私に聖女は荷が重いようなので田舎に帰らせてもらいます。

木山楽斗

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22.下された裁き(モブ視点)

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「ダルガリス殿下、ご協力本当にありがとうございます」
「いえ、トルフェリア嬢、あなたのおかげで、我々は王家の汚点を取り除くことができました。私の手で彼を裁けたおかげで、体裁も保てましたからね。ありがとうございます」
「お礼を言われるようなことではありません。これは、私達自身のためにやったことですから……」

 侯爵令嬢であるトルフェリアと第一王子のダルガリスは、固く握手を交わした。
 第三王子のドルマールは、王家の名の元に裁かれた。
 全ては、トルフェリアの計画である。ドルマールがどういう人間であるかを理解していた彼女は、ダルガリスに協力を仰ぎ、彼を嵌めたのだ。

「いえ、あなた方の手を煩わせたことが、我々の不手際なのです。本来であれば、我々があれをもっと早く糾弾しなければならなかった」
「確かに、そうしてもらえると私達としても助かりました。ただ、ダルガリス殿下も確信があった訳ではないのでしょう?」
「ええ、ドルマールの業績はおかしいとは思っていましたが、それがあなた方の努力であるという可能性もありましたからね……」
「まあ、結局の所、私達が手を取り合わなければならなかったという訳なのでしょう」
「つまりは、あなたのおかげです」

 トルフェリアの言葉に、ダルガリスはゆっくりと頷いた。
 ドルマールの愚行を誰かが糾弾していれば、ダルガリスは動いていた可能性はある。それができなかったのは、ドルマールの権力を皆恐れていたからだろう。
 彼の元で働く者は、貴族ばかりではない。そんな者達がドルマールに逆らうのはとても難しい。それは、地位の低い貴族であっても同じだ。
 つまり、侯爵令嬢であるトルフェリアのような人間が動くしかなかった。トルフェリアは、改めてそう考えた。

「私がもう少し早く決断していればよかったのです。結果として、こうして上手くいったのですから、勇気さえあればこの問題はすぐに解決していました」
「それは、結果論というものです。そんなに簡単なことではない」
「そうかもしれません。でも、後悔しているのです。尊敬していた上司が、王城を去りました……私が弱かったから、彼女にそんな選択を取らせてしまったのです」
「聖女アフィーリのことですか……」

 聖女アフィーリ、ずっと苦しい立ち位置にいた彼女は心を折られて、王城を去ることになってしまった。
 トルフェリアは後悔していた。尊敬する彼女にそのような選択肢を取らせてしまったのは、自分であると。

「後悔する気持ちはわかりますが、それでも前に進んで行きましょう。聖女アフィーリのためにも……」
「……そうですね」

 ダルガリスの言葉に、トルフェリアはゆっくりと頷いた。
 こうして、悪しき第三王子であるドルマールの悪行は、終わりを告げることになったのだった。
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