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第1章 異世界召喚
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「うっ!なんだ?この臭い!?」
「臭っ!」
「うげぇ。吐きそうだよ!」
「ちょっと~!こっち来ないでよ!」
上から順に勇 賢 昴 愛子が鼻と口を隠しながら大声を出す。
勇達と僕達の間は1m位だろう。その距離でもこの強烈な臭いに我慢が出来ないのなら、中島の隣りにいる僕の鼻は死ぬ寸前だ。
勇達から更に1m程離れた寺田でさえも、その強烈な悪臭に顔を顰めている。
だが当の本人は、
「何でそんなにイライラしているか分からないけど、俺の癒しボイスで心を落ち着かせて?」
等と言っている。
(そう言えは、リクトはいつも、自身の配信で『俺の癒しボイスで、皆癒されて欲しいとか言ってるっス!』とリョータさんが言ってたっけ。配信ならこの匂いは分からないだろうけど、オフで会ったら、癒されるどころか皆臭いで瞬殺だろう。)
「そこにいる可愛い子。名前は?」
と名前を聞かれ、
「あ、あんたなんかに答えるわけ無いでしょ!」
とたじろぐ愛子を庇う勇達。
それはまるで、姫を護る勇者達の様だった。
「来るな!化け物!」(勇)
「そうだ!近づかないでくれ!バカが伝染る!!」(賢)
「キモカワイイて言葉あるけど、アンタはただキモいだけだって。」(昴)
「そうよそうよ!愛子は~、あんたみたいな不細工嫌いなの~!」(愛子……自分で名前明かしてんじゃん。バカなのか?)
「そうかぁ。キミ、愛子ちゃんてゆーんだね。今度さ~俺の配信おいでよ。きっと仲良くなれ…「るわけないじゃん!キモいわ!」」
「愛子ちゃんは~。勇みたいにイケメンじゃ無いと相手にしないんだよ~。お前みたいなヤツ、相手にするわけねぇだろ!」
と昴は、前半は天使の笑顔、後半は悪魔の笑みで中島を罵った。
だが中島は怯まない。
「それはそうかもだけど。俺は愛子ちゃんの彼氏くんより金持ちだよ?」
そう言って中島は、高級腕時計やワイシャツに隠していた悪趣味とも言える金色のネックレスを勇達に見せびらかした。
「これはね?俺を愛してくれているリスナー達が貢いでくれたアイテムを課金して手に入れたり、プレゼントしてくれたりした物だよ。俺が一言リスナーの子達に『欲しいな』って言えば、皆貢いでくれるんだ。だから愛子ちゃんも、俺の彼女になれば欲しい物は何でも買ってあげるよ?どうかな?」
と中島は愛子に手を伸ばす。だが、その手を勇が蹴りで叩き落とすと、
「悪いが俺達の親は皆金持ちなんでね。」
と中島を馬鹿にした目で嘲笑う。
「え?マジ??」
「そうですよ。勇の家は政治家。私の家は警察官僚。そして昴の家は医者ですから。」
(偉いのは親であって、お前達じゃないけどな。)
「嘘じゃないよ~。僕達三人は超エリートなんだから。ね?愛子ちゃ~ん。」
と絶句している中島に賢と昴が追い討ちをかけるという見事な連携プレイだ。
(やっぱりコイツら、ファンタジーの世界を地で行ってるよな。僕はファンタジーもののゲームはやらないから分からないけど、きっとこんな風にお姫様だったりヒロインだったりを護るんだろう。にしても中島には感謝だな。コイツのKYのおかげで、今日は勇達の壮絶暴力を受けずに済んでるんだからな。)
実際僕だけだったら、今頃は立ち上がれなくなる程痛みつけられていることだろう。所謂サンドバッグにされてる状態だ。しかもこの肉布団があるからこそなんとか生命があると言っても過言ではない。もしそれが無かったら……絶対、痣や打ち身だけじゃ済んでないだろうな。
でも今日はこの男がいてくれる。しかも勇達の怒りの矛先を一身に受けている。
僕は内心(リクトさん。ナイファイです。)と拍手を送っていた。
が、その瞬間!大きな地響きが聞こえたと同時に建物が大きく揺れた!
地震だ!!
