえずりが鳴り響き、窓から朝日が差し込んでくる部屋の中。
ベッドで上半身を起こした莉愛は、今日の夢の内容を思い返してから―――爆発するように、顔を真っ赤に染めた。
「~~~~~~~~~~~~~~~~っ!?!?」
い、いくらなんでも、あれは生々しすぎるじゃん……!なんなの、あれ?何なの本当に!?
初めて見た。蓮があんなに強引になるのも、あんな風に攻めてくるのも、全部初めてだったけど……それより気になるのは、夢の会話内容。
「よりを戻す前にも、襲って……?」
未来の自分は言っていた。よりを戻す前に、蓮が先に自分を襲っていたと。
そんな――――そんなこと、そんなこと………でも、本当に?
「っ………ぁ………ぅぅ~~~~!?!?」
ありえない、ありえない!でも、でも………もし本当にそうだったら、夢でした会話が本当だったら。
嬉しい。そう、嬉しい以外の言葉が浮かばなかった。蓮が先に自分を襲ってくるという事実に、莉愛は嬉しがっているのだ。
だけど、あんなにも優しくて我慢強い蓮が自分を襲うなんて、莉愛はあまり想像ができなかった。
自分は一体なにをしていたのだろう。あの蓮が、自分を襲うなんて……ああ、でも。
「………そっ、か。襲われるんだ……」
もう、夢の内容が半ば真実だと、今までの経験で確信を得ていた莉愛は。
心からじんわりと広がる熱さを感じながら、ふうと深い息をつく。
……彼女もまた、性に興味がある年頃のJK。それに、蓮とは何度か体を重ねたこともあるから。
その時に、信じられないほど気持ちよくて幸せだったから、莉愛はまた望んでしまうのであった。
「ふふっ、ふっ……じゃ、頑張らないと」
夢の内容を現実にするためにも。
蓮に好かれてもっと愛されるためにも、頑張らなきゃ。莉愛はそう思いながらベッドから起き上がり、洗面所へ行く。
一通り洗面を終えてキッチンに戻ると、ちょうど制服エプロン姿で料理をしている蓮が見えてきた。
「うん?あ、おはよう、莉愛」
「………………………」
背中が広い。抱きしめられた時の胸板も、固かった。
蓮はもう、中学の時の蓮じゃない。あの時よりずっと成長していて、男らしくなった。
中学の時もあんなに大きく感じられたのに、今あの体に抱かれてしまったら……絶対に、溶けてしまう。
「……おはよう」
「ああ、おはよう……って!?」
だから、莉愛は連の背中に抱き着く。
中学の時よりよっぽど大きくなった胸を密着させて、好きな人の香りを堪能しながら、抱き着く。
急なスキンシップに、蓮はフライパンをついひっくり返しそうになった。
「な、なにするんだよ!?朝っぱらから……!」
「……なに?私はただ、好きな人に抱き着いているだけだけど?」
「せめて前触れくらいはしてくれよ……!ちょ、ちょっと!?莉愛!?」
「……ふふっ。もしかして、ちょっと興奮した?」
「っ~~~!?」
蓮の動きが固まる。こうやってテンパっている時の蓮も、莉愛は大好きだった。
微笑んでいる莉愛の頭の中に、由奈の声がよみがえってくる。自信を持ってガンガン攻めればいい。蓮は、ヘタレだから。
……ヘタレなのは間違いない。未だに蓮は、自分と付き合ってはいないから。
だから、お仕置きをされるべきだと莉愛は思った。
頑張ってくれているのはありがたいけど、莉愛は一秒でも早く蓮と付き合い始めて、結婚して―――永遠に、一緒にいたいから。
「り、莉愛……!とりあえず、ちょっと離れてくれよ……!」
「絶対にや~だ、ふふっ」
少しは、あなたも私で溶けるべきよ。そうしないと釣り合いが取れないんだもん。
……そう思わない?未来の旦那様?
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