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第八章 王との謁見(相応しいのは誰だ?直接対決編)
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「勝負あり!公爵家護衛騎士、のぞむ殿の勝利とする!」
と言った王宮の騎士団長さんの声で、僕達の対決を見守っていた騎士団の人達から、ワー!という歓声が上がった。
「のぞむく~ん!めっちゃカッコよかったよ~。」
と相変わらずの間延びした口調で、おまけに満面の笑みで、おまけのおまけに右手を大きく振りながら、パタパタと駆け寄ってくる人がいる。
愛子だ。
空気が読めない彼女の言動に頭が痛くなりそうだ。
てか、お前は自分の役割り分かってる?と問いたくなる気持ちを、僕は抑える事が出来なかった。
「ねぇ。」
僕の前に立った……いや、僕の前で止まった愛子に放った第一声は、思ったより低く冷たい声色になった。
ニコニコしながら走って来た愛子は、僕の声色に驚いたのか、その笑みは一瞬にして消えた。が直ぐに、
「なぁに?のぞむくん。」
と、また首をちょっとだけ傾げながら、上目遣いで僕に話しかける。
「あのさ。西山さんは、今何をやってるのか分かってるの?」
「勿論だよぉ~。愛子、馬鹿じゃないもん。」
「なら言ってみてよ。」
「ん~?良いよぉ~。答えはぁ~。『勇者の勇と騎士の のぞむくんの戦い!』でしょ?もぉ~。そんなの簡単過ぎだよぉ~。いくらのぞむくんでも、今度愛子馬鹿したら、怒っちゃうからね~。」
ウザっ……なんだ?この女。ウザいわ うっせえわ で最悪だな。頭の中で、元の世界で流行っていた歌が急に流れ出したが、僕がウザがるのは後だな。
その前に、この馬鹿女にも分かる様に状況説明をしないとだ。
「違うよ、西山さん。僕と相田君との戦いじゃないよ。君とミランダさんとの『聖女対決』が本当の目的な筈だ。馬鹿じゃないって言うんなら、ちゃんと思い出しなよ。」
「え?『聖女対決』……?そう……だっけ?」
「あぁ、そうだよ。聖女様だって言うんなら、そこで蹲っている相田君と、それからあそこ……っ!?ヤバい!西山、危ない!!」
「「くらえー!!」」
愛子に、勇や賢達を治癒させようと指し示そうと、彼等見たその瞬間、氷で出来た無数の刃が僕と愛子に向かって飛んできた!
賢と昴が作った氷の刃だ。
倒れて気絶していると思っていたが油断した!
多分、僕が愛子と話している隙に、彼等は周りに気付かれない様に呪文を唱えていたんだろう。
「キャー!!」
耳を劈く様な高声で悲鳴をあげる愛子を庇い、僕の下になった彼女を押し潰さないようにしながら地面に伏せるも、そんな行動は全くの防御にはならず、刃は僕の無防備な背中や足を容赦なく傷付け、周りの地面に刺さっていく。
痛みで気を失いそうになるが、なんとか攻撃の手が終わるのを待ってその場に起き上がると、寝転がったままの愛子を放置すると、僕は魔銃を構え、賢と昴の足に一発ずつ弾丸を撃ち込んだ。
痛みに声も出ない様子の賢と昴。
己の足を抱え悶絶している。
僕はそんな二人の様子を確認すると、その場に仰向けで倒れたんだ。
と言った王宮の騎士団長さんの声で、僕達の対決を見守っていた騎士団の人達から、ワー!という歓声が上がった。
「のぞむく~ん!めっちゃカッコよかったよ~。」
と相変わらずの間延びした口調で、おまけに満面の笑みで、おまけのおまけに右手を大きく振りながら、パタパタと駆け寄ってくる人がいる。
愛子だ。
空気が読めない彼女の言動に頭が痛くなりそうだ。
てか、お前は自分の役割り分かってる?と問いたくなる気持ちを、僕は抑える事が出来なかった。
「ねぇ。」
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ニコニコしながら走って来た愛子は、僕の声色に驚いたのか、その笑みは一瞬にして消えた。が直ぐに、
「なぁに?のぞむくん。」
と、また首をちょっとだけ傾げながら、上目遣いで僕に話しかける。
「あのさ。西山さんは、今何をやってるのか分かってるの?」
「勿論だよぉ~。愛子、馬鹿じゃないもん。」
「なら言ってみてよ。」
「ん~?良いよぉ~。答えはぁ~。『勇者の勇と騎士の のぞむくんの戦い!』でしょ?もぉ~。そんなの簡単過ぎだよぉ~。いくらのぞむくんでも、今度愛子馬鹿したら、怒っちゃうからね~。」
ウザっ……なんだ?この女。ウザいわ うっせえわ で最悪だな。頭の中で、元の世界で流行っていた歌が急に流れ出したが、僕がウザがるのは後だな。
その前に、この馬鹿女にも分かる様に状況説明をしないとだ。
「違うよ、西山さん。僕と相田君との戦いじゃないよ。君とミランダさんとの『聖女対決』が本当の目的な筈だ。馬鹿じゃないって言うんなら、ちゃんと思い出しなよ。」
「え?『聖女対決』……?そう……だっけ?」
「あぁ、そうだよ。聖女様だって言うんなら、そこで蹲っている相田君と、それからあそこ……っ!?ヤバい!西山、危ない!!」
「「くらえー!!」」
愛子に、勇や賢達を治癒させようと指し示そうと、彼等見たその瞬間、氷で出来た無数の刃が僕と愛子に向かって飛んできた!
賢と昴が作った氷の刃だ。
倒れて気絶していると思っていたが油断した!
多分、僕が愛子と話している隙に、彼等は周りに気付かれない様に呪文を唱えていたんだろう。
「キャー!!」
耳を劈く様な高声で悲鳴をあげる愛子を庇い、僕の下になった彼女を押し潰さないようにしながら地面に伏せるも、そんな行動は全くの防御にはならず、刃は僕の無防備な背中や足を容赦なく傷付け、周りの地面に刺さっていく。
痛みで気を失いそうになるが、なんとか攻撃の手が終わるのを待ってその場に起き上がると、寝転がったままの愛子を放置すると、僕は魔銃を構え、賢と昴の足に一発ずつ弾丸を撃ち込んだ。
痛みに声も出ない様子の賢と昴。
己の足を抱え悶絶している。
僕はそんな二人の様子を確認すると、その場に仰向けで倒れたんだ。
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