エメラルドの涙

千島 美結

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何て言いました?

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リムジンに乗っても母親は何も言わない。
「ねえ、 どこに向かってるの!」と聞いたら
「王宮」と言われた。
へえ、王宮ねぇ… 
は?!
王宮?
王様やその家族が住むところよね?
なんで?
答えを聞こうと母親を見ても無視された。
一体何を隠してるのよ
そもそも、小さい頃からタアのことを聞いたら、話を逸らされることは多々あったが、それが王宮と何か関係があるのであろうか。
全くわからない。


そんなこんなで、王宮に着いた。
洋風とアジアンチックな雰囲気が混ざった王宮だ。

どの装飾も素晴らしくてキョロキョロしてたら、母親に睨まれた。

母親にまた怒られないように大人しく歩く。

一体誰に会いに行くのだろう。




「タンジャー様 こちらでございます。」母親の名前だ。
案内していた侍女が立ち止まって1つの扉に注目する。それに従って扉を見たら凄かった。どう見ても金が使われているであろう取っ手が付いたタアの伝統的な模様が彫られているドアである。
タアってこんなに金持ちなの?!
頭の中で色々考えていたら、母親に手首を掴まれ、部屋に連れられていた。
「お母さん痛い!」あまりの痛さに叫んでも母親は手を離さない。
猛スピードで歩いているためついて行くだけで精いっぱいだ。

やっと立ち止まってくれた。一体どういうこと もう何回めになるだろうかの一体を心の中で呟く。
母親がシッとした。そのときに翡翠は気づいた。目の前には綺麗なタア伝統衣装を着た人々がいる。真ん中の高そうな椅子に座っている老人が口を開いた。
「よく 帰ってきた 娘よ」
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