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最終章 人族編
ユアンさんの婚約者 3
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「ユアンが掻っ攫われたって社交界が荒れてるぞ」
クルミを抱いたリヒト様が離れに帰って来て言う。
しーらない。どうせ離れまではきこえないしね。
ぷいっとそっぽをむいた私に苦笑して、リヒト様は続ける。
「ユアンの詰め方がえげつねぇ。さっきもう婚約書類を辺境伯に突きつけて拇印させてたぞ」
「ふぅん、ヤノ様のお父様、反対しなかったんだ」
「娘の気持ちを知ってたんだろ」
うまくいった様で良かった。
「息子三人が強いとなんでもできるね!!!母親の特権!!!世界征服もできそう!!」
「俺にねだればもっと早いだろ」
「成る程!女王様になりたくなったらお願いするね!」
リヒト様が笑う。子供達も。
クルミがリヒト様の腕の中でくぅくぅと寝息をたてる。
◇◆◇
子供達をミリーナさんとヤノさんに預けて、今日は天空領のレンガのお家にいる。
テトに乗って来たけれど、ルルもつれてきたので、窓の外には好きにお散歩をする二頭の天馬が見える。
「ユアンが日中ニヤニヤしてて気持ち悪りぃ」
「ふふふ、ヤノさんも嬉しそうだよ。毎日夕方にユアンさんが迎えに来るの。母屋に帰るだけなのに。溺愛だよね」
ヤノ様と呼んでいたらミリーナさんに怒られて、ヤノさんになった。
私からお願いして、ヤノさんには貴族の所作とか、ちょっとしたマナーなんかの先生にもなってもらった。
「リヒト様は今回のこと、私に何も言わないね」
リヒト様はそれには答えず片眉をあげて先を促す。
「勝手に侍女を決めたし、貴族のしがらみとか色々あるでしょう?私は貴族の派閥の事とか全然知らないから……」
今少しずつ、ヤノさんに聞いているところ。
社交界に出るつもりはないけど。
「今回は良くやったといいたいぐらいだな。辺境伯は国防の要だけれど、遠いのもあってどの派閥にも入ってなかった。今回辺境伯がお前に忠誠を誓ったのは、王家と辺境伯の繋がりを臣下に見せつけたのと同意だ。政治的にも結果オーライだ。兄上も喜んでたぞ」
へぇ、それなら良かった。
「そういえば陛下はあの中から良い人は見つけたの?」
「レスターが言ったとおりだな。無反応だ……目線は常にクルミか……お前を追ってた。最悪だ……」
「私?私、本物の女王様になれる!?」
「はぁっ!?」
慌てた顔の彼が可愛い。
「ふふふ、冗談だよ」
ブツブツ言うリヒト様に私からキスをする。
「私は私の不良竜しか見えてないよ?」
「ふぁ!?誘ってんの!?」
「ん、私も私の王子様に愛されたいな」
「任せろ!!!」
リヒト様色の黒の下着。金の刺繍と紺色のリボン紐。きっと喜ぶ。この世界の男の人は自分の色を女性に纏わせる事に喜びを感じるみたい。
「!!!!???!!!」
「かわい?」
「かわ、いい……最高」
「モテモテのリヒト様、嫌だった」
リヒト様がびっくり顔で私を見てくる。
私だって、逃げるばっかりじゃないんだぞ!
「綺麗な人達だったね」
「紬が………嫉妬………ああこれ夢か。成る程、可愛さ突き抜けた格好で、紬が嫉妬……夢だな」
またおかしな事いい始めたな。
「リヒト様はああいう迫力のあるご令嬢がタイプだもんね?」
「か、可愛いぃ……」
聞いてないなこれ。
「夢の中…………俺の好きに……」
「あ、あれ?リヒト、様?」
目が座ってる!完全に捕食者の目!!
