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5.良からぬことでも
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「テレシア、なんということを……」
「……ハルベルト様」
草木に身を隠していたハルベルト様は、踊り子の女性の前に出て行った。
彼は、周囲を見渡している。未だに人に見つかることを恐れているようだ。
それは、傍で横たわっているボルガン公爵が原因だろうか。確かにそれは、人に見つかったらまずいことになるような気がする。
「申し訳ありません。しかし我慢の限界です。このような悪鬼羅刹をのさばらせておくことは、これ以上できません。どうか私に決断を下させてください」
「テレシア、落ち着くんだ。僕達の気持ちは同じだということを思い出してくれ。僕達は、それぞれの役目を果たすことが重要なんだ。とにかく、兄上に連絡しなければ……」
ハルベルト様とテレシアなる女性は、慌てた様子で話をしていた。
それを見ながら私は、ふと我に返る。これは明らかに異常な事態である。それは放っておいても良いものなのだろうか。
「ソフィーナ嬢、こちらに来てください」
「……」
「ソフィーナ嬢? ああ、ハルベルト様は確か……」
「ああ、もう……」
ハルベルト様の呼びかけに、私は出て行くことにした。
彼らは恐らく、良からぬことをしようとしている。出て行くことに躊躇いはあった。
しかし私の存在が知られている以上、逃げても無駄だと理解した。
この際、彼らが何をしようとしているかなんてどうでもいい。最悪の場合、身の安全さえ確保できれば良いだろう。別にボルガン公爵がどうなったとしても、私には関係ないのだし。
「ハルベルト様……」
「ソフィーナ嬢、申し訳ありませんが、少々事情が変わりました。あなたをこのまま帰すということはできなくなりました」
「まあ、そうですよね……」
「とりあえず、ここにテレシアとともにいてください。僕は少し場を離れます」
私にそう言ってから、ハルベルト様は駆け出した。
先程言っていたが、お兄様辺りに伝えに行こうというのだろう。今回の件には、もしかしたら多くの人が関わっているのかもしれない。
「……ソフィーナ嬢、お初にお目にかかります。私はテレシアと申します」
「ご丁寧にどうも……私はソフィーナと申します」
ハルベルト様が去ってから、テレシアさんは私に対して優雅に挨拶をしてきた。
そういった所作は、流石踊り子である。いや、感心している場合ではないのだが。
先程までと比べると、テレシアさんは落ち着いている。だが彼女は、ボルガン公爵を襲った張本人だ。ある程度は警戒しておかなければならない。
しかし、どうしてこんなことになったのだろうか。私はただスウェンリー男爵家の今後のため犠牲になろうとしていただけだったのに、何やらとんでもないことに巻き込まれてしまったようである。
「……ハルベルト様」
草木に身を隠していたハルベルト様は、踊り子の女性の前に出て行った。
彼は、周囲を見渡している。未だに人に見つかることを恐れているようだ。
それは、傍で横たわっているボルガン公爵が原因だろうか。確かにそれは、人に見つかったらまずいことになるような気がする。
「申し訳ありません。しかし我慢の限界です。このような悪鬼羅刹をのさばらせておくことは、これ以上できません。どうか私に決断を下させてください」
「テレシア、落ち着くんだ。僕達の気持ちは同じだということを思い出してくれ。僕達は、それぞれの役目を果たすことが重要なんだ。とにかく、兄上に連絡しなければ……」
ハルベルト様とテレシアなる女性は、慌てた様子で話をしていた。
それを見ながら私は、ふと我に返る。これは明らかに異常な事態である。それは放っておいても良いものなのだろうか。
「ソフィーナ嬢、こちらに来てください」
「……」
「ソフィーナ嬢? ああ、ハルベルト様は確か……」
「ああ、もう……」
ハルベルト様の呼びかけに、私は出て行くことにした。
彼らは恐らく、良からぬことをしようとしている。出て行くことに躊躇いはあった。
しかし私の存在が知られている以上、逃げても無駄だと理解した。
この際、彼らが何をしようとしているかなんてどうでもいい。最悪の場合、身の安全さえ確保できれば良いだろう。別にボルガン公爵がどうなったとしても、私には関係ないのだし。
「ハルベルト様……」
「ソフィーナ嬢、申し訳ありませんが、少々事情が変わりました。あなたをこのまま帰すということはできなくなりました」
「まあ、そうですよね……」
「とりあえず、ここにテレシアとともにいてください。僕は少し場を離れます」
私にそう言ってから、ハルベルト様は駆け出した。
先程言っていたが、お兄様辺りに伝えに行こうというのだろう。今回の件には、もしかしたら多くの人が関わっているのかもしれない。
「……ソフィーナ嬢、お初にお目にかかります。私はテレシアと申します」
「ご丁寧にどうも……私はソフィーナと申します」
ハルベルト様が去ってから、テレシアさんは私に対して優雅に挨拶をしてきた。
そういった所作は、流石踊り子である。いや、感心している場合ではないのだが。
先程までと比べると、テレシアさんは落ち着いている。だが彼女は、ボルガン公爵を襲った張本人だ。ある程度は警戒しておかなければならない。
しかし、どうしてこんなことになったのだろうか。私はただスウェンリー男爵家の今後のため犠牲になろうとしていただけだったのに、何やらとんでもないことに巻き込まれてしまったようである。
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