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14.似たような立場
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「あっ……」
レオールさんは、すぐに見つかった。
彼は教会の裏に腰掛けて、何かを考えるように遠くを見ていた。
そんな彼に、私はゆっくりと近づいていく。すると、彼の首が素早くこちらを向いた。その視線は、先程よりも鋭い。
「……なんだ。あんたか」
「……すみません。急に近寄ってしまって」
「いいや、それは構わない。それより、何をしに来たんだ?」
レオールさんは、私に対して少し身を強張らせていた。
もしかしたら、先程のやり取りを責められると思っているのかもしれない。なんというか、とても気まずそうだ。
そんな彼になんと声をかけるべきか、私は少し迷った。なんと声をかければいいのかが、中々まとまらない。
「初めて会う私がこんなことを言うのは変かもしれませんけれど……あなたは、お兄さんに劣等感を覚えているのではありませんか?」
「何?」
「……私にも姉がいましたから、なんとなくわかったんです。あなたはお兄さんと話す時に、なんだか少し辛そうだった」
「それは……」
結局私は、自分が思ったことを素直に告げることになった。
それに対して、レオールさんは驚いたような顔をしている。表情からして、どうやら私の予測は外れていないようだ。
「……兄貴は優秀な奴だからな。確かに劣等感というものを覚えているのかもしれない」
「やはり、そうだったのですね……」
「しかし、それがわかったというだけで俺を追いかけてきたのか。あんたはなんというか、少し不思議な奴なんだな?」
「まあ、そうですね……」
レオールさんの言葉に、私はゆっくりと頷いた。
彼の言う通り、私の行動は変だ。普通に考えれば、絶対にしないような行動である。
だがそれでも、私は彼と話がしたいと思ってしまった。彼と話すことは、私が長年抱いている想いに決着をつけることに繋がるかもしれないからだ。
「実の所……私の姉は行方不明になったんです」
「行方不明? 何か事件に巻き込まれたのか?」
「いいえ、そういう訳ではありません。事故でまだ見つかっていないというだけです」
「……なるほど」
私が事情を話すと、レオールさんは悲しそうな顔をしていた。
案外、考えが顔に出るタイプであるらしい。その事実に、私は少し笑ってしまう。
「姉は、私よりも遥かに優秀な人でした。私は彼女といつも比較されていて……まあ、そういう所はレオールさんと同じといえるでしょうか」
「俺と同じ……か」
レオールさんの態度は、少しだけ柔らかくなっているような気がした。
彼も、私に共感を覚えてくれたということだろうか。それはなんだか、少し嬉しかった。
レオールさんは、すぐに見つかった。
彼は教会の裏に腰掛けて、何かを考えるように遠くを見ていた。
そんな彼に、私はゆっくりと近づいていく。すると、彼の首が素早くこちらを向いた。その視線は、先程よりも鋭い。
「……なんだ。あんたか」
「……すみません。急に近寄ってしまって」
「いいや、それは構わない。それより、何をしに来たんだ?」
レオールさんは、私に対して少し身を強張らせていた。
もしかしたら、先程のやり取りを責められると思っているのかもしれない。なんというか、とても気まずそうだ。
そんな彼になんと声をかけるべきか、私は少し迷った。なんと声をかければいいのかが、中々まとまらない。
「初めて会う私がこんなことを言うのは変かもしれませんけれど……あなたは、お兄さんに劣等感を覚えているのではありませんか?」
「何?」
「……私にも姉がいましたから、なんとなくわかったんです。あなたはお兄さんと話す時に、なんだか少し辛そうだった」
「それは……」
結局私は、自分が思ったことを素直に告げることになった。
それに対して、レオールさんは驚いたような顔をしている。表情からして、どうやら私の予測は外れていないようだ。
「……兄貴は優秀な奴だからな。確かに劣等感というものを覚えているのかもしれない」
「やはり、そうだったのですね……」
「しかし、それがわかったというだけで俺を追いかけてきたのか。あんたはなんというか、少し不思議な奴なんだな?」
「まあ、そうですね……」
レオールさんの言葉に、私はゆっくりと頷いた。
彼の言う通り、私の行動は変だ。普通に考えれば、絶対にしないような行動である。
だがそれでも、私は彼と話がしたいと思ってしまった。彼と話すことは、私が長年抱いている想いに決着をつけることに繋がるかもしれないからだ。
「実の所……私の姉は行方不明になったんです」
「行方不明? 何か事件に巻き込まれたのか?」
「いいえ、そういう訳ではありません。事故でまだ見つかっていないというだけです」
「……なるほど」
私が事情を話すと、レオールさんは悲しそうな顔をしていた。
案外、考えが顔に出るタイプであるらしい。その事実に、私は少し笑ってしまう。
「姉は、私よりも遥かに優秀な人でした。私は彼女といつも比較されていて……まあ、そういう所はレオールさんと同じといえるでしょうか」
「俺と同じ……か」
レオールさんの態度は、少しだけ柔らかくなっているような気がした。
彼も、私に共感を覚えてくれたということだろうか。それはなんだか、少し嬉しかった。
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