「ひゃぁんっ!」
カプッと首筋に噛みつかれ、声が出る。痛いのに、ジンジンとした首筋から熱が広がる。
「声、もっと聞かせろ」
聞かせろとか言うくせに、深いキスが落とされて声どころじゃない。
ハフハフと呼吸をするのに精一杯で彼にしがみつく。
「はっ、フェロモンすっげ。俺がもたねぇ……夢やばい……噛みたい……」
「お願い、優しく……して」
「!?夢の中でも番のおねだり抗えない!!」
◇◆◇
熱に浮かされたようなリヒト様に散々愛されて、我に返った彼が言う。
「悪かった、夢かと……」
噛みつかれた首筋の牙の跡を消毒しながらしゅんとしてる。
優しくと言ったあとは、キスマークの嵐を落とされて、身体中に梅の花びらがまった様になっている。
「何で噛むの!!!痛い!」
「甘噛みのつもりで……理性が飛んだ……竜人なら傷にもならないから……」
「へぇ!やった事!あるんですね!!!」
「紬にしかない!!!……聖女の力で……治そう」
やべっとした表情をし、またしゅんとする。
「そんな体力残ってない!!!!馬鹿!!」
「スイマセンデシタ……」
クルミを抱いたリヒト様が離れに帰って来て言う。
しーらない。どうせ離れまではきこえないしね。
ぷいっとそっぽをむいた私に苦笑して、リヒト様は続ける。
「ユアンの詰め方がえげつねぇ。さっきもう婚約書類を辺境伯に突きつけて拇印させてたぞ」
「ふぅん、ヤノ様のお父様、反対しなかったんだ」
「娘の気持ちを知ってたんだろ」
うまくいった様で良かった。
「息子三人が強いとなんでもできるね!!!母親の特権!!!世界征服もできそう!!」
「俺にねだればもっと早いだろ」
「成る程!女王様になりたくなったらお願いするね!」
リヒト様が笑う。子供達も。
クルミがリヒト様の腕の中でくぅくぅと寝息をたてる。
◇◆◇
子供達をミリーナさんとヤノさんに預けて、今日は天空領のレンガのお家にいる。
テトに乗って来たけれど、ルルもつれてきたので、窓の外には好きにお散歩をする二頭の天馬が見える。
「ユアンが日中ニヤニヤしてて気持ち悪りぃ」
「ふふふ、ヤノさんも嬉しそうだよ。毎日夕方にユアンさんが迎えに来るの。母屋に帰るだけなのに。溺愛だよね」
ヤノ様と呼んでいたらミリーナさんに怒られて、ヤノさんになった。
私からお願いして、ヤノさんには貴族の所作とか、ちょっとしたマナーなんかの先生にもなってもらった。
「リヒト様は今回のこと、私に何も言わないね」
リヒト様はそれには答えず片眉をあげて先を促す。
「勝手に侍女を決めたし、貴族のしがらみとか色々あるでしょう?私は貴族の派閥の事とか全然知らないから……」
今少しずつ、ヤノさんに聞いているところ。
社交界に出るつもりはないけど。
「今回は良くやったといいたいぐらいだな。辺境伯は国防の要だけれど、遠いのもあってどの派閥にも入ってなかった。今回辺境伯がお前に忠誠を誓ったのは、王家と辺境伯の繋がりを臣下に見せつけたのと同意だ。政治的にも結果オーライだ。兄上も喜んでたぞ」
へぇ、それなら良かった。
「そういえば陛下はあの中から良い人は見つけたの?」
「レスターが言ったとおりだな。無反応だ……目線は常にクルミか……お前を追ってた。最悪だ……」
「私?私、本物の女王様になれる!?」
「はぁっ!?」
慌てた顔の彼が可愛い。
「ふふふ、冗談だよ」
ブツブツ言うリヒト様に私からキスをする。
「私は私の不良竜しか見えてないよ?」
「ふぁ!?誘ってんの!?」
「ん、私も私の王子様に愛されたいな」
「任せろ!!!」
リヒト様色の黒の下着。金の刺繍と紺色のリボン紐。きっと喜ぶ。この世界の男の人は自分の色を女性に纏わせる事に喜びを感じるみたい。
「!!!!???!!!」
「かわい?」
「かわ、いい……最高」
「モテモテのリヒト様、嫌だった」
リヒト様がびっくり顔で私を見てくる。
私だって、逃げるばっかりじゃないんだぞ!
「綺麗な人達だったね」
「紬が………嫉妬………ああこれ夢か。成る程、可愛さ突き抜けた格好で、紬が嫉妬……夢だな」
またおかしな事いい始めたな。
「リヒト様はああいう迫力のあるご令嬢がタイプだもんね?」
「か、可愛いぃ……」
聞いてないなこれ。
「夢の中…………俺の好きに……」
「あ、あれ?リヒト、様?」
目が座ってる!完全に捕食者の目!!
「ひゃぁんっ!」
カプッと首筋に噛みつかれ、声が出る。痛いのに、ジンジンとした首筋から熱が広がる。
「声、もっと聞かせろ」
聞かせろとか言うくせに、深いキスが落とされて声どころじゃない。
ハフハフと呼吸をするのに精一杯で彼にしがみつく。
「はっ、フェロモンすっげ。俺がもたねぇ……夢やばい……噛みたい……」
「お願い、優しく……して」
「!?夢の中でも番のおねだり抗えない!!」
◇◆◇
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「悪かった、夢かと……」
噛みつかれた首筋の牙の跡を消毒しながらしゅんとしてる。
優しくと言ったあとは、キスマークの嵐を落とされて、身体中に梅の花びらがまった様になっている。
「何で噛むの!!!痛い!」
「甘噛みのつもりで……理性が飛んだ……竜人なら傷にもならないから……」
「へぇ!やった事!あるんですね!!!」
「紬にしかない!!!……聖女の力で……治そう」
やべっとした表情をし、またしゅんとする。
「そんな体力残ってない!!!!馬鹿!!」
「スイマセンデシタ……」
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