異端の巫子

小目出鯛太郎

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悪戯な指先

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それから何をしたかと言えば、俺が自由に使える巫子のお手当はいくらなのかを聞いて、嫌がるルゥカーフにロベリオの学費を支払うように頼んだ。巫子の使えるお金って結構あるんだよ。びっくりだよ。俺、服も宝石もいらないしこれならなんとかなりそうだ。ロベリオは援助を打ち切られたって言ってたからね。食事はここで取れば良いよな?服や学用品等何かを二人分買っても余るくらいは余裕がありそうだ。


住む場所に関しては星養宮の裏口の側の階段下の部屋があてがう予定になった。使ってない部屋がいくつもあるから、小さい部屋の一つくらいは使ってもらっても良かったのに。


「生意気なやつはつけあがるから、自分の立場がわかる相応しい場所に置いておけば良いんだ」
シェスがロベリアに普通の部屋を与えるのに反対して、そうなった。


書類をめくっていた俺の首にシェスの腕が絡む。手足がスラリとして見えるけど服の下は筋肉質で、こんなふうにされると息が詰まってしまう。
「こんなことも気軽に出来なくなるな。んん…それとも見せつけたいのか?」

「ななな…なに言ってんの」
いきなり耳をかじられて背中が反り返った。

「わぁぁっ、真面目な書類見てるのにふざけるのやめてよ!」
耳を噛んだり舐めようとする躾の悪い大型犬をあやしたりなだめるみたいにシェスの腕をたたいて、頭をわちゃわちゃかき回した。


俺の手元には、巫子の権利について書かれた書面があった。シェスは俺が読むのをさっきから邪魔するんだ。結局抱え込まれて腿の上に乗せられる。

「エヌがそんな大きな声で喘いだら何をしてるかなんて1階に筒抜けだな」

「喘いでないし!そういう変な事言わないでよ。もし星養宮で一緒に暮らすことになってもロベリオには2階に上がらないように言えば大丈夫だと…」


ぎしっと椅子が軋んだ。
いつもはそんな音なんて気にした事が無かったのに。シェスが変な事言うからこの音が何処まで聞こえるんだろうって思ってしまった。大きな建物だし、重厚な造りだから物音や声が下の階まで響くはずない。と思いたい。
シェスの指が悪戯をはじめて、触ってくる指を払いながら声を聞かれたくないだとか、こういう事をしているのをロベリオに知られるのは厭だなって思ってしまった。
誰かを星養宮に置くって云うことは、俺とシェスの関係が知られちゃうかもしれないってことなんだよな…。


「ロベリオを入宮させても俺とこういうことを続けたい?」
シェスは悪戯をやめてはくれなくてズボンの中に指を潜らせた。
指先まで熱い手で性器を握られると反論どころかすぐに何も言えなくなった。

「エヌ、身分の偽造は現実的じゃない。王宮の管理官達の目も節穴ってわけじゃないからな。セルカから誰かの身分を偽造してロベリオを雇うっていうのは止めた方が良い。異国籍に対する審査のほうが厳しいから、すぐにばれる。それより後援者になれ、そのほうが責任逃れもしやすい」

悪戯されながら聞く内容じゃないのに。
「…んっ………ん、後援者パトロンって……なに…」
シェスに背中を預けたま愛撫を受け続ける。書類から手を離した。そうしないとぐしゃぐしゃにしてしまう。

この先に続く行為がどんなに気持ち良いのか身体が覚えてしまっていて、抗うように伸ばした手はまるで役に立たずにシェスの手を弱く掴んでいるだけだ。

「学術支援て名目で金銭の援助だけすればいい。傍目からは従者を雇っているように見せてロベリオにもそう思い込ませてしっかり働かせろ。逆らわないように服従させるんだ。…もし何か起きても世間知らずのお優しい巫子様が貧しい少年に施しをしたという体で済ませられるように」


なんでそんな大事なことをいやらしい手付きのまま言うんだって文句を言いたい。
それに何が起こるとも思えない。
「身分証がないと…王宮の敷地から出られない………のに、どう…」
「出さなければいい」

シェスは陰茎の先端、皮膚の薄い一番敏感な場所を指の腹で堰き止めるように押さえた。

「どうせ懲罰房に立て籠もっていた奴なんだから、出歩ける範囲が増えるだけ感謝してもらわなくては。敷地外に出られなくても生活はしていける。現にあなたがそうだ」

指の腹で優しく押されるように擦られる。
「でもここは我慢できないみたいだ、出したい?」
シェスは指の動きを早めた。俺が漏らした先走りで濡れた手を動かされる。
ぴちゃっと俺に聞こえるだけの水音。これは階下まで響く事がない。そんな小さな音を変に意識してしまった。

こんな小さな器官を掴まれただけで背は反り返るし、足は震えて汗ばみ息も乱れる。
「シェス、もうだめ…我慢できない」

出したい?と聞かれて頷くのに駄目とお預けを喰らわされる。今度は俺が待ての出来ない犬みたいにシェスの腕の中で体を震わせる。

出したい?だめ、ほらこれで出られない、出せない、我慢できるでしょうと言葉遊びみたいに優しい声で囁きながら、シェスの指は俺が半泣きになるまで悪戯を繰り返した。


ロベリオの事で面倒をかけちゃうからその意趣返しなのか。だとしたらシェスは怒ってるのかもしれない。


「我儘言ってごめん、迷惑…かけないよ…に…するから……っ」

謝ってみたけれど、もうかけてるってシェスは低い声で笑った。
シェスの手は俺が我慢できなかった白濁で汚れて、その白い雫が大きな手のひらを伝い落ちていくのを俺はぼんやり見つめていた。
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