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第1章 異世界召喚
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「なんだ?お前はまたこんな問題が分からないのか?」
「はい……。僕の勉強不足で申し訳ございません。」
「本当にお前は……。いつもいつも……。仕方ない。今日もまたお前に特別授業をしてやるから、放課後社会科準備室に来るように!分かったか?」
「は……い。お心遣い、ありがとうござい、ます。」
この瞬間、また勇達からの寺田公認の虐めを受ける事が確定した僕がガックリと項垂れていると、
「あ~。喜べ。今日は補講仲間がいるからな。」
「え?」
「あ~っと……名前は……。あぁ。ダブりの中島だな。」
「中島先輩……ですか?」
「そうだそうだ。嬉しいだろう?仲間がいて。」
そう言う寺田の口元は醜く歪んでいる。
(中島……リクトは何をやらかしたんだろう。僕と同じ様に寺田を怒らせたからか?まぁ、ボブが僕だとバレなければいいか。)
放課後
僕は社会科準備室という地獄の門を開けた。
当然そこには、勇 賢 昴、そして勇の彼女である愛子がニヤニヤしながら待っていた。
おずおずと足を進めた僕を見て、
「やだぁ~。コイツまた愛子のこと見てた~。」
と言って愛子が勇に抱き着く。
(いやいや、お前みたいな性格ブスなんて見てねぇって。しかも顔だって大した事ないじゃねぇか。)と心の中で呟いていると、
「何ですか?愛子が勇の彼女だって分かってて色目使ったのですか?」
とフレームレス眼鏡を上げながら賢が言えば、
「愛子ちゃん可愛いからねぇ~。でもダメだよ~。愛子ちゃんはイケメンしか好きにならないから~。ね~?愛子ちゃん。」
と普段は可愛いキャラで通している昴がそう言って僕に近づき、
「お前みたいな不細工なんて、誰からも好かれるわけねぇだろッ!」
とさっきとは真逆の、ドスが効いた声で僕の右腕を掴むと、勇に向かって僕を飛ばした。
不意に飛ばされた僕はバランスを崩してその場に両手を着いて倒れてしまうと、
勇はその長い脚で俯いていた僕の顔を上げさせた。
「キャー!近くで見るとホントキモい~!」
と愛子がケラケラわらいながらそう言えば、
「ホント。こんな顔でよくも生きてられるよなッ!」
と言いながら、僕の顔をサッカーボールのように蹴り上げる勇。
蹴られた反動で、四つん這いだった僕は、今度は尻もちをついてしまう。
お尻の痛みと同時に左頬に強烈な痛みと熱さを感じ、口の中で血の味がした。
どうやら口内が切れてしまった様だ。
ここで勇を睨むと、それが引き金となって、更なる暴行が始まってしまう。だから、僕は顔を下げてじっと我慢をしているしかない。
そんな僕達を見ていた寺田が、手をパンパンと叩きながら、
「ダメじゃないか。顔や見える所に痕を残さない様にしてくれないと。」
と笑いながら、椅子に座ったまま言っている。
すると、
「そ、そうだぞ!こんな事許されるわけがないだろ?」
と空気が読めない声が、僕の右後ろから聞こえてきた。
どうやら声の主は、授業中、寺田が言っていたもう一人の人物のものらしい。
尻餅をついたまま僕の方に近づいてきた中島を見上げると、制服である濃紺ブレザーをボタンできっちり閉めてはあるものの、それは今にもはち切れてしまいそうだったし、顔は僕と同じくらい不細工と呼べるレベルだった。
が!そんな事よりも、この臭いだ。
右後ろから声がした時から分かってはいたが、こちらに近づいてきている距離に比例する様に、その匂いが増してきていて、今僕の隣りで仁王立ちしている(見上げているからそう思うだけ)中島の臭いはピークだった。
噂通り、それは何日も風呂に入ってないと思われる体臭を消す為にであろうか?本来ならいい匂いがするであろう高級な香水を付けまくっている様で、体臭と香水が混ざって、最早異臭と呼べるレベルだった。
