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第八章 王との謁見(相応しいのは誰だ?直接対決編)

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「「のぞむ!」」
「のぞむ君!!」
「のぞむくん!」
空を見ている僕の耳に、4人の声が一斉に聞こえた。
その4人の内3人が僕に駆け寄り、一番近くにいた残りの1人が僕の左手を握り
「大丈夫?のぞむくん。痛い所とかない?」
と心配そうに聞いてきた。
痛いに決まってんだろ……。彼奴らの刃で、なかなかどうして、結構エグく切られてんだぞ。痛くないわけないだろうが。
と言いたいのだが、何故か声が出なかった。
どうやら相当ヤバいらしい。
身体もなんだか寒くなってきたし……

薄れゆく意思の中、ミランダさんの香りに包まれた気がした。
僕はそのまま深い沼の底へとゆっくり落ちていったんだ。

~ 冒険者 渡瀬 望side 終~

 ◆*:;;;:*◆◇*:;;;:*◆◇*:;;;:*◆◇*:;;;:*◆

「のぞむくん!のぞむくん!しっかりしてよぉ~。ねぇってば……ねぇのぞむくん!誰か~救急車呼ん「お退きなさい!」え?あんた誰よ!」
「君、早く退くんだ!ミランダ、のぞむを」
「え?え?」
「早く退け!ミランダ様、のぞむをお願いします。」
「お任せ下さいまし、お兄様、カールソン。のぞむ君、のぞむ君。もう大丈夫ですわ。お気を確かになさいませ。」

え?どゆこと?
さっきまで愛子がのぞむ君の一番傍にいられたのに、ミランダとか呼ばれてた女にその場所取られちゃったし!

仕方なく、愛子はそこで見ている事にしたの。
すると、ミランダって人の腕の中にいるのぞむくんは、賢と昴彼奴らの魔法でボロボロになっちゃった服を脱がされてたんだ。
下着姿にされたのぞむくんの身体はとってもとっても綺麗だった。盛り上がった胸筋と、六つに割れた腹筋。あとは……よく分からないけど、めちゃくちゃ逞しかったの。
でも……そんな綺麗なのぞむくんの身体、特に背中と足には無数の傷が付いていて、結構深そうなのもあるっぽくて、そこから血がめちゃくちゃ流れているの。
ミランダて人の洋服は、のぞむくんの流す血でどんどん赤く汚れていってるし、のぞむくんの顔色はどんどん悪くなっていく一方だし、のぞむくん……本当に死んじゃうんじゃない?って思ってじっと見ていたら、
「貴女、何をなさっておられますの?」
とミランダて人が愛子を睨んでそう言ったの。
「え?なんで?見てるだけだけど?」
「見てるだけ……等と仰ってる場合ではございませんわ。貴女も聖女の端くれでいらっしゃるのなら、ご同胞の傷の手当てをなさったら如何?」
と言ってきたの。
「え?ゴドウホウて?」
愛子、馬鹿じゃないけど…昔の言葉とかは分かんないんだよね~。だから首を傾げていると、
彼処あそこで呻いているのはアンタの仲間だろ?とっとと治癒魔法でもかけてやったらどうだ?」
とおっきな男の人にそう言われちゃったんだ。
この人って~、寺田を王様の前から引き摺ってった人だよね?
う~ん……、ちょっとカッコいい人だけど、愛子、怖い人苦手なんだよね~。愛子は~、イケメンで~愛子に優しい人じゃないとだもん。
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