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16.手遅れな状態(モブ視点)
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第三王子であるドルマールは、驚愕していた。
自分に逆らう不穏分子を消し去る。そう考えた彼は、一連の首謀者であるトルフェリア・エーケンシスの殺害を企てた。
しかし、その目論見は失敗した。ドルマールが送り込んだ暗殺者は返り討ちにされてしまったのだ。
「くそっ……!」
暗殺者を返り討ちにしたのは、兄であるダルガリスが率いている騎士団の人間だった。
トルフェリアのことを騎士団が極秘で護衛していた。その事実から、ドルマールは一つの推測をする。
「兄上め! 僕を嵌めやがったな!」
トルフェリアが危険であると教えたダルガリスが護衛を用意していた。それはつまり、一連の流れが仕組まれていたということである。
それにまんまと引っかかった。その事実にドルマールは屈辱を覚えていた。プライドの高い彼にとって、それは許せないことだったのだ。
「失礼する」
「む? 誰だ?」
「私だ。ドルマール。お前の兄であるダルガリスだ」
「兄上? ……何をしに来た!」
「ふん……」
そんな彼の元をダルガリスが訪ねて来た。後ろには騎士団もいる。それが何を意味するかは、ドルマールにも理解できた。
だが、ドルマールは疑問を覚えていた。確かに自分の目論見は失敗したが、どうしてこの状況になったかがわからないのだ。
「兄上、一体どういうことですか?」
「トルフェリア嬢を狙った暗殺者が吐いた。今回の件の首謀者はお前であると」
「なっ……」
「故に、俺はお前を捕まえに来た。身内だからといって、容赦はしない。お前の悪行を白日の元に晒して、裁きを与える。それが王族としての俺の覚悟だ」
暗殺者が自分の名前を吐く。それは、あり得ないことである。
依頼主の名前を絶対に吐かない。それが暗殺者というものだ。いくら捕まったからといって、自分の名前が出てくるなんてあり得ない。
「兄上、まさか暗殺者の言い分を信じるのですか?」
「ほう?」
「奴らは依頼主の名前なんて口が裂けても言わないでしょう? もしも仮に僕の名前が出てきたのだとしたら、それはブラフでしかない。兄上は、そんなこともわからないのですか?」
「往生際の悪い奴だな……お前はもう終わりなんだ。諦めろ」
「何を言って……あ、ああ!」
そこで、ドルマールは絶望的な表情を浮かべることになった。
ダルガリスが率いる騎士団の中に、見知った顔がいた。それは、ドルマールが雇った暗殺者である。
それを見て、彼は理解する。既に自分は四方を囲まれた状態なのだと。全ては、ダルガリスの手の内。つまり手遅れなのだと。
自分に逆らう不穏分子を消し去る。そう考えた彼は、一連の首謀者であるトルフェリア・エーケンシスの殺害を企てた。
しかし、その目論見は失敗した。ドルマールが送り込んだ暗殺者は返り討ちにされてしまったのだ。
「くそっ……!」
暗殺者を返り討ちにしたのは、兄であるダルガリスが率いている騎士団の人間だった。
トルフェリアのことを騎士団が極秘で護衛していた。その事実から、ドルマールは一つの推測をする。
「兄上め! 僕を嵌めやがったな!」
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それにまんまと引っかかった。その事実にドルマールは屈辱を覚えていた。プライドの高い彼にとって、それは許せないことだったのだ。
「失礼する」
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「私だ。ドルマール。お前の兄であるダルガリスだ」
「兄上? ……何をしに来た!」
「ふん……」
そんな彼の元をダルガリスが訪ねて来た。後ろには騎士団もいる。それが何を意味するかは、ドルマールにも理解できた。
だが、ドルマールは疑問を覚えていた。確かに自分の目論見は失敗したが、どうしてこの状況になったかがわからないのだ。
「兄上、一体どういうことですか?」
「トルフェリア嬢を狙った暗殺者が吐いた。今回の件の首謀者はお前であると」
「なっ……」
「故に、俺はお前を捕まえに来た。身内だからといって、容赦はしない。お前の悪行を白日の元に晒して、裁きを与える。それが王族としての俺の覚悟だ」
暗殺者が自分の名前を吐く。それは、あり得ないことである。
依頼主の名前を絶対に吐かない。それが暗殺者というものだ。いくら捕まったからといって、自分の名前が出てくるなんてあり得ない。
「兄上、まさか暗殺者の言い分を信じるのですか?」
「ほう?」
「奴らは依頼主の名前なんて口が裂けても言わないでしょう? もしも仮に僕の名前が出てきたのだとしたら、それはブラフでしかない。兄上は、そんなこともわからないのですか?」
「往生際の悪い奴だな……お前はもう終わりなんだ。諦めろ」
「何を言って……あ、ああ!」
そこで、ドルマールは絶望的な表情を浮かべることになった。
ダルガリスが率いる騎士団の中に、見知った顔がいた。それは、ドルマールが雇った暗殺者である。
それを見て、彼は理解する。既に自分は四方を囲まれた状態なのだと。全ては、ダルガリスの手の内。つまり手遅れなのだと。
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