「はい……。僕の勉強不足で申し訳ございません。」
「本当にお前は……。いつもいつも……。仕方ない。今日もまたお前に特別授業をしてやるから、放課後社会科準備室に来るように!分かったか?」
「は……い。お心遣い、ありがとうござい、ます。」
この瞬間、また勇達からの寺田公認の虐めを受ける事が確定した僕がガックリと項垂れていると、
「あ~。喜べ。今日は補講仲間がいるからな。」
「え?」
「あ~っと……名前は……。あぁ。ダブりの中島だな。」
「中島先輩……ですか?」
「そうだそうだ。嬉しいだろう?仲間がいて。」
そう言う寺田の口元は醜く歪んでいる。
(中島……リクトは何をやらかしたんだろう。僕と同じ様に寺田を怒らせたからか?まぁ、ボブが僕だとバレなければいいか。)
放課後
僕は社会科準備室という地獄の門を開けた。
当然そこには、勇 賢 昴、そして勇の彼女である愛子がニヤニヤしながら待っていた。
おずおずと足を進めた僕を見て、
「やだぁ~。コイツまた愛子のこと見てた~。」
と言って愛子が勇に抱き着く。
(いやいや、お前みたいな性格ブスなんて見てねぇって。しかも顔だって大した事ないじゃねぇか。)と心の中で呟いていると、
「何ですか?愛子が勇の彼女だって分かってて色目使ったのですか?」
とフレームレス眼鏡を上げながら賢が言えば、
「愛子ちゃん可愛いからねぇ~。でもダメだよ~。愛子ちゃんはイケメンしか好きにならないから~。ね~?愛子ちゃん。」
と普段は可愛いキャラで通している昴がそう言って僕に近づき、
「お前みたいな不細工なんて、誰からも好かれるわけねぇだろッ!」
とさっきとは真逆の、ドスが効いた声で僕の右腕を掴むと、勇に向かって僕を飛ばした。
不意に飛ばされた僕はバランスを崩してその場に両手を着いて倒れてしまうと、
勇はその長い脚で俯いていた僕の顔を上げさせた。
「キャー!近くで見るとホントキモい~!」
と愛子がケラケラわらいながらそう言えば、
「ホント。こんな顔でよくも生きてられるよなッ!」
と言いながら、僕の顔をサッカーボールのように蹴り上げる勇。
蹴られた反動で、四つん這いだった僕は、今度は尻もちをついてしまう。
お尻の痛みと同時に左頬に強烈な痛みと熱さを感じ、口の中で血の味がした。
どうやら口内が切れてしまった様だ。
ここで勇を睨むと、それが引き金となって、更なる暴行が始まってしまう。だから、僕は顔を下げてじっと我慢をしているしかない。
そんな僕達を見ていた寺田が、手をパンパンと叩きながら、
「ダメじゃないか。顔や見える所に痕を残さない様にしてくれないと。」
と笑いながら、椅子に座ったまま言っている。
すると、
「そ、そうだぞ!こんな事許されるわけがないだろ?」
と空気が読めない声が、僕の右後ろから聞こえてきた。
どうやら声の主は、授業中、寺田が言っていたもう一人の人物のものらしい。
尻餅をついたまま僕の方に近づいてきた中島を見上げると、制服である濃紺ブレザーをボタンできっちり閉めてはあるものの、それは今にもはち切れてしまいそうだったし、顔は僕と同じくらい不細工と呼べるレベルだった。
が!そんな事よりも、この臭いだ。
右後ろから声がした時から分かってはいたが、こちらに近づいてきている距離に比例する様に、その匂いが増してきていて、今僕の隣りで仁王立ちしている(見上げているからそう思うだけ)中島の臭いはピークだった。
噂通り、それは何日も風呂に入ってないと思われる体臭を消す為にであろうか?本来ならいい匂いがするであろう高級な香水を付けまくっている様で、体臭と香水が混ざって、最早異臭と呼べるレベルだった。
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