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23.流れてきた噂
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私は、遠い王都から届いた知らせに固まっていた。
第三王子であるドルマール様の悪行が暴かれて、彼が裁かれた。それは、驚くべき事柄である。
「ほ、本当なの?」
「ああ、本当みたいだ……流石に、こんな嘘は流れてこないだろう?」
「それは……まあ、確かにそうだよね。こんなの冗談で言えることではないし」
ロヴァイドの言葉に、私はゆっくりと頷く。
確かに、第三王子が失脚したなんて噂は嘘で流せるようなものではない。もしもこれが嘘であるならば、それはそれで問題だ。
ということは、基本的にこれは本当のことということになる。あの悪しき王子が、裁かれたのだ。
「どうやら、第一王子のダルガリス殿下と侯爵令嬢であるトルフェリア様が協力して、ドルマールを捕まえたらしい。アフィーリは、この名前に聞き覚えがあるよな?」
「うん、もちろんあるよ。ダルガリス様は、当然第一王子だし、トルフェリア様は私の部下だった訳だし……」
「侯爵令嬢様が部下か、改めて考えるとすごいことだな……」
「まあ、確かにそれはそうかもしれないけど……」
ロヴァイドは、少しずれた部分に感心していた。
だが、今はその部分はそれ程重要ではない。重要なのは、ドルマール様がどうなったかということだ。
「ドルマール様は、どうなったの?」
「ドルマール殿下は、ダルガリス殿下によって裁かれたようだな。正確には王族の名において、裁かれたといった所か。なんでも、しばらく牢屋に入ることになるそうだ」
「牢屋か……」
「王子を禁固刑に処するというのは、かなり大きな事柄だな……いや、今回に関しては身内に厳しい罰を与えるということを示しておかなければならないということか」
「ああ、それはあるかも。国民に示しておかなければならないもんね。そうしないと、王家の信頼が失われてしまうし」
ロヴァイドは、手元にあるメモを見ながら色々と語ってくれた。
多分、私のために情報をまとめてくれていたのだろう。彼の気遣いが、とても嬉しい。
「というか考えてみれば、それは私が出て行ってからすぐに起こったことになるよね? ここまで噂が流れてくるまでにはそれなりに時間がかかるし」
「ああ、そうだな……つまり、アフィーリが出て行ってから全て動き出したということか」
「……そっか。やっぱり私がいない方がことはスムーズに進むということかな?」
「そういう考え方はよくないだろう」
「あ、うん。わかっているんだけど……どうしてもね」
私は、平民である私が邪魔になっていると思っていた。やはり、それはそこまで間違っていなかったようだ。
そのことに、私は安心する。結果的に事態は好転するかもしれない。それは、私が出て行く時に思っていたことだ。
第三王子であるドルマール様の悪行が暴かれて、彼が裁かれた。それは、驚くべき事柄である。
「ほ、本当なの?」
「ああ、本当みたいだ……流石に、こんな嘘は流れてこないだろう?」
「それは……まあ、確かにそうだよね。こんなの冗談で言えることではないし」
ロヴァイドの言葉に、私はゆっくりと頷く。
確かに、第三王子が失脚したなんて噂は嘘で流せるようなものではない。もしもこれが嘘であるならば、それはそれで問題だ。
ということは、基本的にこれは本当のことということになる。あの悪しき王子が、裁かれたのだ。
「どうやら、第一王子のダルガリス殿下と侯爵令嬢であるトルフェリア様が協力して、ドルマールを捕まえたらしい。アフィーリは、この名前に聞き覚えがあるよな?」
「うん、もちろんあるよ。ダルガリス様は、当然第一王子だし、トルフェリア様は私の部下だった訳だし……」
「侯爵令嬢様が部下か、改めて考えるとすごいことだな……」
「まあ、確かにそれはそうかもしれないけど……」
ロヴァイドは、少しずれた部分に感心していた。
だが、今はその部分はそれ程重要ではない。重要なのは、ドルマール様がどうなったかということだ。
「ドルマール様は、どうなったの?」
「ドルマール殿下は、ダルガリス殿下によって裁かれたようだな。正確には王族の名において、裁かれたといった所か。なんでも、しばらく牢屋に入ることになるそうだ」
「牢屋か……」
「王子を禁固刑に処するというのは、かなり大きな事柄だな……いや、今回に関しては身内に厳しい罰を与えるということを示しておかなければならないということか」
「ああ、それはあるかも。国民に示しておかなければならないもんね。そうしないと、王家の信頼が失われてしまうし」
ロヴァイドは、手元にあるメモを見ながら色々と語ってくれた。
多分、私のために情報をまとめてくれていたのだろう。彼の気遣いが、とても嬉しい。
「というか考えてみれば、それは私が出て行ってからすぐに起こったことになるよね? ここまで噂が流れてくるまでにはそれなりに時間がかかるし」
「ああ、そうだな……つまり、アフィーリが出て行ってから全て動き出したということか」
「……そっか。やっぱり私がいない方がことはスムーズに進むということかな?」
「そういう考え方はよくないだろう」
「あ、うん。わかっているんだけど……どうしてもね」
私は、平民である私が邪魔になっていると思っていた。やはり、それはそこまで間違っていなかったようだ。
そのことに、私は安心する。結果的に事態は好転するかもしれない。それは、私が出て行く時に思っていたことだ。
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