私に聖女は荷が重いようなので田舎に帰らせてもらいます。

木山楽斗

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20.気楽な考え方

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 私は、今日も村を散歩することにした。
 例によって、ロヴァイドも一緒だ。ただ昨日と違うのは、彼が武器を携帯している点であるだろうか。

「ロヴァイドは、剣を使うんだね?」
「ああ、こいつが今の俺の相棒さ」
「剣や弓の練習はしていたような気がするけど……そんなに上達したんだね?」
「それなりに上達したというだけさ」

 ロヴァイドは謙虚な人間である。だから、剣の腕はかなりのものであるかもしれない。
 とはいえ、別に彼は本職の人間ではないため、本当にそれなりという可能性もある。そもそも、私の基準は王都の騎士団であるのだから、過度な期待をするべきではないだろう。

「まあ、できることならこれをあまり使いたくはないんだけどな……」
「そうなの?」
「当り前だ。魔物なんて出ない方がいい」
「ああ、それはそうだよね……」

 ロヴァイドの言葉で、私は自分が馬鹿なことを考えていたことを理解した。
 確かに、昨日のように魔物に会うなんてことは起こらない方がいい。何故か剣の腕が見られる前提で考えていたが、本来はそうならないように願うべきだったのだ。

「ヴァオールがまた現れないといいよね……」
「そうだな……もしも現れたら大変だ。あの個体だけではなく、全てのヴァオールが何らかの要因で山を離れているということになる」
「そうだよね……」

 ヴァオールの問題があれで終わっていなかった場合、大変なことになる。その全てが山から下りているとなると、事態は深刻なんてものではない。

「まあ、結局の所、俺達は何があってもいいように構えておくしかない訳なんだが……」
「こっちから動けないのはもどかしいよね」
「ああ、だが、山に入ってヴァオールがいるかどうか確かめるなんてことは自殺行為だ。これに関しては確かめようがない。一週間くらい経って、ヴァオールがどこの村でも目撃されていないようなら、やっと安心できるといった所だな」
「……王都だったら、騎士団とかが動けると思うんだけど」
「ここは王都ではないからな……騎士なんて夢みたいな存在さ」

 この村には、当然騎士なんていない。少し大きな町であるなら何人か駐在していることも多いが、こんな僻地に騎士は派遣されないのだ。
 もっとも、騎士が何人かいても調査はできないだろう。調査といった手は、騎士団の本拠地である王都だから取れる手なのだ。

「やっぱり大変なんだね。この村で暮らすというのは……」
「大変か……まあ、そうなんだろうが、これは仕方ないことさ」
「そうだよね……」

 長らく王都で暮らしていたため、私は少し気楽な考えをするようになっていたのかもしれない。
 もう少し気を引き締めるべきだろう。この村では、自分達のことは自分達でやるしかないのだ。
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