誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。

木山楽斗

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50.悪しき王の意思

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「お前とは随分と長い付き合いになる……だが、まさかこんな所で再会することになるとは思っていなかった。運命とは、数奇なものだな……」
『ズグヴェル……』

 ズグヴェルさんの呼びかけに応えるように、私の頭の中には声が響いてきた。
 それは、ズグヴェルさんの声が聞こえてきた時と同じ現象である。この野太い声が、悪しき王の声ということなのだろう。

「ここで会ったのが運の尽きだ。そろそろ滅びてもらわなければならない」
『ぬぐっ……』
「人から人へと移り、私利私欲を肥やすために行動する。それで、お前は何人もの人生を無駄にしてきた。その報いを、そろそろ受けるべきなのだ」
『愚かな龍の端くれ如きが、知ったような口を聞きおって……』

 悪しき王ドグマードは、忌々しそうに言葉を放っていた。
 どうやら、現在の力関係的には、ズグヴェルさんの方が有利なようだ。そうでなければ、レリクス様がこんな風に簡単に拘束されるはずもないので、それは当然といえば当然なのかもしれないが。

「お前に封印されてからというもの……お前を消し去ることだけを考えて生きながらえてきた。その悲願が達成できるというのは、なんとも感慨深いものだ」
『ふん……余裕そうだが、お前にこのわしを滅ぼすことはできん。封印を解く方法などないはずだ!』
「さて、どうかな?」

 悪しき王は、笑っていた。
 それは、そうだろう。今の力関係で遠く及ばなくても、悪しき王を倒すことは難しいことだからである。

 以前、ズグヴェルさんは言っていた。
 レリクス様から悪しき王を引きはがすのは難しいと。
 その方法が、何か見つかったのだろうか。だが、それについて私は特に聞いていない。本当に、方法があるのだろうか。

「ズグヴェル、ここですか?」
「来たか、シェリウェント……」

 次の瞬間、教室の戸が開かれて、一人の女性が会議室の中に入って来た。
 彼女は、セリティアだ。しかし、今はシェリウェントさんなのだろう。

『シェリウェントだと?』
「久し振りですね、ドグマード」
『ふん、何体来た所で同じだ。お前達になす術はない!』

 ドグマードは、シェリウェントさんの来訪にも特に焦っていないようだ。
 封印を解く方法はない。本当にそう思っているのだろう。

「ドグマード、確かに俺達は封印を解く方法を知らん。そんな方法がわかっているなら、とっくに元の姿に戻っていただろう。だが、お前を消す方法については思いついている。お前が宿っている小僧が、それを教えてくれた」
『何?』

 ズグヴェルさんの言葉に、ドグマードは驚いていた。
 それは、私も同じである。
 レリクス様が、悪しき王を消す方法を教えた。そんな覚えが、まったくなかったからである。
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