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2.継母と妹
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私にはお父様の他に、二人の家族がいる。妹のメセリア、継母であるティシア様だ。
私と二人の仲は、良いものであるとは言い難い。特別悪いという訳でもないのだが、隔たりがあるような関係性だ。
それは、仕方ないことであるだろう。二人にとって私は、腹違いの姉で前妻の子なのだから。
とはいえ、私達が目指す所は同じであるといえる。マートン伯爵家の発展、それが家に所属する者が成すべきこととして、共通の認識だ。
しかし私は、お父様からその梯子を外されてしまった。婚約という私の一番の役目について、期待されていない。その事実は、私に重くのしかかってきていた。
「……お姉様、どうかされましたか?」
「メセリア……それに、ティシア様も」
お父様の執務室から自室に向かっている途中、私はメセリアとティシア様と顔を合わせた。
二人は、私の顔を見て少し驚いているようだ。特にメセリアは、目を丸めている。どうやら私の顔色は、かなり悪いようだ。
「確か、お父様と話をしていたはずですよね? そこで何かありましたか?」
「いや、別にそういう訳では……」
「……そうですか」
メセリアからの質問に、私は嘘をついた。それは私の中に、ちっぽけなプライドというものがあったからだ。
実質的に家を継ぐメセリアに対して、嫁に行くという役目すら期待されていない自分、私はその差を感じていた。
それについて、メセリアに私の口から言うことは、あまりにも惨めに思える。だから私は、少し強い口調で否定の言葉を発してしまったのだ。
「……例のこと、ですか」
そこで今まで黙っていたティシア様が口を開いた。その言葉から、私は察する。彼女は事実を知っているのだと。
妻であるティシア様は、お父様と最も生活をともにしている。その中で話を聞く機会が、あったということだろう。
「私は、あの人の判断を肯定します」
「それは……」
ティシア様の言葉に、私は息を呑む。
薄々わかっていたことではあるが、やはり彼女は私のことを快く思っていないということだろう。お父様と同じように、私をマートン伯爵家に必要だとは思っていないらしい。
「お母様、一体どういうことなのですか?」
「マートン伯爵家の未来のことよ。あなたにも関係があることだわ。メセリア、あなたは姉に頼らずこのマートン伯爵家を守っていかなければならないのよ」
「それは……」
実の娘からの質問に、ティシア様は少し厳しい口調で言葉をかけた。
それにメセリアは、何かを察したようだ。彼女はその表情を真剣なものへと変えていく。
「最初からそのつもりです。私はお姉様に頼るつもりはありません」
メセリアは、私の方を見てはっきりと言ってきた。
彼女もまた、私のことを必要としている訳ではないようだ。その視線からは、それが伝わってくる。
妹の意思を感じながら、私は改めて思い知っていた。自分がマートン伯爵家に属する誰からも、求められていないということを。
私と二人の仲は、良いものであるとは言い難い。特別悪いという訳でもないのだが、隔たりがあるような関係性だ。
それは、仕方ないことであるだろう。二人にとって私は、腹違いの姉で前妻の子なのだから。
とはいえ、私達が目指す所は同じであるといえる。マートン伯爵家の発展、それが家に所属する者が成すべきこととして、共通の認識だ。
しかし私は、お父様からその梯子を外されてしまった。婚約という私の一番の役目について、期待されていない。その事実は、私に重くのしかかってきていた。
「……お姉様、どうかされましたか?」
「メセリア……それに、ティシア様も」
お父様の執務室から自室に向かっている途中、私はメセリアとティシア様と顔を合わせた。
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「いや、別にそういう訳では……」
「……そうですか」
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実質的に家を継ぐメセリアに対して、嫁に行くという役目すら期待されていない自分、私はその差を感じていた。
それについて、メセリアに私の口から言うことは、あまりにも惨めに思える。だから私は、少し強い口調で否定の言葉を発してしまったのだ。
「……例のこと、ですか」
そこで今まで黙っていたティシア様が口を開いた。その言葉から、私は察する。彼女は事実を知っているのだと。
妻であるティシア様は、お父様と最も生活をともにしている。その中で話を聞く機会が、あったということだろう。
「私は、あの人の判断を肯定します」
「それは……」
ティシア様の言葉に、私は息を呑む。
薄々わかっていたことではあるが、やはり彼女は私のことを快く思っていないということだろう。お父様と同じように、私をマートン伯爵家に必要だとは思っていないらしい。
「お母様、一体どういうことなのですか?」
「マートン伯爵家の未来のことよ。あなたにも関係があることだわ。メセリア、あなたは姉に頼らずこのマートン伯爵家を守っていかなければならないのよ」
「それは……」
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それにメセリアは、何かを察したようだ。彼女はその表情を真剣なものへと変えていく。
「最初からそのつもりです。私はお姉様に頼るつもりはありません」
メセリアは、私の方を見てはっきりと言ってきた。
彼女もまた、私のことを必要としている訳ではないようだ。その視線からは、それが伝わってくる。
妹の意思を感じながら、私は改めて思い知っていた。自分がマートン伯爵家に属する誰からも、求められていないということを。
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