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9 即戦力≒最前線決定♡ (微ざまぁ有り)
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「そうか。即戦力とは何を指すか分かっているのか?」
「え? 魔塔の勤務・・・」
「馬鹿か魔塔は研究職、つまり王宮魔術師の管轄だ」
「へ?」
「お前の所属は騎士団所属の魔術部門だろうが」
冷たい視線をリーナに浴びせながら続けるシルファ王子。
「我が婚約者が討伐に向かったように、お前も直ぐに辺境伯領に続く魔の森の要塞勤務だ」
「へ?」
王子の言葉で、尻餅をついたまま間抜け顔になるリーナ。
「今日が王都で綺羅びやかな世界を愉しむ最後の時間だったからこそ、お前のような図々しい女のエスコートも引き受けてやったがソフィアに対して無礼な口をきくお前など、この場から直ぐに最前線へ送り込んでやる。ああ、お前の両親はそれに関しては了承の同意書に既にサインしているから心配するな」
美しく整った顔に妖艶な笑顔を貼り付ける王子。但しサファイアのように澄んだ青い目は全く笑っておらず、冷たいままだが・・・
「ひィッ! そんな」
一気に顔色が青くなるリーナ。
「我が婚約者の盾くらいにはなれるかもしれんが、一緒の場所に送り込んだら彼女に危害を加えかねん。最北端の地にしておくか」
そう言って彼が片手を上げると、騎士達と共に王宮魔術師のローブを着た男達が現れた。
「この者は最北の塔に直ぐに派遣して良い。本人曰く『即戦力』確実らしいからな」
「「「「はッ!」」」」
男達が彼の前で跪いて頭を下げた後、立ち上がってリーナのほうに向かい歩いて来た。
「良かったな。貴重な人材だったからこそ不敬罪で牢獄に放り込まれずに済んだからな」
そう言いながら騎士の1人が彼女の腕を掴み、座り込むリーナを軽く引っ張り上げて立たせると
「そうだな、他のハニトラ要員は全員不敬罪で牢屋行きだったからなあ。殿下に付き纏って生き残ってるのはお前だけだよ」
ははははッと朗らかに笑うもう1人の騎士。
「え? 生き残ってる?」
その言葉で益々顔色が悪くなる。
それを見て魔術師のローブを着た青年がニッコリ笑う。
「そうだよ~。学園で殿下に付き纏ってた女達この会場の何処にいるのさ? 殿下の婚約者様に対するヤンデレ具合を舐めたらだめだよぉ~」
彼はそう言いながら。
親指を立てて自分の首を切るような仕草をした。
所謂『死刑』のサインだ。
「令嬢達の保護者達も、まあそれなりに罰を受けたしね」
「まあ良くて当主の代替わり。それ以外は聞かん方が身のためかもな」
カラカラと笑いながらリーナを肩に担ぎ上げる屈強な騎士。
「きゃあっ!」
あっという間に彼ら4人の足元に転移魔法陣が現れる。
「御前を失礼します」
高齢の魔術師がそう言ってお辞儀をすると彼らの姿は消えてしまう。
会場は何事もなかった様に音楽が奏で始められた。
「さて、ソフィアの所に私も行くかな」
そう言いながら会場からまるでスキップでもするかのように楽しそうに出て行く王太子殿下の背中を見送る残された生徒達。
「殿下って、婚約者様がいない時だけ饒舌になるよね・・・」
誰かがポツリと呟きそれに対して全員がウンウンと頷いた。
「え? 魔塔の勤務・・・」
「馬鹿か魔塔は研究職、つまり王宮魔術師の管轄だ」
「へ?」
「お前の所属は騎士団所属の魔術部門だろうが」
冷たい視線をリーナに浴びせながら続けるシルファ王子。
「我が婚約者が討伐に向かったように、お前も直ぐに辺境伯領に続く魔の森の要塞勤務だ」
「へ?」
王子の言葉で、尻餅をついたまま間抜け顔になるリーナ。
「今日が王都で綺羅びやかな世界を愉しむ最後の時間だったからこそ、お前のような図々しい女のエスコートも引き受けてやったがソフィアに対して無礼な口をきくお前など、この場から直ぐに最前線へ送り込んでやる。ああ、お前の両親はそれに関しては了承の同意書に既にサインしているから心配するな」
美しく整った顔に妖艶な笑顔を貼り付ける王子。但しサファイアのように澄んだ青い目は全く笑っておらず、冷たいままだが・・・
「ひィッ! そんな」
一気に顔色が青くなるリーナ。
「我が婚約者の盾くらいにはなれるかもしれんが、一緒の場所に送り込んだら彼女に危害を加えかねん。最北端の地にしておくか」
そう言って彼が片手を上げると、騎士達と共に王宮魔術師のローブを着た男達が現れた。
「この者は最北の塔に直ぐに派遣して良い。本人曰く『即戦力』確実らしいからな」
「「「「はッ!」」」」
男達が彼の前で跪いて頭を下げた後、立ち上がってリーナのほうに向かい歩いて来た。
「良かったな。貴重な人材だったからこそ不敬罪で牢獄に放り込まれずに済んだからな」
そう言いながら騎士の1人が彼女の腕を掴み、座り込むリーナを軽く引っ張り上げて立たせると
「そうだな、他のハニトラ要員は全員不敬罪で牢屋行きだったからなあ。殿下に付き纏って生き残ってるのはお前だけだよ」
ははははッと朗らかに笑うもう1人の騎士。
「え? 生き残ってる?」
その言葉で益々顔色が悪くなる。
それを見て魔術師のローブを着た青年がニッコリ笑う。
「そうだよ~。学園で殿下に付き纏ってた女達この会場の何処にいるのさ? 殿下の婚約者様に対するヤンデレ具合を舐めたらだめだよぉ~」
彼はそう言いながら。
親指を立てて自分の首を切るような仕草をした。
所謂『死刑』のサインだ。
「令嬢達の保護者達も、まあそれなりに罰を受けたしね」
「まあ良くて当主の代替わり。それ以外は聞かん方が身のためかもな」
カラカラと笑いながらリーナを肩に担ぎ上げる屈強な騎士。
「きゃあっ!」
あっという間に彼ら4人の足元に転移魔法陣が現れる。
「御前を失礼します」
高齢の魔術師がそう言ってお辞儀をすると彼らの姿は消えてしまう。
会場は何事もなかった様に音楽が奏で始められた。
「さて、ソフィアの所に私も行くかな」
そう言いながら会場からまるでスキップでもするかのように楽しそうに出て行く王太子殿下の背中を見送る残された生徒達。
「殿下って、婚約者様がいない時だけ饒舌になるよね・・・」
誰かがポツリと呟きそれに対して全員がウンウンと頷いた。
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