僕達はその揺れの大きさに驚き、慌てふためいた。
※¹ 机は1台 2台とカウントします。
「臭っ!」
「うげぇ。吐きそうだよ!」
「ちょっと~!こっち来ないでよ!」
上から順に勇 賢 昴 愛子が鼻と口を隠しながら大声を出す。
勇達と僕達の間は1m位だろう。その距離でもこの強烈な臭いに我慢が出来ないのなら、中島の隣りにいる僕の鼻は死ぬ寸前だ。
勇達から更に1m程離れた寺田でさえも、その強烈な悪臭に顔を顰めている。
だが当の本人は、
「何でそんなにイライラしているか分からないけど、俺の癒しボイスで心を落ち着かせて?」
等と言っている。
(そう言えは、リクトはいつも、自身の配信で『俺の癒しボイスで、皆癒されて欲しいとか言ってるっス!』とリョータさんが言ってたっけ。配信ならこの匂いは分からないだろうけど、オフで会ったら、癒されるどころか皆臭いで瞬殺だろう。)
「そこにいる可愛い子。名前は?」
と名前を聞かれ、
「あ、あんたなんかに答えるわけ無いでしょ!」
とたじろぐ愛子を庇う勇達。
それはまるで、姫を護る勇者達の様だった。
「来るな!化け物!」(勇)
「そうだ!近づかないでくれ!バカが伝染る!!」(賢)
「キモカワイイて言葉あるけど、アンタはただキモいだけだって。」(昴)
「そうよそうよ!愛子は~、あんたみたいな不細工嫌いなの~!」(愛子……自分で名前明かしてんじゃん。バカなのか?)
「そうかぁ。キミ、愛子ちゃんてゆーんだね。今度さ~俺の配信おいでよ。きっと仲良くなれ…「るわけないじゃん!キモいわ!」」
「愛子ちゃんは~。勇みたいにイケメンじゃ無いと相手にしないんだよ~。お前みたいなヤツ、相手にするわけねぇだろ!」
と昴は、前半は天使の笑顔、後半は悪魔の笑みで中島を罵った。
だが中島は怯まない。
「それはそうかもだけど。俺は愛子ちゃんの彼氏くんより金持ちだよ?」
そう言って中島は、高級腕時計やワイシャツに隠していた悪趣味とも言える金色のネックレスを勇達に見せびらかした。
「これはね?俺を愛してくれているリスナー達が貢いでくれたアイテムを課金して手に入れたり、プレゼントしてくれたりした物だよ。俺が一言リスナーの子達に『欲しいな』って言えば、皆貢いでくれるんだ。だから愛子ちゃんも、俺の彼女になれば欲しい物は何でも買ってあげるよ?どうかな?」
と中島は愛子に手を伸ばす。だが、その手を勇が蹴りで叩き落とすと、
「悪いが俺達の親は皆金持ちなんでね。」
と中島を馬鹿にした目で嘲笑う。
「え?マジ??」
「そうですよ。勇の家は政治家。私の家は警察官僚。そして昴の家は医者ですから。」
(偉いのは親であって、お前達じゃないけどな。)
「嘘じゃないよ~。僕達三人は超エリートなんだから。ね?愛子ちゃ~ん。」
と絶句している中島に賢と昴が追い討ちをかけるという見事な連携プレイだ。
(やっぱりコイツら、ファンタジーの世界を地で行ってるよな。僕はファンタジーもののゲームはやらないから分からないけど、きっとこんな風にお姫様だったりヒロインだったりを護るんだろう。にしても中島には感謝だな。コイツのKYのおかげで、今日は勇達の壮絶暴力を受けずに済んでるんだからな。)
実際僕だけだったら、今頃は立ち上がれなくなる程痛みつけられていることだろう。所謂サンドバッグにされてる状態だ。しかもこの肉布団があるからこそなんとか生命があると言っても過言ではない。もしそれが無かったら……絶対、痣や打ち身だけじゃ済んでないだろうな。
でも今日はこの男がいてくれる。しかも勇達の怒りの矛先を一身に受けている。
僕は内心(リクトさん。ナイファイです。)と拍手を送っていた。
が、その瞬間!大きな地響きが聞こえたと同時に建物が大きく揺れた!
地震だ!!
僕達はその揺れの大きさに驚き、慌てふためいた。
※¹ 机は1台 2台とカウントします。
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